となりの億り人 大江英樹 朝日新聞出版 3分要約

3分要約

億り人とはどんな人?

 1億以上の金融資産を持つ人のこと。およそ100世帯に2~3人と意外などほど多く、地味な生活をしているごく普通の人であることも多く、誰もが隣にいるかもしれない。

なぜ億り人が話題なのか?

 若い人中心に価値観の変化や経済的に会社への依存を減らすなどの目的で、無駄をなくし堅実にお金を貯めるようになり、年配者はそれを冷ややかに見ている面がある。このような状況の象徴として億り人に注目が集まっている。

億り人はどんな人たちなのか

 イメージとは違い、真面目で堅実、地味な暮らしをしている人が多い。資産家の家に生まれた、事業で成功したなどの人ではなく、普通に働きながら投資で億り人になっている人も多い。

 天引きができる生活パターンを確立し、習慣化している。価値観をしっかり持ち、自分に必要かどうかを重視している。

どうのように億り人になるのか

 稼いだ収入を貯蓄し、投資を行っている。投資のやり方もデイトレードなどの短期的なものではなく、長期的な投資を行っている。

 投資では市場から出たり入ったりするのではなく、居続けることが重要。暴落時に株を売るのではなく、リスクを取って買い続けることが資産を増やすためには欠かせない。

億り人から学べることは

 ギャンブル性の高い儲け方は長続きせず、儲けが出てもすぐに使ってしまう場合も多い。堅実だからこそ億り人になることができる。

 お金だけを目的すれば、どこまでいっても満足できない。幸せになるには自分のポリシーを持ち、それを続けることが一番重要なこと。

地味に暮らしている億り人の思考、生活パターンを探っていく

 ここ数年億り人という「1億円以上の金融資産をこしらえることができた人」の意味の言葉が多く使われる。この言葉からは株で大儲けした、幸運で巨額の富を得たなど楽してお金もちになったようなニュアンスがあるが、証券会社で働いた筆者が実際に見たのはまじめで、堅実、地味な暮らしをしているごく普通の人たち。

 億り人はおよそ100世帯に2~3人ほどおり、普段は気づかないだけで、となりにいるかもしれない。蓄財法やノウハウではなく、となりの億り人がどんな思考や生活パターンを持っているかを探り、思考や行動に再現性があるかを考えていく。

若い世代の価値観が変化し、無駄をなくし堅実にお金を貯めている

 現在の日本は給与があがらず、株での運用が極端に多くなったわけでもないないが、個人金融資本が増加している。若い人を中心に価値観の変化から無駄をなくし、堅実にお金を貯めるようになっていおり、年配の人はそれを冷ややかに見ている面もある。このような状況の象徴として億り人が注目を集めている。

 同様にFire(経済的に自立し、早期に退職すること)も注目されているが、特に重要なのはFIの部分つまり経済的に自立し、会社への依存度を減らし選択肢を増やすことが重要になる。 

堅実だからこそ億り人になれる

 一般的なお金持ちのイメージとは違い地味な生活をしていることも多い。お金持ちのようにふるまう人でなく、堅実な人だからこそ億り人になることができる。

 資産家の家に生まれたり、事業を始め成功したような人ではなく、普通に働きながら、投資などで億り人になっている人は多い。

自分で考えて、生活パターンを確立し、天引きすることが特徴

 サラリーマンで大きな出世や親の資産がない人でも多くの資産を気付く人は少なくない。そのような人には以下のような特徴がある。

1.天引きの習慣が身についている。節約以上に天引きが重要

2.生活パターンを確立している。天引きし、貯蓄できるように生活を組み立てている。

3.なんでも自分で考える。社会通念ではなく、自分に必要かどうかを自分の頭で考えている。

億り人は非地位財に多くの価値を感じる人が多い

 地位財は他人との比較優位で初めて価値を持つもので収入や地位、評判、家、車などを指す。一方で非地位財は他人とは関係なく、自分にとってそれ自体が価値があるもので、休暇、自由、愛情、友情、働く環境などがあげられる。

 多くの人は本能的に地位財を求める傾向だが、資産家や億り人の多くは非地位財に大きな価値を感じている。自分に価値のあるものが何かを真剣に考えて、優先順位を守るため、無理なく支出を管理することができる。優先順位は人によっても異なるため、自分自身の価値観をしっかり持つことが億り人になれるかのわかれめ。

 多くの資産家は寄付を好むという特徴もある。利他的な行為から得る満足や税金の使い道を自分で決めることができるなどの理由から積極的に寄付を行うことも多い。

 ノウハウを人に紹介することも多い。資産を貯めるには地味なことを続け、価格変動に惑わされず、消費に使うお金を少なくすればよいがなかなか難しい。自分の考えや情報を発信し、自分の思いを共有したいという非地位財を好む傾向の表れ。

投資で資産を増やすには市場に居続けることが最も重要

 資産を作る手順は

1.働いて稼ぐ

2.稼いだ収入を貯める

3.ためたお金を増やす

の3つしかない。1と2については多くの場合に高い再現性を得ることができ、何度やっても同じような結果となる。

 貯めたお金を増やすのは投資になるが、短期的に大きな利益をあげるデイトレードなどは再現性が低い。再現性のある投資法は長期の運用を前提とし、取るべき時にリスクを取る覚悟を持つこと。

 短期的な市場動向は誰にも読むことはできないため、短期的に利益を得る方法の再現性は低くなる。支出を管理し、毎月の投資可能資金を増やし、長期的な投資を行うことが重要。

 暴落時に株を売るのではなく、リスクを取って買わなければ資産を増やすことはできない。市場から出たりはいったりするのではなく、居続けることが一番のポイントになる。

 価格変動が小さい=大きな利益を得にくい=リスクの低い、投資信託でも投下金額を増やし、暴落時に買い増しをし、保有し続けることで一定の成果を出すことができる。

お金を目的にするとどこまでいっても満足できない

 人生の目的はお金持ちになることではなく、幸せもちになること。お金は幸せに必要だがそれだけを目的にするとどこまで行っても満足できなくなるり不幸になる。億り人はこのことを理解しており、自分のポリシーを持ち、それをずっと続けている人といえる。

 

 

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