アフターコロナのニュービジネス大全 原田曜平 3分要約

3分要約

世界と日本のコロナへの対応の違いはどこか

 日本ではコロナ禍で我慢することで停滞してしまっているが、海外では制限された社会の中で何かできないかを考え、前進している。

 危機の中で楽しもうとする気持ちを持つことで、クリエイティブなアイデアが生まれ、新しいビジネスが多く誕生している。

コロナで起きているビジネスの変化はどのようなものがあるか

 移動制限や密の防止によって行動が変化したため、下記のような変化が見られている。

・移動の制限によるWebの利用

・対面販売からの変化

・価値観や意識の変化

 変化した行動や意識はコロナが収まっても元に戻らないことも多い。海外の事例を知り、アレンジすることで今後のビジネスに生かすことができる。

うまくいくビジネスの変化の特徴は何か

 うまくいくビジネスは下記のような順序で変化していく。

1.密や対面を避けるために新しい方法が取り入れられる

2.なるべく従来と同じ体験に近い体験ができるようになる

3.新しい方法でしかできないことが、見つかる

4.意識が変わり、新しい方法が定着する。

 代替ではなく、新しい方法ならではの部分があり、従来の方法の無駄や弱点を開園できるとより定着しやすい。

コロナでの世界の変化を知ることで我慢以外の方法を知ることができる

 コロナの流行によって生活、ビジネス、社会の状況は激変した。世界ではコロナ禍にあっても、新しい状況に適応しようと、新しいビジネスや取り組みが数多く登場している。

 日本ではテレワークの普及が進まないなど変われない部分が目立ち、アフターコロナに対応するのではなく、過ぎ去るのを待っている人も多い。

 日本人はコロナ禍を我慢することを選び、前進をあきらめ、停滞を選んだが、海外では制限された社会の中でなにかできないか、どうすれば苦境を乗り越えられるかを考え前進している。

 危機の中でも楽しもうとする気持ちを持つことで、クリエイティブなアイディアが生まれている。海外の事例を参考しアレンジし、研ぎ澄ますことは日本人の得意なこと。本書で世界の先進事例を知ることで今後のビジネスに生かし、我慢以外の方法への転換をすることができる。

コロナへの対応は7つに分けられる

 世界ではコロナに対応する様々な事例があり、大きく7つの種類に分けられる。

1.距離を超える

2.新しい購買体験

3.新しい娯楽の在り方

4.贅沢の概念が変わる

5.時代を拓くデータ活用

6.企業活動のアップデート

7.地球はネクストステージへ

行動が変われば、新しい行動でしか出来ないことが見つかる

 移動の制限や密の防止を可能にするように行動が変化し、それに伴って意識の変化も変化すれば、コロナが収まっても、変化した行動は元には戻らない

 行動の変化は以下のような順序で起きる。

1.密や接触を防ぐ方法が取り入れらえる

2.できる限りこれまでの手法と新しい方法のギャップをなくす

3.新しい方法でしかできないことに気づく

4.意識が変化し、新しい方法がさらに進化し、これまでの方法に置き換わっていく

 オンライン化やテクノロジーの利用で新しい方法が提案され、多くの人が利用し、これまでの方法の無駄や弱点を克服することで新しい方法がどんどん生まれ、定着していく。

距離を超えることで移動時間が不要になる

 密の防止のための移動制限や人数制限、ステイホームは、これまでオフラインで行っていたことのオンライン化につながっている。

 VRによる会議、バーチャル冠婚葬祭、オンライン授業、ジムではなく家でのフィットネス、ヴァーチャル旅行、オンライン受診など様々。

 これまでの方法から移行できれば、移動時間の節約につながり大きな効率化が期待できる。

 如何にこれまでの方法と同じ体験をオンラインでも可能にするか、それに合わせた仕組みや道具を提供できるか、敷居を下げ多くの人に参加してもらうかがポイント。

ネットショッピングでは利便性以外の部分をどう出すかが重要

 買い物での、非接触、非対面も大きく進んでいる。その場に行かなくても購入できる便利さからコロナ後も新たな購買の標準仕様として各行業界でニーズが高まることは必至。

 対面での販売から非接触へ変化することやネットショッピングの拡大は顧客数の増加や顧客の利便性を向上させる。その一方で安心感や利便性以外の利点をどのように出すかが課題となる。

 VR店舗を作り出すだけでなく、それを知人と一緒に見れておしゃべりできるようにすることで利便性+従来のショッピングの楽しさを提供することが可能になる。

 家で過ごす時間が増えたことに着目したサービスや、配達量の増加への対応としてドローンを検討するなどもビジネスとして有望。

娯楽は従来の代わりではなく、オンラインならではの特徴が必要

 劇場、映画館、ナイトクラブなどもコロナ禍での休業を余儀なくされ、従来とは異なる方法でのエンターテインメントの提供をおこなっている。

 オンライン配信やアバターを用いたオンライン上でのイベントの開催、車に乗ったままでの映画鑑賞など様々。

 如何にリアルに近づけるかだけでなく、オンラインならではの特徴を持たせるかが重要。どこからでも参加できることはオンラインの大きな特長であるため、それを活かすことができればユーザーの数を大きく増やせる可能性がある。

 また、イベントを開きたいメーカーや飲食店はノウハウがなく、消費者もイベントに参加したいが好みのイベントを探すことは難しいため、両者を結び付けるプラットフォームを提供することも大きなビジネスチャンスになる。

コロナによって贅沢の概念も変化している

 高額な商品やサービスではなく、快適に過ごす時間こそが贅沢と考える人も増えている。コロナによって価値観も大きく変化している。

 食では自宅での簡単に作れる料理キットや調理器具、デリバリー、家庭菜園での栽培などただ食べる竹でなく、作り出す楽しさを求める人も増えている。

 庭などの屋外の利用、地元を見直すような近距離での旅行なども注目。これらに会ったプランを提供することができれば大きなビジネスチャンスにすることも可能。

アイデアの実現にはデータの活用や素早い決断が重要

 テクノロジーの利用によって感染を封じ込めることに成功した国も多い。

 位置情報を利用し、感染者の動向を補足する、混雑状況を把握することで感染防止をおこなっている国も多い。フェイクニュースが拡散しないように正しい情報、ファクトを公式で配信した国も多かった

 アイデアを実現するために、データを集め、どのように活用するかを素早く決断することの重要性が増している。

企業活動にも変化は見られている

 企業活動もコロナによる変化で大きく変化している。

 密を避けるような対策、ECの強化、需給の変化に対応できる雇用(社員の他企業への貸し出し)などの制度面での改革に加え、社会貢献をしている企業を寄付などで応援するような仕組みが発達したことでこれまで以上に会社の持つ意義を表明し、実現する重要性も増している。

 デジタル化への対応やスピード感のある決断で従来の枠組みにとらわれない貢献が可能な会社が求められるようになっている。

移動制限はローカルの重要性を浮き上がらせた

 パンデミックによる移動制限は行き過ぎたグローバル化への反動としてローカルの重要性、ローカルの持つ可能性を浮き上がらせてもいる。

 地域コミュニティ―の強化や地元の小売を応援するようなしくみ(ローカルに特化したECサイトや地元の農家の野菜のサブスク)などでローカルを盛り立てていくことも少なくない。

 また、自然に触れることの重要性を感じた国も多く、公園の整備や自動車での移動を前提にした都市設計から人間を中心とした都市計画への移行を検討している国も少なくない。

変化に対応できなければ、コロナ後に消費が戻っても復活できない

 遅れてはいるものの、ワクチン接種が進めば、今後はリベンジ消費が巻き起こしていく。アフターコロナの企業やビジネスは大きく3つに分けられる。

1.コロナ前と同じ商売をそのまま復活させ元気を取り戻すパターン

 従来から予約が取れない、人気が高く混雑するテーマパークなどが当てはまる

2.コロナ禍で生まれたサービスが定着する

 Eコマースの普及で従来と同じような対面サービスの需要は回復しない可能性が高い

3.消費が戻っても復活できない

 消費者心理の変化に対応できず、復活できないことも多い。特に贅沢の概念が商品から時間へと変化した影響は強く残ると予想されている。

 海外で起きたことや若者の間で流行っていることを知り、それを分析することを意識的に行うことで消費者の心理変化を知り新しいビジネスのとっかかりとすることが可能となる。

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