エフォートレス思考 グレッグ・マキューン かんき出版 3分要約

3分要約

エフォートレス思考とはなにか

 頑張りが成果につながることもあるが、限界がありいくら時間を費やしても、効果の上がらないポイントがある。努力と根性で進むのではなくどうすればもっと楽になるかを考えることが、エフォートレス思考。

エフォートレス思考はなぜ必要か

 困難な仕事こそが大事な仕事であり、なかなか達成できないものと考えがち。しかし仕事が困難なのは簡単な方法を見つけていないだけであり、簡単な方法を見つけ出すにはエフォートレス思考が必要になる。

エフォートレス思考にはどんな効果があるか

 エフォートレスなアプローチを取れば、物事に難易度が下がり、力を入れなくても進むようになり動き出せば、勢いがどんどん増し加速していく。

エフォートレス思考をするために必要な考え方

 楽をすることが悪いことという思いこみを捨てることが最も重要。

エフォートレス思考をする具体的な方法とは

 1.重要なことと楽しいことを結び付ける

 2.ポジティブな態度をとる

 3.休息をとり、目の前ことに集中する

 4.明確で踏み出しやすいゴールを設定する

 5.完全主義をやめ、やらないことを最大化し、本質的な部分に集中する

 6.エフォートレスな仕組化する

頑張らないからこそ結果が出るのがエフォートレス思考

 多くの人が真面目に頑張っているのにうまくいかない、成果が出ないということに無力感をおぼえることがある。もっとがんばらなければいけない、ゴールは限界を超えたところにあると思いさらに頑張ってうまくいかないことも多い。

 頑張りが成果につながるのは事実だが、限界がある。あるポイントを超えるといくら時間とエネルギーを費やしてもそれ以上の効果は得られない。大切なことを優先すれば、大切なことを達成できるが、大切なことだけをやろうとしても多すぎるであれば、あきらめるかやり方を変えるしかない。

 本当に大切なことで成果を出したいのであれば、力づくで頑張るのではなく楽なやり方で最優先事項に取り組むしかない。

 頑張らないのにではなく、頑張らないからこそ結果がでる。これがエフォートレス思考。

 本書ではエフォートレス思考を身につけるに必要な、エフォートレスな精神を身につけ、エフォートレスな行動を行い、それを仕組み化する方法がかかれている。

うまくいかないのは簡単なやり方をみつけていないため

 我々は大事な仕事に時間とエネルギーをつぎ込み、健康さえ犠牲にすることに価値を感じ、重要な仕事は困難で簡単な仕事は取るに足らないと思いこんでいる。だが、大事な仕事をやりとげられないの最大の理由はもっと簡単なやり方を見つけられず、困難だからこそ。

 努力と根性で進むのではなく、どうすればもっと楽になるかを考えることがエフォートレスなアプローチとなる。難易度を下げれば物事は力を入れなくても進み、物事は前に進み、いったん動き出せば勢いが増して動きはさらに加速する。楽をするのが悪いことという思いこみを捨てることでエフォートレスに日々を生きることができる。

重要なことを楽しいことと結びつける

 重要なことと楽しいことが重なり合わないと、重要なことをするのは苦痛になる。重要なことと楽しい活動を結び付ければ、気が重かったこともエフォートレスに実行できるようになる。

 楽しくないことに取り組めるのは後で結果が返ってくることを期待できるから。これらは行動した時点ではなく、何週間、何か月、何年もあとに結果が返ってくる遅行指標。行動と結果のタイムラグを減らすため大事な行動にわかりやすい報酬を結び付ければ行動自体が楽しくなる。

 仕事と遊びを分けなければ、仕事が楽しくなるだけでなく、創造性が刺激され新たなアイディアや解決策が浮かぶこともある。自分の中で行動まえに行う儀式を決めておくと心を落ち着かせ、不安を鎮めエフォートレスな精神に戻ることができる。

不足思考から充足思想にシフトし、ポジティブな態度を習慣化する

 足りなないものに目を向けると、今あるものに目がいかなくなるため、不満ではなく感謝に目を向けて不足思考から充足思考にシフトすることが重要。

 ポジティブな態度はどんどんポジティブな効果を生み、初めの勢いさえつければ、成果を出すのはどんどん簡単になっていく。

 人間は習慣化によって、その行動をしやすくなるため、不満を言ったら、ひとつ感謝すべき点を見つけるようにするとポジティブな態度を取りやすくなっていく。

休息をとるためにルールを決めておく

 十分な休息は未来のストレスを減らし、仕事の質を高める。やり過ぎと不充分の間のちょうどよいポイントを見極めるのは意外と難しいため、いつ何をやるか、休憩の取り方のシンプルなルールを設定すると良い。

 現代人は慢性的に睡眠不足で病気や認知機能の低下の原因になっている。睡眠の量と質を高めることの恩恵は大きい。

目の前のことに集中すると新しい解決策を見抜くことができる

 目の前のことに集中するのは、意外と難しいこと。聞くことは簡単だが、他のことを考えずに聞くことは難しい。何かを見るのは簡単だが、見るべきものだけをみるのは難しい。

 雑多なノイズの中にありながら、今やるべきことに対する注意と集中力を失わない状態をもてば、重要なことを把握し、以前には気づかなかった解決策を見抜くことが可能になる。

 ただその場に集中することは相手に対しても大きな影響がある。悩みを相談されたには結論を出すのではなく、傾聴し相手が判断する手伝いをすることが大きな効果がある。

頑張りすぎは成果を下げる

 あるポイントを超えると努力の量は結果に結びつかなくなる。頑張りすぎは成果の質を下げてしまう。仕事がうまくいっているときもっと頑張ろうとは考えない。重要なのは何も考えなくても体が動き、目の前のことに没頭できる状態を作り出すこと。

明確で踏み出しやすいゴールを設定する

 明確なゴールが無く曖昧な場合、仕事を確実に困難にする。ゴールをイメージし、やるべきことが明確になれば集中力は格段に上がる。痩せるではなく、体重計を見下ろし60㎏という数字を見る自分をイメージするとゴールは明確になる。

 重要なことを始めるときには困難を予測し、ひるんでしまうこともある。そのような場合は最初のゴールを近くに設定し、まず一歩踏み出してみることが重要。最初の一歩を正しく踏み出せばやる気とエネルギーが高まり、行動を続けることができる。

 脳科学や心理学によると、今として認識される時間はおよそ2.5秒。その2.5秒の間に新しい行動をすることも無駄な行動をすることもできる。テック企業は2.5秒の重要性を心得ており、注意を引けるように工夫しサービスを小さな単位で提供している。たった2.5秒でも積み重なると多くの無駄な行動に費やしてしまう。

やらないことを最大化し、本質的な部分に集中する

 手順が多すぎると人は重要な部分を見落としたり、煩雑すぎて圧倒されてしまう。完了するために必要最低限なステップが何かを考えることが完成への近道になる。

 必要以上の努力は完成から遠ざかる要因。やらないことを最大限に増やし、価値を生み出すステップにのみ集中すれば、本質的な部分に使えるエネルギー、脳のリソースが増えていく。

創造は始めは不完全で不格好であることを受け入れる

 多くの人は創造は最初から高い完成度を持っていると勘違いしやすいが、不完全で不格好であることが多い。失敗を恐れるのではなく、失敗を重ねることが新しいことを取得したり、生み出すには欠かせない。不完全さを受け入れごみを作る勇気を持てば、始めることができ、一度始めればどんどんマシなものができるようになる。

全力疾走はリスクが大きい

 全力疾走のリスクは高い。最初から大きなゴールを設定するとすぐに疲れて息切れし、結果的に遅くなってしまうことが多い。

 やることの上限と下限を決め、うまくいっていてもそれ以上やらないようにすると結果的にスムーズに成果をあげることができる。下限はモチベーションを維持できる程度には高く、上限は順調に進んでいると感じられる程度には高く、つかれない程度に設定する。

エフォートレスな仕組みを作ると成果は累積的にあげられる

 直線的な成果には限界がある。一度の努力で何度も成果を上げられる累積的な成果を利用すれば何もしなくても成果がついてくるようになる。

 エフォートレスな行動で結果を出してもそれは直線的な結果に過ぎない。エフォートレスな仕組みを作ることで累積的な成果を出すことができる。

原理原則を学べば広範な問題に応用できる

 加速する生活の中で頭を使う手間を惜しみ、手軽な解決策を求めてしまう。しかし、原理原則を学べば広範な問題に何度でも応用することができるようになる。顧客のニーズを深く理解した企業家は多様なサービスや製品に応用でき、チームビルディングの原則を学べば、多くのチームに応用できる。

 複数の分野で原理原則を学び、それぞれを組み合わせることができれば、累積的な知が形成され、分野を超えてアイディアが結びつき新しいものが生まれる。読書は賢い人々の発見や知恵にアクセスでき累積的な成果を得るのに最も有効な活動。

 みんながやっていることを上手にやるよりも誰もやっていないことをそこそこうまくやった方が、価値は高まりやすい。

多くの人に教えることでより大きな結果を得ることができる

 人に教えることは広範囲に影響を与えられる。何かを一人で作るよりも作り方を教えみんなで作れば大きな成果をあげることができる。

 人に教えることで、自身も効率的に学ぶことができる。誰かに教える機会があるかもと考えるだけで学びの濃度は大きく高まる。もっとも重要となことを、最もシンプルに伝え、多くの人に届けることで少ないく量で大きな結果を得ることができる。

重要なタスクの自動化は長期的に大きな利益になる

 人の記憶能力は非常に優れているが、必要に応じて呼び出すことのできる情報の容量は、はるかに小さいため、複雑さが増すと管理能力を超えうっかりミスが起こる。うっかりミスを防ぐためにはチェックリストのように記憶に負担をかけないような仕組みでチェックを自動化すると良い。

 日々繰り返される重要なタスクを自動化できれば、後々まで大きな利益をもたらす。一方で不要なものを自動化すると惰性的に続けてしまうので、大事なことをハイテクで自動化し、不要なものはローテクで手間がかかるようにすると良い。

信頼を置ける誠実な人であれば、管理が楽で仕事の効率と質をあげる

 チームに信頼関係がなければ、監視やチェックに時間がかかり仕事を簡単に任せることができない。信頼関係を築き、それを維持することは仕事の効率を上げ、質を高めるためにも欠かせない。

 信頼できる人材を選ぶには誠実さ、知性、自発性に3つ、特に誠実さを重視して採用できればエフォートレスな成果を挙げる近道になる。

悪の枝葉ではなく、根をたたく

 根本の問題を解決せずに、ごまかすほうが手軽な場合、問題を放置してしまいがち。しかし根本原因を解決し、問題が起きなくする方が長期的な視点では、ずっとコストは低くなる。

 悪の枝葉ではなく、根をたたくことは意識しないと難しいが効果は大きい。何度も繰り返し、問題が起こるのでれば根をたたくメリットは大きい。

今何を選択すべきかは大きな力をもっている

 自分たちでコントロール出来ないことまで考えてしまうとただ自分たちを追い込むことになってしまう。シンプルで自分たちにコントロールできることに注目し、無理に頑張らないことで自由で軽やかな気分になることができる。

 今何を選択すべきかは、人生の苦痛や痛みと比較しても大きな力を持つ。どんな困難が待っていても、いつだってよりシンプルで簡単な道を選ぶことができる。

 

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