サブスクリプション経営 根岸弘光、亀割一徳 日経文庫

本の概要

 サブスクリプションが話題となり時間がたつが、まだまだサブスクリプションビジネスでの売り上げ維持拡大は難しいと筆者は感じている

 サブスクリプションビジネスで最も重要なことは、プロダクトの品質重視から顧客に常に新しい体験を提供し続け、満足度を高め継続利用につなげることに変化すること プロダクト中心の考えからサービス中心の考えに変換できるかが、最も重要 

 良いプロダクトがあることは前提条件すぎないため、それだけでうまくいくと容易に考えると失敗につながる 

サブスクリプションはなぜ注目されるのか?

 製造物の技術革新が難しくなり、商品がコモディティ化し、企業は価格競争に突入している 価格競争にさらされた企業は「モノ売り」から「コト売り」に変化してきている 「コト売り」とサブスクリプションの相性が良いため注目されている 他にも

・消費者意識の変化(所有願望の低下、低所得)

・常時インターネット接続、通信速度の高速化

などが要因となっている

 企業側にも、将来売り上げを考慮した投資計画が可能となり、安定した長期収入をあげられるメリットがある

なぜ、多くの企業がサブスクを検討するのか?

 サブスクビジネスにはインターネットの力が不可欠 GAFAなどの企業がサブスクのプラットフォームを形成してしまえば、製品を提供する下請けになってしまう

 これを避けるためには

・特定の製造技術をたかめ、他にできない付加価値を求める

・モノからコト売りに変化する

の二つが考えられ、後者に最適となるのがサブスクリプションビジネスとなる

サブスクに失敗する理由

 従来のビジネスからサブスクに転換し、安定的に利益を得ることができている企業は少ない

 日本企業は「良いサービス企画を実現すれば売り上げが増える」と考える場合が多く、失敗しやすい

 モノのサブスクであっても、プロダクト中心から顧客、契約者中心の考え方に変える必要がある この発想の転換が難しい

サブスクで成功するために必要なこと 

 サブスクリプションビジネスは永遠のβ版と考えることが重要 そのためには

・購入する際に比べ、利用のハードルを下げ、満足してもらい利用を継続させる

・顧客情報を継続的に得て最適な提案を行い、利用を継続させる

 ことで常に新規サービスを提供し続け、解約を防ぐ必要がある

 良いサービス以外にも顧客分析、決済などのシステム確立、組織改革などが必要で新規事業を立ち上げる以上の負荷がかかると考えなくてはならない

 課金形態が複数(定額、従量型、その組み合わせ)ある ダウン/アップグレードやサービスの休止、再開が頻繁にあるなど様々な変更も多い等の理由から、特にIT部門への負担増は大きい 外注している企業も多いが、内製化するなどしてスピードUPする必要性が大きい

 IT部門に限らず、サービス提供の実践を通して仮説検証のサイクルを早く回す必要がある 

「まずやってみる」スピード感が重要

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