3分要約
ユーチューバ―はなぜ消滅する?
同時翻訳が発展すれば、ユーチューバ―の競争相手が世界中に広がり、ごく一部以外は生き残れなくなっていく。
さらにVチューバをAIが更新するようになれば、さらに競争は激化していく。
本書ではこのように、筆者が考える未来が多く書かれている。
なぜ未来のに起きることを考え、予測するべきなのか?
AIをはじめとした技術の発展で、二極化が進行し格差は大きくなる。生き延びるためにも未来について考える必要がある。
未来を予測するにはどうすれば良いのか?
今起きてる価値観の変化が、社会の変化をもたらしていく。価値観の変化とそれがもたらすものに注目すると予測しやすくなる。
また技術が発見され普及するには時間がかかるため、どのように技術が広まっていくかに注目することも予測の役に立つ。
未来とどう向き合うべきか?
起きている変化や起きそうな変化に反発や嫌悪感を抱くこともあるが、それは現在の価値感で考えているから。
価値観が変わっていく可能性を見つけ様々な実験を繰り返す、面白がった者勝ちで予測できない状況を楽しむべき。
今後、さらに格差が広がるため生き延びるために未来を知る必要がある
AIが進化し、普及した場合に人間の仕事が残るのか、なくなるかは大きな議論を読んでいるが、筆者は20、30年のスパンで見ればほとんどの人の仕事は残らないと予測している。
ごく一部の人には仕事は残るが、多くの人の仕事はなくなり格差はさらに広がっていく。生き延びるためにも未来がどんな方向に向かっていくのか知らなければならない。
未来を予測する際には価値観の変化に注目すると良い
いつの時代も人間は未来を予測することに強い関心を持ってきた。未来を予測するには産業や経済ではなく、今起きている価値観の変化に注目し、価値観の変化がもたらすそうなことを予測すると的中しやすい。
今起きている価値観の変化は以下の3つ。
1.第一印象至上主義:最初に持った印象や感情を絶対視する
2.考えるより探す 回答を自分で考えるのではなく、大勢の意見から自分にあったものを選ぶ
3.中間はいらない トップは今のままの状態だが、そこそこの位置のものや人は不要になる
また、ある技術が普及するには、原理的にできると研究者が発表→何とか実用できる→コストだけが問題なる→徐々に普及するいう手順を踏む。
それぞれの段階で10年程度の時間がかかることが多い。今とっかかりが見えていも見えていないような技術(どこでもドア、タイムマシンなど)は30年レベルで普及する可能性はかなり低いことを考慮すると予測しやすくなる。
人々は自分の見たいものを見るため、現実を補正して見たいものにする
フェイクニュースの話題などでもわかるように、人々がニュースが真実であるかはたいていの人にとって重要でなくなっている。筆者は文化は常に真実の上位に来ると考えており、どの文化を信じるか、取り入れたいかを選択している。
多くの人はありのままの現実よりも、選択した文化に合う自分の見たい世界を見ることを選択する。現実を補正する技術(写真の加工やSNS、AR,VRなど)がますます進化し、現実をデコレーションすることができるようになる流れは今後も続く。
そのため、みんなで同じ現実に向き合うよりもそれぞれが別々の現実を生きる流れは加速していく。拒否感を持つ人も多いが、衣服を着飾り自分を良く見せてきた歴史と同じことが起きるため、この流れは止まらないと思われる。
コンテンツは世界中を相手にするか狭い範囲のローカルかの二極化する
ブログ、ツィッター、ユーチューブはそれぞれ、新聞、ラジオ、TVの役割を奪い始めている。ユーチューバーが子供に人気になっていることからもわかるように、その影響力は今後さらに大きくなっていく。
一方で、機械翻訳が発達することで、言語の壁がなくなればユーチューバの競争相手は世界中の人となり競争が激化する可能性は高い。ユーチューバ―に限らず、今後はグローバルとローカルの2極化が進み、日本だけなどの中途半端な範囲でのコンテンツはなくなり、世界中を相手にするか、地方や町内など狭い範囲のローカルだけが残ることができる。
さらにバーチャルユーチューバ―の流行はAIが配信を行い、ユーチューバーを淘汰する未来の第一歩かもしれない。
二極化は様々な分野で起きる
日本のアイドル文化は40年以上の歴史になり、文化として変質し、人々がアイドルに求めるものも変化、多様化している。
アイドルも芸能活動だけを頑張り、徐々に人気が出るのではなく何かの分野で有名になった人がアイドルになるパターンや両親がスターなど生まれながらのアイドルの二つが増えていく。
多くの分野で、二極化が進み、中途半端な存在が淘汰されていく流れは確実に進んでいく。
ブラックボックスに穴をあけると反発もあるが、経済を活性化する
社会の在り方を変えるような変化は、既得権益を持つ人やもともとの利用者から反発を受けることもあるが、我々は安いや便利に抵抗することができないため、そのような変化は止まることはない。
その結果、巨大資本だけがますます発展していく構造はAmazonなどの他業種への進出でもみることができる。
Amazonが進出し、多くの人がレビューを書き、参考にするようになれば元の産業にあったブラックボックスに穴をあけることができる。Amazonが不動産ビジネスに進出すれば不明確な部分の多かった不動産の売買や貸し借りが透明化され活性化が期待されている。
ブラックボックスに穴をあけることが経済を活性化する一番の方法。中国ではネット通販のアリババが支払い歴や資産、職歴などかユーザーの信用度をチェックしている。日本では自分の評価の可視化に抵抗があるが、学歴や家系で評価が固定化されず、努力で評価を上下させる法が生きやすくなる。
全ての文化は現実からの逃避を促すもの
リアルには雑音が多すぎると感じ、バーチャルの世界に重きを置く人は必ず増えていく。特に恋愛を面倒に感じる増え、理想を体現しやすいバーチャルを求める人の増加でリアルとバーチャルの境界が消えていく。
すべての文化は現実からの逃避を促し、技術も向上しているためこの流れも止まることはない。
AIは家族に変わりにもなっていく。わびしいとも感じるが将来的には価値観も変化していく
AIを利用したロボットも今後は増えていき、機械学習によってあらかじめプログラムされていないことも試行錯誤できるようになっている。AIロボットが学習を繰り返し一度出るようになれば、そのデータをコピーし他のロボットもできるようになるため世界中で同じことができるようになる。
調理や製造現場での利用はすぐにでも進み、家族の代わりとなる日もそう遠くない。我々がコミュニケーションをとれていると感じるハードルは意外と高くないため、人間の機能全てを再現できいる必要はない。
そのような光景をわびしいと思う人も多いが、それは現在の価値感で未来を見ているから。社会が劇的に変化すれば、価値観も大きく変化しその変化を自覚しないことも多い。
政治家に求められるものはキャラクターに変化していく
ここ100年ほど多くの国が民主制を採用し、できるだけ有能で誠実な人を政治家に選ぼうとしてきたがそのやり方にも限界が見えている。
現代社会の問題は膨大で、複雑で、広い範囲にわたっているためあらゆる人を満足させるようなことはできない。そうなると多くの有権者は誠実そう、決断力がありそうなどキャラクターで政治家を選ぶようになる。
キャラクターで政治家を選ぶことは昔から行われており、人徳のある為政者が人民を収めていた例は多く、これも一種のキャラクター主義。人間の社会は昔からルール主義とキャラクター主義の間を行ったし来たりしている。
現代はルールで大勢の人間をまとめ、共同体を維持することが難しくなっている。そもそも政治家に必要な能力を理解できていないためキャラクターで選ばざるを得ない状況が続いていく。ゆくゆく、人工知能の判断を基に政治が行われるようになれば、人間に求められる部分がキャラクターだけでになっていく。
国家や政治のあるべき論を語っているのではなく、様々な実験をしていかなければならないし、その動きが世界のあちこちで起こっている。
予測できな状態を楽しむことが未来で勝つことができる
生き残るための仕事の見つけ方には二つしかない。
1.うまくいっている人の役に立つ
2.うまくいっている人の機嫌を取る
うまくいっている仕事ではなく、うまくいっている人の近くに行くことが重要。
乱世で生き抜くには、自己実現を考えている場合ではなく、何とか乗り越えられるサイズの苦労や不幸を乗り越えた状況が幸福と考える必要がある。
現在はあらゆるもののコストが下がり挑戦しやすくなっていて、最低限の生活が保障されている。このような状況では未来は面白がった者が勝ち。あらゆるものが崩れて予測できない状態を楽しむべき。
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