最高の飲み方 葉石かおり 日経BP社 まとめ

概要

 お酒を飲む人の多くは自分の飲み方が、健康的なのか、どんな飲み方が健康的なのかでなやんでいる。筆者はお酒好きの立場から医師や専門家に酒飲みの疑問や不安を聞き書かれた本。

 酒は百薬の長はあくまで条件付きで、適量のお酒を飲む=長生きではないではない。そのため正しい飲み方と悪い飲み方を知ることでより健康的にお酒を楽しむことができる。

アルコールの影響と適量

 アルコール自体は身体への悪影響も多く、積極的に勧められるものではない。まずは適量、飲み方を知り、意識することが重要。

 アルコールの適量は一日20g。日本酒なら1合、ビールでは500ml、ワイングラス2杯に相当する。一日60gを超えると依存症などの問題が起こってくる。

アルコールとの付き合い方

 休肝日は重要だが、アルコールの総量そのものが関わる疾患もあり、休肝日を取るだけでなく、適量を守る必要がある。リスク0で生きる必要はなく、常に健康を意識することが重要となる。

 大腸がん、乳がんなどは飲酒によってリスクが高まることが確実とされている。

 飲酒量を減らすには見えるかをし、無理な目標設定をしないことが重要。

 アルコール依存症は109万人にもおよび、予備軍は980万人にも及ぶ。

良いアルコールの飲み方

 アルコールは体内に入ると胃で5%、残りは小腸で吸収される。吸収されたアルコールは肝臓でアセトアルデヒドに変換されたのち酢酸になる。酢酸が最終的にエネルギーと脂肪酸を生成する 脂肪酸は中性脂肪の元になる。

 アルコールを小腸へ送る時間を遅くすると、血中アルコール濃度の上昇を抑えられる。

飲酒時の食事

 空腹時にお酒飲むと胃腸からのアルコール吸収が増えるため、酒を飲む前に何か食べておくとよい。胃で滞留する時間が長いものが良く、一例としては

・胃で滞留する時間が長い油、脂肪を含むもの

・胃を保護するキャベツなどのビタミンUを含む食材

・肉納豆などのタンパク質

・食物繊維を含む食材

 などが良いとされている。また、アルコールの分解を助けるものとして以下のようなものがある。

・タコやイカに含まれるタウリン

・ゴマに含まれるセサミン

 塩分の過剰摂取は腎臓、肝臓に負担をかける。また、酒自体のカロリーはそこまで高くないが、おつまみにカロリーが高いものが多いと肥満につながる。

悪い酒の飲み方

 ちゃんぽん:飲んだアルコール量を把握できずに悪酔いする。

 飛行機:気圧が低い=酸素濃度が低く、乾燥しており水分不足にもなりやすいため、飲酒は控えたほうが良い。飲む場合でも普段の半分にし、より水分補給に注意が必要する。

 おう吐:体の拒否反応であるため、我慢しないほうが良いが、強引に指をのどに入れて吐くことはNG。

 顔が赤くなるのはアセトアルデヒドの作用で毛細血管が拡張されるため。
 アセトアルデヒド分解酵素の強さは遺伝子の組み合わせで決まり、弱いほど赤くなりやすい。遺伝子検査で分解酵素の強さを知ることができる。

お酒の種類と健康

 アルコール量を適量にすることは大前提ではあるが、一部のお酒ではその健康効果も確認されている。

焼酎:血栓を溶解させる酵素の活性を促す、善玉コレステロールを増やす。

赤ワイン:喫煙率が高く、動物性脂肪の摂取量の多いフランス人がなぜか心疾患での死亡率が低かった
原因は赤ワインに含まれるポリフェノール。ポリフェノールは抗酸化作用を持つ物質として知られる
皮や種に多く含まれるため、皮や種ごと発行する赤ワインはポリフェノールを多く含む。

ビール:ホップ由来のイソα酸に脳内老廃物沈着を抑制する。多量摂取は男性ホルモン減少につながる。

絶対NGな飲み方

寝酒:入眠効果は一時的 全体での睡眠の質は低下する。
薬を飲む:作用副作用の増強や代謝が強すぎ、効きが悪くなる。
入浴:寒いところでは血圧が上がり、熱い風呂につかると血圧が下がる。飲酒時は血圧が一時的に下がるためより血圧の乱降下が起きやすくなる。シャワーのほうが負担は小さい

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