本の概要
筆者はテレビの天気予報士 インターネットの発展で即時性では、勝てなくなったがテレビでの気象解説する機会はむしろ増えている
これは大雨や猛暑などの新しい天気現象、ゲリラ豪雨などの異常気象が増えているため
注意や警戒を促す一次情報も重要だが、何が起こっているのか、現象の原因に答えることは次に同じ現象が起こった際に、被害を最小限にするために必要となる
人類と天気
人類は昔から天気に振り回されえている 狩猟、採集、農業、漁業の成果は大きく天候に左右され、その影響は2次3次産業にも及んでいる
そのため人類は昔から観察と予想を行っており、経験的に天気予想をしており、一部はことわざなどとして残っている
一部には、根拠のあるものもあるが、経験に基づいた天気予想はそれぞれの土地に固有でどこでもなく、迷信に近いものも多い
天気予報の始まり
科学的な予報は19世紀にヨーロッパで戦争中に嵐で艦船を失ったっことをきっかけに始まった
当初は精度が低かったものの、20世紀後半には気象学とコンピュータの発展、気象衛星などの観測機器の開発で格段に進歩した
天気予報の基本
天気の状況を予測に生かすのは観測地だけでなく、気圧配置が重要となる 気圧配置から風を読み取れば、どこが晴れて、どこで雨が降るかだいたいわかる
風がぶつかる場所は上昇気流となり雲が生まれる
等圧線が狭いほど風が強くなる
この二つが基本的な予報法
天気現象とその変化の主役は水 水は氷、水、水蒸気の3相で変化している 地球の水の97%が海水で占められおり、水蒸気の割合はわずかだが、海水から発生した水蒸気は風に容易に流されるため流動性が高い
そのため、わずかな量でも地球上の水を移動させる役割を果たす
水の様々な性質を踏まえて水蒸気がどのように運ばれるかを知ることが天気予報の重要なポイント
太陽エネルギーで地球の温度差が生まれ、水蒸気を含む空気の流れを作り天気の変化をもたらす この一連の動きが一目でわかるのが気圧配置
地上では高気圧から低気圧に向かって風が吹く、またその風は地球の自転のために渦を巻いて吹く(コリオリの力)
自転スピードは非常に速いため、風がまっすぐ進んでいても自転している地球から見ると曲がっているように見える
偏西風なども赤道から極域に向かう風が曲げられたもの
異常気象
近年は様々な異常気象が増加している 温暖化による海水温の上昇はエルニーニョ現象などを引き起こす。異常気象が、強く、頻繁になると予測がより難しくなる
豪雨
集中豪雨
地形によって起きる 山が多い日本では切り込んだ谷も多い 谷の入り口から空気が入り込むと、幅が狭くなり突き当ることで強い上昇気流になる あとからどんどん湿った空気が流れてくると集中豪雨になる
風同士の衝突で上昇気流が起きても発生する 特に前線同士の衝突では衝突場所が変わらす上昇気流が発生するため、集中豪雨になりやすい
ゲリラ豪雨
冷たい空気は重く、暖かい空気は軽いため暖気と寒気が混在すると暖気は上、寒気は下に向かう
しかし、地表面に暖かい空気があり、上に冷たい空気が流れ込むと上が重く、下が軽い状態になり、大気が不安定になる
異常気象の原因
温暖化以外に都市化も異常気象の原因になっている 都市化が進むことで下記のような問題が起こる
・土による水蒸気の蒸発による冷却効果が失われ熱がこもりやすくなる
・都市部が高温化すると、海から吹き込んだ風が内陸部で合流し、上昇気流を作り大雨となる
・土が少なく、水がしみこみにくいため水害が起きやすい
豪雨以外にも猛暑日の急増、大雪、台風の増加などの異常気象の多く観測されている
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