糖質中毒 牧田善二 文藝春秋 3分要約

3分要約

糖質中毒と何か

 脳が中毒状態になり、糖質をたべずにはいられなくなっている状態。

糖質過剰はなにが問題なのか

 肥満の原因であり、生活習慣病にかかりやすく、老化の進行も早めてしまう。多くの医者も正しい知識を持っていない場合が多く、社会的な問題になっている。

なぜ、糖質中毒になるのか 

1.糖質を取ると脳が血糖値が上昇する。

2.血糖値が高い状態は危険なため、インスリンを分泌し血統値を下げる。

3.血糖値の上昇が急激な場合、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が下がりすぎる。

4.血統値は上がり過ぎても不快なため、脳はアドレナリンを分泌し不快感を感じさせる。糖質を取った

際にはドーパミン分泌し快感を感じさせることで血糖値を上げようとする。

 このループで糖質を常に欲してしまう。

糖質過剰はどのようにすれば治せるのか

 血糖値を上げやすい、上げにくい食べ物と食べ方を知ること。意思の力で解決するのではなく、行動を変え、脳を騙すことで、糖質の摂取量を減らすことを目指すと良い。

 一日の摂取量を60g最低でも120gとし、血糖値が140以上にならないようにすると中毒から抜け出し、肥満を改善することができる。

肥満は自制のなさではなく、糖質中毒が原因

 肥満は自分を管理できない人という色眼鏡で見られることも多いが、実際には自制が利かないわけではなく、脳が糖質中毒になり、糖質をたべずにはいられなくなり、肥満になっている。中毒を直さなければ本質的な肥満解消は不可能。

 糖質中毒は太っている人だけの問題ではなく、やせた若い女性でも多くの中毒者がいる。

 なぜ、糖質中毒になるのか、どれほど多くの人が中毒になっているのか、中毒のもたらす害について述べられている。

肥満は持病であり原因となる糖質があふれているのは社会問題

 世界中で肥満が増加しており、心筋梗塞、高血圧、慢性腎臓病、脳卒中などの病気の原因となっている。新型コロナでも重症化の要因に肥満があったように、肥満は持病という認識が不可欠。

 肥満の原因は医者ですら理解しておらず、カロリーや意思の問題とされてしまうことも多い。糖質中毒は意思の問題ではなく、その原因物質である糖質がそこら中にあふれていることに起因する身近な社会問題。

糖質中毒の鍵は血糖値の上昇と下降の繰り返し

 糖質中毒を読み解く鍵は血糖値。糖質を含む飲食をすると血糖値が大きく上昇しする。血糖値が上がりすぎれば死んでしまうため、ホルモンであるインスリンを分泌し血糖値を下げようとする。

 急激に血糖値の上昇が起きると、過剰なインスリンが分泌され、血糖値が下がり過ぎてしまい、動機、吐き気、イライラなどの不快な症状に襲われ脳はまた血糖値上げるために糖質を取るように体に命じることで中毒症状になってしまう。

 糖質を必要量摂取することは必要だが、多くの人は必要量をはるかに超えた量を摂取し、中毒になってしまっている。

血糖値が上がると一瞬気持ちよくなり、脳が支配されてしまう

 ご飯などの炭水化物は多糖類でたくさんのブドウ糖が連なった構造をしている。一方で砂糖は二糖類でブドウ糖が二つくっついたもの。どちらも消化されるとブドウ糖になり、ブドウ糖が小腸から吸収されることで血糖値が上昇するため、ご飯も砂糖も体にとっては同じもの。

 糖質を得る機会の少なかった狩猟採集で生きてきた時代の人類とDNAは変わっていないため、今ほど糖質を多量接種することには対応できない。

 人間は糖質を摂取し、血糖値が上がると一瞬いい気持ちになる。これは至福点と呼ばれ、一度至福点を覚えた脳はまた気持ちよくなりたいと繰り返し求めるため、脳が支配された状態になる。

 煙草やアルコール、薬物などの中毒は意識的に避けることができるが、糖質は身近で気づきにくく、多くの人が重症になってしまう。

炭水化物の摂取をやめられない状態が糖質中毒

 糖質中毒とは炭水化物の摂取をやめられない状態。インスリンの分泌で血統が下がると、脳からの指令でアドレナリンが分泌される。アドレナリンは不快症状を発するため、早く糖質をという命令となり、命令に従うと、血糖値があがるとドーパミンが分泌される。ドーパミンは報酬物質で快感を感じるためこのサイクルから抜け出すことができなくなる。

 缶コーヒーやジュースのような液体は吸収が速く特に血糖値の上昇が短期間で大きいため、中毒になりやすく、肥満や老化を早める、様々な生活習慣病の原因となる。

ダイエットには炭水化物を減らすことが絶対条件

 糖質はブドウ糖となり、インスリンがグリコーゲンに換えて貯蔵するが、貯蔵量が限られるため余ったブドウ糖は中性脂肪であるトリアシルグリセロールとなり肥満の原因となる。

 脂質を食べると太るイメージもあるが、実際には脂肪は細胞膜などに使われる量が多い、吸収率が悪い、そもそもの摂取量が少ないなどの理由から肥満の原因といえない。ダイエットのために脂質を減らすことは効果がなく、健康を害す。やせるには炭水化物を減らすことが絶対条件。

 糖質制限をすると筋肉が落ちるという話もあるが、脂肪をすべて燃やさない限り筋肉がエネルギーとして使われることはない。

意志ではなく、行動を変えることで炭水化物を減らすことが重要

 肥満の治療と糖質中毒の治療とほぼイコールとなる。運動も効果はあるが、糖質中毒の状態で運動しても疲れて、より糖質を取るように命令してしまう。

 意思の力に頼るのは不可能なため、行動を変えることが不可欠。少しづつ行動変容を行うことが大事。ストレス社会では誰もが中毒になることを意識し、自分だけは例外と考えないことも重要。

 意思の力に頼ってうまくいかないと、自分を意思が弱いと攻め、自暴自棄になりさらにひどい中毒になってしまうことも多い。

 知識を武器に糖質中毒と戦うことで中毒に勝利することができる。

血糖値の上昇を防ぐ食べもの、食べかたの知識が重要

 血糖値の急上昇を防ぐためには、血糖値を上げない食べものと食べ方の2つの知識を得ることが重要になる。

 血糖値を上げない食べ物には根菜以外の野菜、キノコ、海藻、豆、魚、肉、豆腐などがある。逆に炭水化物、イモ類、カボチャ、清涼飲料水などは大きく血糖値を上昇させる。ただし惣菜には小麦粉がつなぎに使われ炭水化物が多いなど調理法によっても変わるため、自身の血糖値を測らながら食事し、どのように血糖値が変化するかを確かめると良い。

脳を騙して糖質をことが最善の道

 糖質を全くとらないのではなく、脳を騙し少しづつ糖質を減らすことが最良の道。血糖値を上げにくくするには脂質やタンパク質と一緒に糖質を食べたり、糖質を食べる前に食物繊維の多い野菜を食べておくと良い。

 カロリーを重視して炭水化物を単体で摂取することが最も血糖値が上昇する。食パンよりもクロワッサン、さらにはサンドイッチのほうが、麺でも具の多いもののほうが血糖値の上昇は少ない。炭水化物を食べるのを最後にすることも効果が大きい。

 自分の行動を振り返り、どこで糖質を取っているかを知ることも重要。糖質が欲しくなるタイミングで気持ちよくなる代替行動をおこなうことで脳を騙すことができる。

 食べてすぐ運動することでも血統の上昇を防ぐことが可能。スクワットなどは場所を選ばず、短期間でできるためおすすめ。

甘い飲物が最も糖質を急上昇させる

 最も悪いのは甘い飲物で、できる限り避けるべき。糖質を含まない人工甘味料も別の悪影響がある可能性が高く、避けたほうが良い。

 アルコールは比較的糖質の多いビールでも、さほど糖質は多くなく、蒸留酒であれば糖質は全く含んでいない。

糖質は一日60g以下、血糖値140を超えないようにするとやせる

 糖質接種の目安は一日60g以下とし、血糖値が140を超えないようにコントロールすれば確実に中毒を脱し、やせることができる。

 ご飯一杯が55g、うどん1玉が57gの糖質を含むため、中毒がひどい人は段階を踏み、まずは120gとする。120gであればやせることはないが太ることもない。100gまで下げられれば中毒を脱したと考えられる。

 血糖値が一日の中で140を超えないようにすることもやせることにつながる。血糖値を測ることのできる機器も簡単に入手できるため、食事の内容と血糖値の上昇の関係を知ることも有効。

糖質過剰、肥満は生活習慣病の原因や老化を進める要因になる

 糖質過剰や肥満は今すぐ命を落とすことはないが、万病のもとであることを軽く考えてはいけない。

 血液中にあふれたブドウ糖は血糖値を上げるだけでなく、血管の壁にくっつき、傷をつくるなどで病気のもとになる。糖質過剰は糖尿病の原因ともなり、糖尿病になると免疫機能の低下であらゆる病気にかかりやすくなる。

 多くの生活習慣病は慢性的な炎症による臓器不全によるものと判明している。特に内臓脂肪は炎症を起こしやすいため、肥満は様々な病気の原因となる。

 酸化が老化を進ませることは知られているが、酸化以上に糖化が細胞を劣化させることがわかってきており、糖質過剰は老化も早めてしまう。

糖質に脳をコントロールされていない状態が本当の幸せ

 人間は医学に見られるように様々な進化を遂げてきた。一方で農耕技術と産業革命は世界中の人々に恩恵をもたらしたが、糖質の過剰摂取というネガティブな食環境を生み出してしまった。

 本当の幸せは糖質に脳をコントロールされていない状態であること。糖質中毒の恐ろしさを知り、治し方をしることでダイエットを繰り返しても上手くいかなかった人でもやり遂げることができる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました