コミュニケーションが高速化し要約力の重要性が増している

現代社会では、仕事のスピードは上がり、コミュニケーションが手短に簡潔であることが求められている。高速化されるコミュニケーションで重要となるのは情報を素早く要約し、交換できる能力が求められる。

本書では現代社会の要望に応える要約力の鍛え方を学んでいく。

共通認識を円滑に共有することが要約力が重要な理由

物事をどう捉え、要約するかは共通認式の基盤となる。共通認識の共有は仕事や社会で重要な項目であり、要約力は社会で生きていく上で最も大切な力といえる。

要約力を高めることにはさまざまな利点、メリットがある。

1.人を幸せにし、人を惹きつける

自分に要約力があれば、相手の時間を節約したり、的確に意図をつかめ一目置かれる存在になる。

2.人の役に立つ

要約力が高ければ、コミュニケーションの前提となる基礎知識の共有が容易になり、円滑なコミュニケーションが可能となる。

本質を掴み、課題を見つけるためにも要約力が重要

仕事の優劣には判断力など様々な要因があるが、仕事のできる人は状況を的確に判断する力が強い人がほとんど。要約力は本質を掴んで、課題を見つけ出す力であるため、状況把握には要約力が必要不可欠。

要約力を鍛えるには要約をアウトプットするのが一番有効。頭の中で考えたことを表に出し、フィードバックし、修正し精度を上げていくと良い。また、状況把握能力は複雑な能力で、鍛えることは難しいが、要約力は比較的鍛えやすい能力でもある。

要約力で本質をつかみ出すことことは物事の定義を見つけること。「○○は××と見つけたり」を常に考えるようにすると良い。

要約力は鍛えることが可能

要約力は生まれつき備わったものではなく、身につけるもの。要約する時間をきちんと取ることが第一歩。話す前に1分で良いから要約を考える時間をもつ、本やドラマを見て要約をして見ると良い。

話すことを要約するときは、話の内容を整理しテーマ、キーワード、オチをピックアップして置くと良い。現在の状況や話している状況などの共通認識を冒頭に組み込むことも効果的。

話の組み立てはスタートとゴールを決め、途中の重要な部分に置き石を置いていくイメージ。人間は3つまでのことは覚えやすいため、置き石は3つがおすすめ。置き石をどれにするか決まらないときは話のクライマックスなどから背骨をさがし、肉つけしていくとよい。

その他にも要約が難しいときには次のような方法も有効

・グラフやイラストの利用

・結論を先に言う

・箇条書きにする

・目次を先に作る

・複数の事柄を比較する

本質を掴む要約を行うには削ぎ落とす訓練をすべき

本の要約では、

1．本の結論を考える

2．結論の根拠やポイントを3つ考える

3．興味を引かれた3箇所を引用する

という手順がおすすめで、これらをA4一枚にまとめておくととても良い訓練になる。

　話が長いと何が重要か見えにくくなる。話す内容を削ることで本質を明らかにするようにする。要約できない人はこれもあれも入れたいと詰め込みすぎていることが多いため、削ぎ落とす訓練はとも有効。枝葉ではなく、概念をつかことを意識する。

　他に有効な訓練の方法には以下のようなものがあげられる。

・映画を見て起承転結を考える

・アニメやドラマを観たときにタイトルをつける

・小説を読んでなにがいいたいか定義を見つける

・商品やお店の紹介（口コミ）を考える

これらを俳句のように文字数や季語といった制約を設けて行うことも良い訓練になる。

要約力の向上は現代社会を生き抜くすべてにつながる力

　要約には客観的な要因は必須だが、誰が書いても大体似てくる。そこに書いている人の個性が出る主観がバランス良く入ると、さらに良い要約となる。

的確な要約だけでも十分だが、要約力に主観的なコメントや感想、他の人が思いつかない考えを足すことを目指すとさらに良い。

　要約力は現代社会を生き抜く全てに通じる力。要約力を高めることができるほど人生は幸せに生きられる。