数値化の鬼 安藤広大 3分要約

3分要約

数値化がなぜ重要か

 数字は客観的な事実で、自分に不足しているものを認識し、未来を良くするためのもの。

 曖昧な表現では伝えることができず壁にぶつかってしまう。

数値化を習慣にするにはどうしたらよいか

 数値化と次をどうするかをセットで考えることで数値化は意味を持つ。数値化によって改善につながれば数字を好きになることができる。

 まずは自分の行動を数で考え、客観的に数値化した結果と向き合うことからはじめると良い。

数値化の鬼になる方法はどうすれば良いか

以下の5つのステップを踏むことが大事。

1.行動量を増やす

2.確率の罠に気をつける

3.変数を見つける

4.真の変数に絞る

5.長い期間から逆算する

 特に行動量を増やすことが最も重要。組織の場合は行動量を増やすような目標値を定めたり、部下の行動量を評価する仕組みを作ることが重要。

 変数を見つけ、その変数が正しいものであるかを常に探し続けることも重要。数値化することで自分でコントロールできるもの、できないものを客観的に確認できることもできるようになり、注目すべき変数を見つけやすくなる。

 数値を追い求めた先にやりがいや達成感といった数値化できないものがついてくる。

まず数字で考えるくせをつけることが重要

 仕事のできる人に共通していることは数字の大切さを知っていること。数字はすべてではないが、そのような感覚的な部分は基本となる数字と向き合ったあとに考えるべきで、数字を無視して良いわけではない。

 いったん数字で考えることをクセにすることが本書の目的。

 数字は不足を見るためのもので、未来のための手段こころを鬼にして目をそらさずに向き合うことが必要になる。

数字による客観視が未来に目を向けるために必要

 数字は客観的な事実であり誤解や錯覚は発生しない。そのため組織内での認識の違いの多くは数値化の欠如が原因になっている。

 数値化することで感情を排除し、明確な基準を設けることができ、無駄を排除することができる。テストの点数やノルマなどで数字にネガティブな印象を持つ人も多いが、未来に目を向けるために必要な物と考えるべき。

 数値化と次をどうするかをセットで考えることで数値化は意味を持ち、改善につながれば数字を好きになることができる。

 曖昧な評価や表現、情熱で押し切るやり方は必ず壁にぶつかってしまう。数字の根拠を出し、論点を整理して話すようにしなければ伝わらない場面が必ず来る。

まずは行動を数値化し、向き合い、受け入れることから始める

 数字をいきなり扱えるようになるわけではないため、まずは自分の一日の行動を数で考えると良い。数値化できるようになると自分の失敗を認め、向き合うことになり、次につながるようになる。数値化を行わないと評価が曖昧になり、甘い評価をして次につながらないことが多い。

 数値化された評価を受け入れ、不足を数字として受け入れることが重要。

仕事のおける数値化には難しい計算の知識は不要

 仕事に生かせるような数値化の鬼になるには5つのステップがある。

1.行動量を増やす

2.確率の罠に気をつける

3.変数を見つける

4.真の変数に絞る

5.長い期間から逆算する

 仕事における数値化には会計や統計学の難しい知識は不要で、四則演算ができれば問題ない。ただし、その際にバイアスや誘惑に気をつける必要がある。

まずは行動量を増やすことを重視して、PDCAサイクルを回していく

 数値化を仕事に生かし成果を挙げるためには、PDCAサイクルを回すことが重要。

 Plan 計画 → Do 行動 → Check 評価 → Action 改善→・・のループを回す必要がある。計画に時間をかけ過ぎずに数値化された計画を立て、行動量を増やすことを意識すると良い。

 まずは行動量を増やすようなKPI(目標を達成するための数値化された指標)を設定し、それに従って行動してみることが大事。

 ただし、行動の目標が最終的な目標である計画を達成するためになっているか、行動の目標を達成することが目的化していないかは意識すべき。

行動量を評価する簡潔な評価システムを設定する

 多くの企業では行動量を増やすような評価システムを持っておらず、評価項目も多すぎる場合が多い。評価項目を少なくし、常に全員が覚えていられる形にすることで目標としてとらえやすくなる。

 数値化できない、数値によって自分のことしかしないのではという疑問も多いが、

・まずは数値化し、数値化に意味がを考え臨機応変に変更する

・他を考えての行動も数値化し評価する

・チームあっての個人という考えを評価に取り組むこと

などを意識し、マネジメントに取り組む必要がある。

確率や平均を用いるときは数値の中身を必ずチェックする

 成長を止めないためにも数値化は重要だが、誤った数字の利用は成長を止めることもある。

 量をこなし質を高めることを考える人は多く、その際に成功率など確率を用いることが多い。量をキープしたまま質を上げることは正しいが、質=確率を優先し、行動量が減れば成長は止まってしまう。

 平均も実態を表していない場合がおおく、これらの数値を用いるときは必ずその中身をチェックすることを忘れないようにする。

変えることができて重要な物=変数が何かを見つける

 仕事のどこを変えればいいのか考えるとき、次の2つのパターンで苦しむことが多い。

・変えられないものを変えようとする

・変えられるものを変えられないと思いこんでいる

 良い方向に向かい、変えることができること=変数に注目し、何が変数であるかを見つけることが重要となる。

 仕事の中身を分解、数値化し、なぜかを考えることを繰り返すことで変数が何であるか見つけることができる。

 人間は自分の行為を意味のなかったものと認めることが苦手。PDCAでもPlanで変数をKPIとして設定し、Checkで数値化し確認、うまくいっていればActionでさらに行動、うまくいっていなければ変数を見直すことで変数として意味があるかないか判断することができる。

新しい仮説を作り、変数を変更することの繰り返しが成長につながる

 変数は放っておくと増えてしまうが頭の中にパッと出てくる目標は5つが限度。変数が多すぎると余計なことを考える時間も増えるため、変数を捨てることも重要。

 変数が増えると評価も難しく、マネジメントも複雑化してしまう。上司が部下に重要ししていることが変数であるかないかを指摘する必要がある。

 変数を考えることで変えられるものを変えるだけでなく、自分にコントロール出来ないものがあることを認めそれについて考えないという判断ができる。

 自分が変えられるものにフォーカスし、変えられないものを無視することは仕事の上で非常に重要。仕事の変数を見つけ、過去の変数を疑い、捨て新しい仮説をつくる。その繰り返しが成長につながっていく。

数値を追い求めた先に数値化できないものがついてくる

 数値で気をつけるもう一つは短期的な視点になり過ぎないこと。短期的には損だが長期的は得となることも多い。

 短期的な利益や数値の改善は重要だが、頭の片隅に5年後、10年後どうなっているかを入れておくと良い。まず短期的に考え、次に長期的に考え最後の、長期的な視点から逆算し短期的に考えたこととあっているかを確かめる。

 マネジメントでは長期的に得となる行動を包括した評価制度を作ることが重要。ただ頑張っているから評価するのではなく、行動量を評価し長期的に行動量を増やすことを後押しする。

 数値を追い求めた先にやりがいや達成感といった数値化できないものがついてくる。

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