2040年の未来予測 成毛眞 日経BP 3分要約

 

3分要約

なぜ、未来予測をするのか

 大衆は新しい技術が出たときに、否定的な人が多い。そのため多くの人が否定的なものの可能性を見いだせる人には大きなチャンスがある。

 予測する力は不測の事態に対応する力にもなるため、状況が変わっても対応できるようになる。

 経済の将来予測はテクノロジーの進化を含んでいないため、テクノロジーの進化を予想することは将来の社会の予測の精度を上げることにもなる。

2040年はどんな時代になっているのか

 多くの技術において多くの情報を高速で伝えることが重要なため、通信技術が基盤となり進化していく。人手不足、エネルギー問題などは大きく改善している可能性がある一方で、温暖化による食料や水の奪い合いから戦争が起きたり、災害の被害がより大きくなっていく可能性もある。

私たちはどう考えるべきか

 日本には明るい部分は少ないが、まずは国を忘れ、どうすれば幸せな人生を送れるかにエネルギーを注ぐべき。生き残る人は優秀な人ではなく環境に適応した人のため、最悪の事態を想定しておけば現実に右往左往しなくてもすむ。 

大衆は世界をかえるような新しい技術に否定的

新しいテクノロジーが出た時に世の多数である大衆は否定的で世界を変える可能性に気づける人は少ない。今ではスマホのない世界が考えれらないが、発売当初は否定的な意見も多かった。

 情報通信のさらなる進化で、これまでの10年以上にこれからの10年は早く変わっていく。

それでも大衆が気づかない部分にこれから起こることの萌芽は今日でも見られる。多くの人が懐疑的になるからこそ、その可能性に思いを巡らせられる人にはチャンスになる。

 新しい技術の多くはすでにある技術の改良や組み合わせで起こる。そのため、現代を見渡せば。未来を見ることも可能になる。

多くの技術の基盤となるのが通信技術

 自動運転、ドローンによる配送、遠隔手術などが2040年には実用化されている可能性が高い。これら技術の基盤となるのが、多くの情報を高速で伝えることつまり通信技術になる。

 5Gさらには6Gへの進化は通信速度を速く、情報伝達量を増やすことで世界が大きく変わっていく。速度、量の増加だけでなく低遅延であることも可能になるため、あらゆるものをインターネットにつながるようできるようになる。

 2010年にはインターネットにつながった機器は一人2個程度だったが、2040年には1000個になるともいわれている。触れるものすべてがネットに繋がっているともいわれ、機器同士が連携することが可能になる。

人手不足を解決できるのはテクノロジーだけ

 日本では生産年齢の減少による人手不足や過疎化による地方の衰退がおきることは間違いなく、その解決はテクノロジーでしか不可能。無人店舗や遠隔医療はこれらの問題で普及が後押しされるようになると予想される。

 医療の面ではAIの利用による効率化、ゲノム編集技術や再生医療によるこれまでに直すことが難しかった病気の治療を可能にするなどの進歩が起きている。

全固体電池と再生可能エネルギーの組み合わせがエネルギー問題解決の鍵

 エネルギーは原発が立ち行かなくなり、再生可能エネルギーに注目が集まっているが、天候に左右され、不安定であることが課題になっている。

 現在のリチウムイオン電池は電解液を使用しているため、安全性に問題がある。その問題を解決するために作られているのが全固体電池。全固体電池は液が漏れず、燃えにくく安全性が高い、質量あたりの容量が2倍になるなどの利点がある。

 全固体電池に再生可能エネルギーで作った電気を貯めて発電量がないときに利用するといった方法が検討されており、再生可能エネルギーの不安定さをカバーしカーボンニュートラルを達成するため方法として注目されている。

テレビ、は残るがコンテンツはネット企業が作る

 テレビの衰退は多く報じられているが、スマホのながらみをしている人も多く、今後も絶滅はしないと思われる。

 しかし、資金に乏しいテレビ局がコンテンツを作ることは減り、資金の豊富なネットフリックスやアマゾンのようなネット企業の作ったコンテンツが多くなっていく

 インターネット上で多くの記事が読まれているため、記事を書く機能は残るが新聞というメディアは消える。

経済予測にはテクノロジーの進化は考慮されていない

 日本の物価はここ10年程度ほとんど上がっておらず、世界からみても安い国になった。今後も高齢化が進み経済の成長は見込めず、医療の増大、介護の負担などのマイナスも多く存在している。

 人口予想は非常に精度が高いため、経済予測も正しいと思われるが、これらの予想では技術の進歩はあまり考慮されていない。テクノロジーの進化で医療費の削減や介護の負担を減らすことができる可能性は高い。

 また、これまでは年金の徴収率が低かったが、マイナンバーカードによるお金の流れの補足や歳入庁の導入などで対応できる可能性もある。

予測する力は不足の事態に対応する力になる

 現代の知識で未来を予測する力はどんな不測の事態がおこっても対応できる力を身につけるためにも必要になる。衣食住に関しては予測が難しく状況もコロコロ変わるが考える力をもてば、未来に対応できる。

 歴史的に国発展すると肉食が増える。肉は効率が悪く供給に限界があるため代替肉や培養肉などの分野が利益を上げる可能性を秘めている。その他にも培養魚、昆虫食なども大きく発展する可能性がある。

 日本のマンション価格が下がるのは間違いない。また教育分野も非常に厳しい。学生の数は大きく減るため、このままいけば大学卒という学歴には意味がなくなる可能性も高い。

 シェアリングエコノミーはネットの普及と収入の伸び悩みによる消費行動の変化(買えなくなった)により今後も発展していく。貧しくなる日本でもシェアリングは不可欠で大きな市場になると考えられる。

 2040年には早ければ世界の工場は中国からアフリカへ移っていく。アフリカ発のファッションに注目が集まる日が来ると思われる。

水や食料の奪い合いが起こる可能性もある

 温暖化によるリスクは大きく、海面上昇、食料不足を引き起こしてしまう。

 日本でも水害が増加しておりハザードマップなどで、自分の住んでいる土地のリスクを把握して置くことの重要度は増している。 

 食料不足や水の奪い合いは戦争に発展する可能性も有る。すでにアフリカでは2億5千万人が水不足に直面しており、各国間の緊張が高まる可能性も有る。

想定をしておけば現実に右往左往しなくて済む

 日本の未来はあまり明るい部分は少ないが、国を忘れてこれからの時代をどうやって生きるかをまず考えるべき。国を変えようなどではなく。どうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐのをお勧めする。

 生き残るのは優秀な人ではなく、環境に適応した人。環境に適応するために環境を知ることが必要となる。最悪の事態を想定しておけば現実に右往左往することなく対応できるだろう。

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