化学 6.人類の歴史と化学(火、金属、錬金術)

5.有機物と無機物

6.1 合金

この本や記事で分かること

・人類が化学をどのように発展させてきたのか

・人類はどうやって金属を利用してきたのか

人類はどのように道具を使うようになったのか

 二足歩行によって、手を使うようになった人類は手で道具を使うようになると、石器や木製の道具を作り出すようになります。

 その後、火山や木などが発火する自然の火災を観察し、火を利用するようになります。

 始め自然発火した野火を利用していましたが、摩擦を利用して火を作り出すようになっていきます。動物を追い払ったり、暖房、調理としての利用価値の高さから徐々に人類は人を様々な用途で利用するようになっていきます。

 その後、人類は火と土を利用することで、硬くなることを利用し、土器を作り出すようになります。

 土器は食材の調理や貯蔵のレベルを大きく上げ、人類に大きな進歩をもたらしました。

人類はどのように金属を利用し始めたのか

 人類は長い間石器を使用していましたが、金属を利用するようになっていきます。

 初めは自然のままで金属として存在していた銅や隕石に含まれていた鉄などを利用していました。しかし、自然に存在する金属の多くは酸化物や硫化物などの化合物として存在しています。

 金属を単体で利用するために、人類は鉱石を熱することで金属を精製するようになっていきます。

 鉱石を木で熱してしましたが、その後木炭と混ぜて熱したり、 石で作った炉の中で熱するなどより効率の良い方法を検討するようになっていきます。

人類はどんな金属を使い始めたのか

 精製することで、銅を得ることが可能となりますが、銅はそのまま使用すると少し柔らかいという特徴があります。

 銅にスズを混ぜた青銅はスズの量によって硬さを増すことができるため、農具や武器などに広く利用されました。

 石器よりも強度などに優れる性能を青銅の誕生で人類の文明も大きく進化していきます。

 スズを25%含有する青銅は融点が銅単体の1085℃から約800℃と低くなるため、より加工しやすくなったことも青銅の利点でした。

合金についての記事はこちらにもあります。

青銅の後に使った金属は何か

 鉄は青銅以上の強度や硬さを持っていますが、鉄の化合物の鉄と酸素などの結びつきは、銅と比較するとかなり強く鉄鉱石から鉄を得ることは難しいものでした。

 鉄の精製を行うためにはかなりの熱が必要でしたが、木炭と鉄鉱石を交互に配置し、空気を送り出しながら、燃焼させることで炭素が鉄鉱石の酸素と結合し、二酸化炭素となり鉄を得ることができるようになりました。

 鉄の利用することが可能になると、青銅から置き換わり、武器や農具などで利用されるようになっていきます。

 鉄は加工の容易さ、埋蔵量の豊富さによる入手のしやすさなどもあり、様々な素材が登場している現代でも多く利用されています。

人類にとって金はどんな金属なのか

 金も自然界に存在する金属であったため、初期から人類によって利用されてきました。

 ただし、金は柔らかすぎることもあり、道具として利用するのではなく、その光沢を利用して装飾品として利用されてきました。

 ツタンカーメンのマスクや棺でも有名なように古代のエジプトでもすでに金は富、権力の象徴として利用されていました。

 その希少性の高さから人類は常に金に対するあこがれを持っており、現代でも金に対するあこがれは共通であるため、資産として大きな価値を持っています。

錬金術とは何か、化学における意義はあったのか

 貴金属へのあこがれは銅、鉄、鉛などの卑金属から金や銀に変えようとする錬金術を生み出します。

 当時は元素に対する正確な理解はなく、元素の性質は変えることができ、性質を変えることで元素を変換できると考えられていました。

 長期にわたる研究が行われましたが、錬金術が実を結ぶことはありませんでした。

 しかし、錬金術が研究される中で実験手法や器具の進歩は大きく進歩しました。

 加熱による融解や蒸留、結晶化などの実験手法、熱をかけるための炉、金属を入れるるつぼ、ガラス、陶器などを利用した実験機器の進歩は錬金術のおかげといってもよく科学の発展に欠かせないものといえます。

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