エネルギーギャップの新工場 エネルギーギャップの事業内容は?蓄電池の需要が増加している理由は何か?

この記事で分かること

  • エネルギーギャップとは:再生可能エネルギーのトータルソリューション企業です。鹿児島工場で高品質な太陽電池モジュールを製造し、蓄電池システムやメガソーラー事業を展開しています。
  • 蓄電池の需要増加理由:再エネの不安定さへの対応、電気代高騰による自家消費ニーズ、そして災害時の非常用電源としての需要が拡大しています。

エネルギーギャップの新工場

 太陽光発電システムなどを製造するエネルギーギャップが、鹿児島県出水市に太陽電池と蓄電池の新工場を建設することを発表しています。

 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC207710Q5A021C2000000/

 同社は高い品質管理と技術力で、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。

エネルギーギャップはどんな企業か

 株式会社エネルギーギャップは、再生可能エネルギー分野におけるトータルエネルギーソリューション企業です。

 2014年の創業以来、「未来から今を見る(バックキャスティング)」という考え方に基づき、環境ビジネス全体を分析し、最適な製品とサービスを提供しています。

主な事業内容

 同社は主に以下の4つの事業を柱として、再生可能エネルギーの普及を推進しています。

  1. 太陽電池モジュール事業
    • 鹿児島工場(出水市)で、最新鋭の自動化ラインを用いて「JAPAN QUALITY」にこだわった高品質な太陽電池モジュールを生産・販売しています。住宅用から産業用、特殊モジュールまで幅広く展開しています。
    • 両面受光型など、高効率な製品の開発に注力しています。
  2. 蓄電池システム事業
    • 一般住宅から産業用まで、幅広い分野で活用できるハイブリッド蓄電システムの開発・生産・販売を行っています。
    • 電池ユニットの生産はオートメーション化され、すべての主要機能を一体化したオールインワンのユニット設計により、高い安全性と設置のしやすさを実現しています。
    • BCP(事業継続計画)対策や自家消費、ピークカットなど、さまざまな用途に対応しています。
  3. メガソーラーシステム事業
    • メガソーラー発電所の開発、設計、製品供給から、経済産業省への届出対応まで、一連のプロセスをワンストップでサポートしています。
    • 施工性とコストパフォーマンスに優れたトータルソリューションを提供しています。
  4. 省エネソリューション事業
    • RE100やSDGsへの対応として、自家消費、VPP(仮想発電所)、DR(デマンド・レスポンス)、PPA(電力購入契約)などを実現するための、蓄電池併設型太陽光発電システムの一貫サービスを提供しています。

特徴

  • メイドインジャパンの品質: 鹿児島工場での自社生産により、厳格な品質管理のもと、高い信頼性を誇る太陽電池モジュールを提供しています。
  • トータルサプライヤー: 太陽光発電システムだけでなく、蓄電池、架台、O&M(運用・保守)サービスまで、再生可能エネルギーに関する製品とソリューションを幅広く提供できる総合力があります。
  • 技術開発力: 日本の市場ニーズに合った製品を独自に開発し、AI/IoTを用いたシステムの最適化・効率化にも取り組んでいます。

エネルギーギャップは、再生可能エネルギーのトータルソリューション企業です。鹿児島工場で高品質な太陽電池モジュールを製造し、蓄電池システムやメガソーラー事業を展開しています。

太陽電池モジュールとは何か

 太陽電池モジュール(たいようでんちモジュール)は、「ソーラーパネル」や「太陽光パネル」とも呼ばれ、太陽の光エネルギーを直接、電気エネルギー(直流電力)に変換する装置です。

これは、太陽光発電システムを構成する最も重要な部品であり、発電能力の基本単位となります。太陽電池モジュールは、主に以下の構成単位でできています。

1. セル(太陽電池セル)

  • 役割: 光エネルギーを電気に変換する最小単位です。
  • 構造: シリコンなどの半導体でできており、光が当たると、半導体の性質(光起電力効果)によって電子が動き出し、電気が発生します。
  • 大きさは通常10cm四方程度です。

2. モジュール(パネル)

  • 役割: 複数のセルを直列や並列に接続し、必要な電圧と電流を得られるようにしたパネル状の製品単体です。
  • 構造: セルを発電部として、その周囲を強化ガラス樹脂、金属製のフレーム(枠)などで保護し、湿気や汚れ、紫外線などの外部環境から守り、耐久性を持たせています。
  • 一般的に「太陽光パネル」と言われるのは、このモジュール1枚を指します。

3. アレイ

  • 役割: 複数のモジュールを架台に設置し、配線で接続した太陽光発電設備全体を指します。

 太陽電池モジュールは電気を貯める(蓄える)機能はなく、光が当たっている間に発電する装置です。発電した電気は、接続箱やパワーコンディショナ(パワコン)を通して、家庭や施設で使える交流電力に変換されます。

太陽電池モジュールは、太陽光エネルギーを電気に変換するパネルのことで、「ソーラーパネル」とも呼ばれます。小さな太陽電池セルを複数つなぎ、ガラスやフレームで保護し、屋外で使えるようにした発電装置の基本単位です。

蓄電池の需要が増加している理由は何か

 蓄電池の需要が増加している主な理由は、以下の4つの大きな要因に集約されます。

1. 再生可能エネルギー(再エネ)の普及と系統安定化

  • 再エネの不安定性への対応: 太陽光や風力発電は、天候や時間帯によって発電量が変動します。この不安定な電力供給を安定させるために、発電した余剰電力を蓄電池に貯蔵し、必要な時に放電する役割が非常に重要になっています。
  • 系統用蓄電池の登場: 大規模な蓄電池を電力系統に接続し、電力の需給バランスを調整したり、再エネの出力変動を平滑化したりする新しいビジネス(容量市場、需給調整市場)が拡大しています。

2. 電気代高騰と「電力の自給自足」ニーズ

  • 電気代の削減: 燃料価格の高騰などにより電気料金が上昇する中、夜間の安い電力を蓄電池に充電し、電力需要が多い昼間に使う「ピークシフト」による電気代節約の意識が高まっています。
  • FIT制度の買取期間満了(卒FIT): 太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)の期間を終えた家庭が、売電価格が下がった電気を売るよりも、蓄電池に貯めて自家消費する方が経済的メリットが大きくなったため、後付け需要が急増しています。

3. 災害・停電対策(レジリエンス向上)

  • 自然災害の頻発: 地震や台風などの自然災害が多発する日本では、停電時の非常用電源として蓄電池が注目されています。
  • BCP(事業継続計画): 企業や公共施設でも、災害時に事業を継続するためのバックアップ電源として、産業用蓄電池の導入が進んでいます。

4. 技術革新とコストダウン・制度支援

  • 技術革新と低コスト化: リチウムイオン電池などの技術革新により、蓄電容量の向上や長寿命化が進み、製品の高性能化と製造コストの低下が進んでいます。
  • 政府・自治体の支援: 国や自治体による補助金制度が拡充され、初期導入費用のハードルが下がったことも普及を後押ししています。

蓄電池の需要が増加している主な理由は、再エネの不安定さへの対応電気代高騰による自家消費ニーズ、そして災害時の非常用電源としての需要拡大です。技術革新と補助金も普及を後押ししています。

ハイブリッド蓄電システムとは何か

 ハイブリッド蓄電システムとは、太陽光発電システム蓄電池システムの制御を1台で担うハイブリッドパワーコンディショナ(パワコン)を中心に構成されたシステムのことです。

 太陽光発電設備と蓄電池を併用する際に、電力の変換効率を高め、省スペース化とコスト削減を実現するために開発された、新世代の蓄電池システムです。


ハイブリッドシステムの仕組み

 従来のシステムとハイブリッドシステムの大きな違いは、パワーコンディショナの数と役割です。

項目単機能型蓄電システム(従来)ハイブリッド蓄電システム
パワコン太陽光用と蓄電池用の2台が必要1台のハイブリッドパワコンで両方を制御
電力変換ロス変換回数が多く、ロスが発生しやすい直流(DC)のまま蓄電池に充電するため、変換ロスが少ない
設置スペースパワコンが2台必要で場所を取るパワコンが1台で済み、省スペース

変換ロスが少ない理由

 太陽光パネルで作られる電気は直流(DC)です。家庭で使える電気は交流(AC)です。

  1. 単機能型:太陽光パネル(DC)→ 太陽光用パワコン(ACに変換)→ 蓄電池用パワコン(DCに戻す)→ 蓄電池に充電。AC↔DCの変換を複数回行うため、ロスが生じます。
  2. ハイブリッド型:太陽光パネル(DC)→ ハイブリッドパワコン → 蓄電池にDCのまま直接充電。変換回数が減るため、効率が向上します。

ハイブリッド蓄電システムのメリット

  • 高効率・電気代削減効果の最大化: 変換ロスが少ないため、太陽光で発電した電気を無駄なく蓄え、自家消費率を高められます。
  • 初期費用の抑制: パワコンが1台で済むため、機器費用や設置工事費を抑えられます。
  • 停電時の利便性向上: 停電時の出力が高い製品が多く、消費電力の大きいエアコンやIHクッキングヒーター(200V機器)なども使用しやすい機種が増えています(全負荷型の場合)。
  • 豊富な運転モード: 災害対策や売電優先など、利用者のニーズに合わせた細やかな動作設定が可能です。

 ハイブリッド蓄電システムは、特に太陽光発電を新規で導入する際や、既存の太陽光パワコンが寿命を迎えるタイミングでの導入に適しています。

ハイブリッド蓄電システムは、太陽光発電用と蓄電池用のパワコンを一体化したシステムです。電力変換ロスを減らし、発電効率と蓄電効率を向上させます。省スペースで、停電時も効率的に電気を使えます。

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