眼鏡型のウエラブル端末 ディスプレイ型の特徴は?どのように映像を投影するのか?

この記事で分かること

  • 眼鏡型のウエラブル端末とは:眼鏡型ウェアラブル端末は、視界に情報を重ねる「ARグラス」と、音声や通知を主とする「スマートグラス」に大別されます。ハンズフリーで動画視聴や翻訳、撮影ができ、近年はAI搭載により利便性が飛躍的に向上しています。
  • ディスプレイ型の特徴:視界に仮想スクリーンを投影し、外出先でも100インチ超の大画面を楽しめるのが特徴です。シースルー構造により現実の景色を見ながら動画視聴やPC作業ができ、プライバシーも守れます。
  • どのように映像を投影するのか:主に「バードバス方式」と「ウェーブガイド方式」があります。前者は小型モニターの光をミラーで反射させ、後者は薄いレンズ内で光を全反射させて目まで届けます。これらにより現実の風景に映像を重ねて表示します。

眼鏡型のウエラブル端末

 手首や腕、頭などに「身に着けて使う」コンピュータデバイスであるウエラブル端末が、社会的な必要性技術の飛躍的な進化によって単なる「流行」を超え、爆発的な拡大期に入りつつあります。

 健康意識の高まりや技術革新により、世界市場は年率15%前後の急成長を続けています。特にスマートウォッチの普及に加え、近年はスマートリングAI搭載端末が台頭しており、個人から医療・産業現場まで利用シーンが急速に拡大しています。

 今回は、メガネ型のウエラブル端末に関する記事となります。

眼鏡型のウエラブル端末とは

 眼鏡型のウェアラブル端末(スマートグラス)は、目に見える風景にデジタル情報を重ね合わせたり、ハンズフリーでデバイスを操作したりできる次世代のデバイスです。

 現在、大きく分けて「スマートグラス(通知・オーディオ型)」「ARグラス(拡張現実型)」の2つの流れがあります。それぞれの特徴や活用シーンについて解説します。


1. 主な種類と特徴

 スマートグラスは、その機能によって以下の3つのカテゴリーに分類されます。

カテゴリー主な機能代表的なデバイス
オーディオ・通知型音楽再生、通話、音声アシスタント。レンズに映像は映らない。Ray-Ban Meta, HUAWEI Eyewear
ディスプレイ型目の前に仮想スクリーンを表示。動画視聴やPCのサブモニターに。XREAL Air, Rokid Max
AR(拡張現実)型空間を認識し、現実の風景に3D物体や情報を固定して表示。Microsoft HoloLens 2, Magic Leap 2

2. できること・活用シーン

生活を便利にする(コンシューマー向け)
  • ハンズフリー撮影: 一人称視点で写真や動画を撮影できます(料理の風景やサイクリングなど)。
  • ナビゲーション: 歩きスマホをせず、視界の端に表示される矢印に従って目的地へ向かえます。
  • パーソナルシアター: 電車や飛行機の中で、100インチ超の巨大スクリーンで映画を楽しめます。
  • リアルタイム翻訳: 相手が話している言葉を、レンズ上に字幕として表示します。
現場で役立つ(ビジネス・産業向け)
  • 遠隔作業支援: 現場の作業員が見ている映像を作業者(本部)が共有し、指示を出します。
  • ピッキング作業: 物流倉庫で、次に取るべき商品の場所を視覚的にガイドします。

3. 現在の課題

 普及に向けては、いくつか乗り越えるべき壁もあります。

  • バッテリー持ち: 高性能なものほど消費電力が大きく、数時間しか持たない場合があります。
  • デザインと重さ: 一般的なメガネに比べると、まだ少し大きく、重い傾向にあります。
  • プライバシー: カメラ搭載モデルの場合、周囲の人に「撮られている」という不安感を与える可能性があります。

4. 今後の展望

 Appleの「Vision Pro」の登場により、空間コンピューティング(空間そのものを操作画面にする考え方)への注目がさらに高まっています。

 今後は「AIとの融合」が鍵となり、カメラで見ているものをAIが認識して、「この花の名前は?」「この機械の修理方法は?」といった問いに即座に答えてくれるような体験が主流になると予想されます。


眼鏡型ウェアラブル端末は、視界に情報を重ねる「ARグラス」と、音声や通知を主とする「スマートグラス」に大別されます。ハンズフリーで動画視聴や翻訳、撮影ができ、近年はAI搭載により利便性が飛躍的に向上しています。

ディスプレイ型デバイスの特徴は

 ディスプレイ型デバイス(主にARグラスやスマートグラスと呼ばれるもの)の最大の特徴は、「目の前に自分だけの巨大スクリーンを現出させる」ことです。主な特徴は以下の3点に集約されます。

1. 圧倒的な大画面体験

 メガネ内部のマイクロディスプレイ(有機ELなど)により、数メートル先に100〜200インチ相当の巨大スクリーンがあるかのような映像を楽しめます。

  • ポータブルシアター: 寝ながらでも、移動中の機内でも映画館のような迫力で動画を視聴できます。
  • 仮想マルチモニター: PCと繋げば、物理的なモニターがなくても複数の画面を空間に並べて作業が可能です。

2. 「シースルー」と「没入感」の両立

 レンズが透過型になっているため、現実の景色を見ながら映像を重ねられます。

  • ながら作業: 料理中にレシピ動画を見たり、歩きながらナビを確認したりできます。
  • プライバシー: 周囲からは何を見ているか分からず、自分だけが情報を独占できます。

3. 軽量・コンパクトな設計

 VRゴーグルのような重厚なヘッドセットとは異なり、70〜80g前後と軽量で、一般的なサングラスに近い形状をしています。

  • 接続性: 最近のモデル(XREAL AirやRokid Maxなど)は、USB-Cケーブル1本でスマホやPC、ゲーム機(Switch/PS5等)と接続できる手軽さが魅力です。

ディスプレイ型デバイスは、視界に仮想スクリーンを投影し、外出先でも100インチ超の大画面を楽しめるのが特徴です。シースルー構造により現実の景色を見ながら動画視聴やPC作業ができ、プライバシーも守れます。

ディスプレイ型デバイスの有力メーカーはどこか

 ディスプレイ型デバイス(ARグラス/スマートグラス)の分野では、現在以下の3社が「世界3大メーカー」として市場をリードしています。

1. XREAL(エックスリアル)

 最も普及している世界シェア1位のメーカーです。

  • 特徴: 映像の美しさと本体の軽さのバランスが抜群。
  • 代表モデル: XREAL Air 2 Pro。ボタン一つでレンズの濃さを変えられる「電子調光」機能が人気です。

2. VITURE(ヴィチュアー)

 後発ながら、ガジェット好きやゲーマーから熱烈な支持を受けているメーカーです。

  • 特徴: 視度調整ダイヤル(裸眼で使える機能)の精度が高く、iPhoneやSwitchとの連携アクセサリーが非常に充実しています。
  • 代表モデル: VITURE Pro

3. Rokid(ロキッド)

 視野角の広さ(画面の大きさ)に定評があるメーカーです。

  • 特徴: 50度近い広い視野角を持ち、他社よりもさらに迫力ある大画面を体感できます。
  • 代表モデル: Rokid Max

その他注目メーカー

  • TCL RayNeo: 大手家電メーカーTCL傘下で、コストパフォーマンスに優れたモデルを展開。
  • EPSON(エプソン): MOVERIOシリーズを展開。産業用やドローン操作用など、国内の法人利用で強い実績があります。
  • Meta / Apple: 2026年現在、Metaは「Ray-Ban Meta」でAI音声を、Appleは「Vision Pro」で超高性能な空間コンピューティングを牽引しており、今後のさらなる小型ディスプレイ型への参入が注目されています。

どのように眼鏡に映像を投影するのか

 眼鏡型デバイスが「透明なレンズ越しに映像を見せる」仕組みには、主に3つの魔法のような技術が使われています。

1. バードバス(Birdbath)方式

 現在、XREALやVITUREなどの「映像鑑賞向け」モデルで最も主流な方式です。

  • 仕組み: メガネのフレーム上部(つるの付け根あたり)にある小さなモニターの光を、45度に傾けたハーフミラー(半透過鏡)で反射させ、目に届けます。
  • 特徴: 構造がシンプルで映像が非常に明るく高精細ですが、レンズ部分に厚みが出やすいのが難点です。

2. ウェーブガイド(導波路)方式

 Metaや大手メーカーが「普段使いのメガネ」を目指して採用している最新技術です。

  • 仕組み: 特殊な薄いレンズの中に光を閉じ込め、全反射させながら目まで運びます。レンズの表面に刻まれた微細な溝(回折格子)を使って、光を外(目の方)へ放り出します。
  • 特徴: レンズを非常に薄くでき、普通のメガネに近い見た目にできますが、映像が少し暗くなったり、虹色のノイズが出やすい傾向があります。

3. 網膜投影方式

 一部の医療用や特殊な作業用で使われる、より高度な方式です。

  • 仕組み: ディスプレイを介さず、微弱なレーザー光を直接網膜に照射して映像を描きます。
  • 特徴: 目のピント調節機能を介さないため、近視や乱視、老眼の人でもくっきりとした映像が見えるという魔法のような特徴があります。

 どの方式も「外の景色(透過光)」と「デバイスの映像(反射光)」を同時に目に入れることで、空間に映像が浮いているような体験を実現しています。

主に「バードバス方式」と「ウェーブガイド方式」があります。前者は小型モニターの光をミラーで反射させ、後者は薄いレンズ内で光を全反射させて目まで届けます。これらにより現実の風景に映像を重ねて表示します。

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