この記事で分かること
- 靴型のウエラブル端末とは:センサーを内蔵し、歩幅や着地衝撃、歩行バランスを精密に計測するデバイスです。履くだけで高度な動作解析やGPS見守りが可能で、健康管理や走行改善に活用されます。
- ウエア型のウエラブル端末とは:、繊維にセンサーを織り込み、着るだけで心拍、呼吸、筋肉の動き、姿勢などを計測できるデバイスです。腕時計型より密着度が高く正確という特徴があります。
- 筋肉の動きの測定方法:筋肉が動く際に発生する微弱な電気信号を、生地に織り込まれた導電性繊維がキャッチします。これにより、筋肉の活動量や左右のバランスをリアルタイムで計測可能です。
靴型、ウエア型のウエラブル端末
手首や腕、頭などに「身に着けて使う」コンピュータデバイスであるウエラブル端末が、社会的な必要性と技術の飛躍的な進化によって単なる「流行」を超え、爆発的な拡大期に入りつつあります。
健康意識の高まりや技術革新により、世界市場は年率15%前後の急成長を続けています。特にスマートウォッチの普及に加え、近年はスマートリングやAI搭載端末が台頭しており、個人から医療・産業現場まで利用シーンが急速に拡大しています。
今回は、靴型、ウエア型のウエラブル端末に関する記事となります。
靴型のウエラブルデバイスとは何か
「靴型ウェアラブルデバイス(スマートシューズ)」は、靴の中にセンサーや通信機能を内蔵し、足元の動きからさまざまなデータを取得・活用するデバイスのことです。
手首に着けるスマートウォッチに比べて、「歩行」や「足の動き」に関するデータの精度が圧倒的に高いのが最大の特徴です。
1. 主な機能とできること
大きく分けて「健康管理」「スポーツ」「安全・ナビ」の3つの目的で使われています。
- 精密な動作解析: 歩数だけでなく、歩幅、足の着地角度、接地時間、左右のバランスなどを計測します。
- バイタルデータの取得: 心拍数や消費カロリーの計測(一部のモデル)。
- ナビゲーション: スマホの地図と連動し、曲がる角に来ると靴が振動して進む方向を教えてくれます。
- 見守り・防犯: GPSを内蔵し、高齢者の徘徊防止や子供の現在地確認に活用されます。
2. スマートウォッチとの違い
| 比較項目 | スマートウォッチ | 靴型ウェアラブル |
| 得意な計測 | 心拍、睡眠、通知受け取り | フォーム解析、歩行バランス |
| 精度 | 腕の振りで誤検知がある | 足の動きに直結するため正確 |
| 装着感 | 常に意識する | 履くだけなので「無意識」に近い |
3. 代表的な活用シーン
- ランニング: 「膝に負担がかかる走り方になっていないか」をリアルタイムで音声アドバイスしてくれる製品(ASICSの『ORPHE』など)があります。
- リハビリ・医療: 脳卒中後の歩行訓練や、認知症の方の外出把握に利用されています。
- 工場・建設現場: 作業員の転倒検知や、活動量から疲労度を推測して安全管理に役立てています。
最近では、靴そのものにセンサーが入っているタイプだけでなく、「インソール(中敷き)」を入れ替えるだけで手持ちの靴をスマート化できるタイプも人気です。

靴型ウェアラブル(スマートシューズ)は、センサーを内蔵し、歩幅や着地衝撃、歩行バランスを精密に計測するデバイスです。履くだけで高度な動作解析やGPS見守りが可能で、健康管理や走行改善に活用されます。
具体的な製品例はどんなものがあるのか
代表的な製品には、大きく分けて「靴そのもの」と「インソール(中敷き)」の2タイプがあります。現在注目されている具体的な製品例をいくつか紹介します。
1. 靴そのものがデバイスのタイプ
- ASICS(アシックス)「RUNWALK ORPHE」
- 特徴: ビジネスシューズにセンサーを内蔵。歩行速度や歩幅、着地角度から「ココロとカラダの健康状態」をスコア化し、スマホアプリで改善アドバイスをくれます。
- 用途: ビジネスパーソンの健康管理、歩き方の改善。
- Under Armour(アンダーアーマー)「HOVR(ホバー)シリーズ」
- 特徴: ランニングシューズにセンサーが埋め込まれており、走行距離やピッチを自動計測。スマホを持たずに走っても後でデータを同期できます。
- 用途: ランニングのパフォーマンス向上。
2. インソール(中敷き)タイプ
手持ちの靴に入れて使えるため、現在はこのタイプも主流です。
- ardi(アルディ)
- 特徴: 2026年現在注目されているスマートインソール。足裏の圧力分布を計測し、姿勢のゆがみや歩行バランスを可視化。猫背やO脚の改善プログラムも提案してくれます。
- SALTED(ソルティド)スマートインソール
- 特徴: ゴルフなどのスポーツに特化。スイング中の重心移動をリアルタイムで計測し、プロのデータと比較できます。
- 用途: ゴルフのスイング矯正、筋トレのフォーム確認。
3. 見守り・医療特化型
- ミツフジ「hamon(ハモン)」シリーズ
- 特徴: 介護施設などで導入されている技術。高齢者の靴に装着し、転倒の検知や、GPSによる外出の見守り(徘徊防止)に活用されます。
ウエア型のウエラブルとは
「ウェア型ウェアラブル(スマート衣類)」は、シャツやパンツなどの布地自体にセンサーや導電性繊維を組み込んだデバイスのことです。
腕時計型よりも「肌に触れる面積」が広いため、より正確な生体データを**「着るだけ」**で取得できるのが大きな強みです。
1. 主な特徴とメリット
- 高精度な計測: 胸周りのシャツであれば、心電図に近い心拍データや呼吸の状態を測定できます。
- 無意識の装着感: 普通の下着やスポーツウェアと同じ感覚で着られるため、睡眠中や激しい運動中でも邪魔になりません。
- 全身の動きをキャッチ: パンツ型なら脚の筋肉の動き、シャツ型なら背筋の伸びなど、姿勢の矯正にも役立ちます。
2. 具体的な製品例(2026年時点)
- Hexoskin(ヘキソスキン): プロのアスリートも愛用するスマートシャツ。心拍・呼吸・活動量を詳細に記録し、肺機能のモニタリングまで可能です。
- VITAL BELT(バイタルベルト): 2026年のCESで発表された最新デバイス。ベルト型で、非接触センサーにより服の上からでも脈拍や呼吸を計測できます。
- Nadi X(ナディ・エックス): ヨガウェア。ポーズが崩れると膝や腰の部分が「振動」して、正しい姿勢へガイドしてくれます。
- グンゼ×NEC「衣類型ウェアラブル」: 日本企業の事例。肌着メーカーの技術を活かし、日常的に着るだけで自律神経の状態などを可視化します。
3. 靴型との違い
- 靴型: 「歩き方」「足の着地」「GPS」に特化。
- ウェア型: 「心肺機能」「全身の姿勢」「筋肉の活動」の計測に特化。
多くの製品は、洗濯の際に小さな通信ユニット(脳にあたる部分)を取り外すだけで、普通の服と同じように洗えるよう設計されています。

ウェア型ウェアラブル(スマート衣類)は、繊維にセンサーを織り込み、着るだけで心拍、呼吸、筋肉の動き、姿勢などを計測できるデバイスです。腕時計型より密着度が高く正確で、日常生活やスポーツ、リハビリなどで無意識に生体データを取得できるのが利点です。
筋肉の動きをどのように測定するのか
筋肉の動きを測定する方法は、主に「筋電位(EMG)」という微弱な電気信号を読み取る仕組みが使われています。具体的には、以下の3つのステップで行われます。
1. 筋電位(EMG)の検出
筋肉は脳からの指令を受けると、収縮する際に微弱な電気を発生させます。ウェアの裏側に配置された「導電性繊維(電気を通す糸)」や柔軟な電極が、皮膚の表面からこの電気信号をキャッチします。
2. データの解析と変換
キャッチした電気信号は、ウェアに取り付けられた小型ユニットへ送られます。ここで「どの筋肉が」「どの程度の強さで」動いたかをデジタルデータに変換します。
- 活動量: 筋肉をどれだけ追い込めているか。
- 左右バランス: 右足と左足の筋肉を均等に使えているか。
3. 可視化・フィードバック
解析されたデータはスマホアプリに送信され、「筋肉の疲労度」や「フォームの乱れ」としてグラフや色で表示されます。
最近では、電気信号だけでなく、筋肉が膨らんだ時の圧力や、生地が引き伸ばされる歪みをセンサーで検知して、より立体的な動き(関節の角度など)を測定するタイプも増えています。

主に「筋電位(EMG)」という仕組みを使います。筋肉が動く際に発生する微弱な電気信号を、生地に織り込まれた導電性繊維がキャッチします。これにより、筋肉の活動量や左右のバランスをリアルタイムで計測可能です。

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