AI、人工知能について

 AIや人工知能について見聞きする機会は増えています。関連した本を読み自分なりに感じたことをまとめた記事になります。AIについてよくわからないとなんとなく怖いという状態になりがちです。簡単ではありますが、読んでもらえば、AIとはどんなもので、今のAIが何ができるのか、何を恐れべきなのかを知ってもらえると思います

記事の要点

  • 大前提として、人間の脳の働きには謎が解明されいない部分が多いため、脳の機能を完全に機械に置き換えるめどは全く立っていない。
  • 現在のAIと脳の仕組みも異なっており、優れているのはパターン認識がメイン。特に肉体活動を伴う部分の機能は低く、人間活動の多くは代替できず仕事をごく一部しか奪わない。
  • AIの判断が人間を離れてしまうことや兵器への利用などは対応が必要
  • 効率化、最適化ばかりを求めてしまうと人工知能に勝てなくなる。AIの得意な部分はAIに任せ、苦手な部分を磨き、共存していく姿勢を持つべき

読んだ本

 今回参考にしたのは下記の3冊

1.生命知能と人工知能

2.仕事の未来 ジョブオートメーションの罠とギグエコノミーの現実

3.AIが人間を殺す日

Q:そもそもAIとはなにか                     A:コンピュータの計算で知的行為を行うもの

 AIはartificial intelligenceの略でコンピュータの計算で脳が行うような知的行為を行わせるためのもの。

 ただし、AIと脳の計算の仕組みは異なっており、人間の脳の仕組みを完全に理解できたわけでもない。

Q:AIと脳の違いはどこにあるのか                A:AIは自動化、脳は自律化が主な目的

 AIは自動化による最適化だけを目的しているが、脳にはまだ謎はあるが、最適化だけを目指すものではないのは確か。

 計算の手法も異っており、AIは高速化に適する半面、並列処理は脳に及ばない。データの中からパターンや類似性を見つけることはある程度可能だが、観察。洞察、コミュニケーション、共感などを行うことは難しい。特に人間の意識については分からない部分が多いため、意識が関わる機能をAIに行わせることはできていない。

Q:AIがなぜここまで注目されるのか                A:仕事を奪られるのでは脅威を感じる人も増えたため

 機械学習などでデータから特徴を把握し、パターン化する能力が上がったことで、特に比較的簡単な仕事を代替されてしまい、仕事がなくなるのではという不安が大きくなっているため。

 現実には仕事のすべてが代替されることはなく、一部の作業が代替されるにとどまると思われる。

 ただし、AIの活用が人間のやりたくない仕事を代替し、よりクリエイティブな仕事をするのか、単に企業の人件費削減を可能にするだけかはまだ分からない。

Q:結局、どこまで人の仕事がAIにとられるのか           A:人手不足や人間の苦手な部分をフォローする分野

 AIを用いたロボットは離れ業が可能な反面、人間には簡単な作業を行うことは難しい。そのため、人間の作業全体ではなく、一部を肩代わりするような方向性で研究が進んでいる。

 それでも農業のような人手不足な分野ではAIによる効率化に大きな期待がかかる。 

 医療でも多数の画像診断などでは医師を上回っている。ただし患者に共感を持って接することは苦手なため、医師とフォローし合うような関係が必要。

Q:AIの何が問題なのか                      A:判断のブラックボックス化、兵器としての利用

  無数のデータを処理し、無数のパラメータを調節し計算し、答えを出すため、なぜその答えを出したのかは開発者にもわからない。そのため説明責任を果たすことができず、人間の意見とAIの意見が対立した場合に、どちらを採用すべきかは難しい問題。自動運転での事故なども説明責任を果たせないAIの活用が難しい分野。

 SFの世界でしかなかったような兵器の開発が現実的になっている。これまでの軍事技術と異なり国家のような存在がなくても開発できるためテロリストなどが大国と同等の技術を持ってしまう可能性が増加している。

Q:AIでなにができるのか、なにが苦手なのか            A:意識を理由しているものや本質の抽出、価値観をともなうものは苦手

 人間の動きすべてを代替することのめどは全くたってない。また物事の本質を抽出するような作業もできないので、芸術での応用にも違和感がある。人間の意識を利用する部分、価値観を伴う判断も苦手にしている。

 決まったデータを入手し、データの中からパターンを見つけ出す作業を疲れずに行うことができることが大きな特長。

Q:AI時代何を意識して生きるべきのか               A:人工知能の得意なことは任せ共存していく

 社会全体が自動化、最適化ばかりを考えるようになれば、脳の人工知能化がおき、結局は人工知能に代替されてしまう。

 AIを怖がるではなく、共存するために、無駄を省くことをAIに任せ、人間は無駄を作りながら、新たな価値観や評価軸を作りだすことを意識すべき。そのため幅広い分野に興味をもち、すぐには役に立たないものでも学ぶことが大事。

 人が働くのは金銭のためでなく、人に認められ尊重されるためでもある。もし、多くの仕事が代替され、人間が働く必要がなくなりベーシックインカムのような仕組みが実現できても、それが幸福なのか社会全体で議論する必要がある。

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