この記事で分かること
- 窓ガラス設置カメラとは:建物の窓の内側に簡単に設置できるカメラのことで手軽に設置でき、工事不要でコストを削減。室内設置のためメンテナンスが容易というメリットがあります。
- ガラス越しでも鮮明な理由:独自の反射抑制技術と高度な画像処理技術により、窓ガラスへの映り込みを抑え、ガラス越しでも屋外を鮮明に映します。
AGCの窓設置カメラ
AGCは、建物の窓の内側に簡単に設置できる窓設置カメラ「ミハルモ™」の販売を2025年6月より開始しました。
https://www.agc.com/news/detail/1209205_2148.html
「ミハルモ™」は、従来の屋外用カメラが抱える設置工事のコストやメンテナンス負担などの課題を解決することを目指して開発されました。
窓設置カメラの特徴は何か
AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」の主な特徴は以下の通りです。
- 簡易取り付け・取り外しによる導入コスト削減:
- 室内側のサッシにマグネットで取り付けるため、大規模な躯体工事が不要です。
- これにより、従来の屋外カメラ設置にかかる工事費用や手間を大幅に削減できます。
- 短期間のイベント利用や、設置場所を頻繁に変更したい場合にも柔軟に対応できます。
- メンテナンス負担の軽減:
- カメラが室内にあるため、屋外環境(風雨、埃など)にさらされることがなく、防水・防塵対策が不要になります。
- 電源の確保や通信の接続も室内で完結するため、配線工事の手間や故障のリスクが低減され、メンテナンス作業が容易になります。
- 窓ガラス越しでもクリアな映像撮影:
- 窓ガラスを通した撮影にもかかわらず、AGC独自の技術により、カメラへの映り込みや反射を抑え、鮮明な屋外映像を撮影できます。
- 特に夜間など、室内側が明るく、屋外側が暗い場合でも、ガラスの反射を抑制してクリアな映像を得ることに優れています。
- 熱割れリスクを抑えながら撮影できる点も特徴です。
- 景観に馴染むデザイン:
- 薄型でスタイリッシュなデザインのため、サッシに自然に溶け込み、建物の外観や屋内の雰囲気を損ないません。
- 従来の屋外カメラのような威圧感がなく、目立たずに設置できます。
- 多様な用途への対応:
- 防犯・監視用途だけでなく、イベント時の混雑モニタリング、街路の状況把握、観光地の映像配信など、様々な屋外映像データ収集に活用できます。
これらの特徴により、「ミハルモ™」は、これまでカメラ設置が困難だった場所や、コスト、メンテナンスが課題となっていた場所での導入を可能にします。

AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」は、窓の内側にマグネットで手軽に設置でき、工事不要でコストを削減。室内設置のためメンテナンスが容易で、独自の技術で窓越しでもクリアな屋外映像を撮影できるのが特徴です。景観を損なわないデザインも利点です。
なぜ窓ガラスごしでも、クリアな映像となるのか
AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」が窓ガラス越しでもクリアな映像を実現できる理由は、主に以下の技術的な工夫によるものです。
- 反射抑制技術(独自の光学設計・素材):
- 窓ガラス越しに撮影する際の最大の課題は、室内側の光がガラスに映り込み、映像に反射として現れることです。特に夜間、室内が明るく屋外が暗い状況ではこの現象が顕著になります。
- AGCは、ガラスメーカーとしての長年の知見と技術を活かし、カメラのレンズや筐体、そしてガラスとの組み合わせにおいて、独自の光学設計や素材を開発していると考えられます。これにより、カメラ本体や室内光のガラスへの映り込みを極限まで抑えることを可能にしています。
- 具体的には、レンズのコーティング技術や、カメラとガラス面の最適な距離・角度設計、さらにはカメラ本体の材質や色なども反射を抑制するために工夫されている可能性があります。
- 映像処理技術(画像鮮明化):
- ガラス越しに撮影される映像は、どうしても通常の屋外撮影に比べてコントラストが低下したり、わずかな歪みが生じたりすることがあります。
- 「ミハルモ™」は、撮影された映像に対して、AGC独自の画像処理技術を適用していると推測されます。これにより、コントラストの補正、ノイズ除去、シャープネスの向上などを行い、最終的に人間の目で見てクリアで鮮明な映像として表示できるようにしています。
- 特に、暗部や逆光など、光の条件が悪い状況でも見やすい映像にするためのアルゴリズムが組み込まれていると考えられます。
- 熱割れリスクの抑制:
- ガラスに密着させてカメラを設置する場合、日光によるガラスの温度上昇や、カメラ本体の発熱がガラスに影響を与え、熱割れのリスクが高まることがあります。
- AGCはガラスメーカーであるため、この熱割れリスクを抑えながらカメラを設置・運用できるような設計や、場合によっては特殊なガラスとの組み合わせを想定している可能性があります。これにより、長期的な安定稼働とガラスの安全性を両立しています。
これらの複合的な技術により、「ミハルモ™」は従来の窓越しカメラの課題であった「映像の不鮮明さ」を克服し、実用的なクリアな映像提供を実現していると言えます。

AGCの「ミハルモ™」は、独自の反射抑制技術と高度な画像処理技術により、窓ガラスへの映り込みを抑え、ガラス越しでも屋外を鮮明に映します。また、ガラスの熱割れリスクも考慮されています。
どんな用途があるのか
AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」は、その簡易な設置性とクリアな映像撮影能力から、幅広い用途での活用が期待されています。主な用途は以下の通りです。
- イベント・祭りでの混雑モニタリング、警備:
- 比較的短期間のイベント(花火大会、フェス、スポーツイベントなど)において、人混みの状況をリアルタイムで把握し、安全な運営に役立てます。
- 従来の屋外カメラでは設置工事にコストと時間がかかっていたため、一時的な利用には不向きでしたが、「ミハルモ™」なら簡単に設置・撤去が可能です。
- 実際に2024年の愛知県岡崎市の花火大会で、警備モニタリングに活用され、その効果が実証されています。
- 交通状況・道路状況のモニタリング:
- 交差点や道路の交通量を計測したり、渋滞状況を把握したりすることで、交通誘導や信号制御の最適化に貢献します。
- 特に冬季の豪雪地帯などでは、ホワイトアウト(吹雪による視界不良)の状況をリアルタイムで確認し、住民への情報提供や安全対策に役立てることが可能です。北海道月形町では、この目的で実証実験が行われました。
- 防犯・監視:
- 店舗や施設の出入り口、駐車場、敷地周辺の不審者監視や不法投棄の防止に活用できます。
- 室内設置のため、カメラが外部から目立ちにくく、景観を損ねずに防犯対策を行いたい場所に適しています。
- 短期間の工事現場での資材管理や、特定の期間だけ監視が必要な場所にも柔軟に対応できます。
- 街の状況把握・地域安全:
- 商店街や繁華街の人の流れや混雑状況を把握し、地域活性化のためのデータ分析に活用できます。
- 自治体が高齢者の見守りや、地域住民の安全確保のための情報収集に利用することも考えられます。
- 観光地の映像配信:
- 観光地のリアルタイム映像をウェブサイトなどで公開し、観光客に現地の状況を伝えることで誘客につなげることができます。
- 山間部や景勝地など、屋外にカメラを設置するのが難しい場所でも、窓のある建物があれば設置が可能です。
- 施設の管理・設備監視:
- 工場や倉庫、商業施設などの屋外に面した場所の状況を、室内から継続的に監視することができます。
- 設備の状態変化や異常の早期発見にも役立ちます。
「ミハルモ™」は、従来の屋外カメラの課題を解決することで、これまでカメラ設置が困難であった場所や、コストや手間がネックとなっていた場面での新たな映像データ収集の可能性を広げます。

AGCの窓設置カメラ「ミハルモ™」は、イベントでの混雑警備、交通・道路状況の監視、店舗・敷地の防犯、そして観光地のライブ配信など、手軽に屋外映像が必要な幅広い用途で活用されています。
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