この記事で分かること
・どのように空を飛ぶのか:電動で垂直離着陸を行うことで、空を飛びます、ドローンのようにプロペラを利用するもの、ヘリ+飛行機型、空気を噴射して飛行する方式などがあります。
・どのような用途が期待される:空飛ぶ車は、都市交通・救急医療・観光・物流・災害支援など、さまざまな分野での利用が期待されています。
・普及への問題点:安全性、インフラ整備、バッテリー技術、規制の問題を解決する必要があり、本格的な普及は2030年以降と予測されます。
「空飛ぶクルマ」のデモ飛行
2025年の大阪・関西万博における「空飛ぶクルマ」の商用運航の計画は断念したことものの、デモ飛行を行うことがニュースになっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3a89e6ecedd8718743676d4e350f611347b549d
デモは運航事業者の一つである株式会社SkyDrive(スカイドライブ)が、行う予定になっています。
空飛ぶ車はどうやって空を飛ぶのか
空飛ぶ車(eVTOL: electric Vertical Take-Off and Landing)は、電動で垂直離着陸できる航空機の一種です。
1. 推進方式
① マルチローター方式(ドローン型)
- 複数のプロペラ(ローター)を使って揚力を生み出し、ドローンのように垂直に離着陸する方式。
- 安定性が高く、機構がシンプル。
- 例: SkyDrive SD-05(日本のSkyDrive社)
② ティルトローター方式(ヘリ+飛行機型)
- 離着陸時はローターを垂直にしてヘリコプターのように飛び、水平飛行時にはローターを前に傾けて飛行機のように飛ぶ方式。
- 長距離飛行が可能。
- 例: Joby Aviation S4(アメリカのJoby社)
③ ダクテッドファン方式(ジェット型)
- ファンを機体内部に収め、空気を噴射して飛行する方式。
- 静音性が高く、安全性が向上。
- 例: Lilium Jet(ドイツのLilium社)
2. 動力源
- バッテリー駆動: 多くの機体が電動モーターを使用し、クリーンエネルギーで運航。
- ハイブリッド: 一部の機種はエンジンとバッテリーを併用し、航続距離を伸ばしている。
3. 飛行制御
- 自動操縦(AI & フライ・バイ・ワイヤ): 多くの機体はパイロットが不要、または簡易な操縦で飛行可能。
- 安定化システム: ジャイロセンサーやAIを活用し、揺れを抑える技術が採用されている。
現在、各国で実用化に向けた試験が進められていますが、安全性や法規制の課題もあり、商業運航にはもう少し時間がかかりそうです。

空飛ぶ車は電動で垂直離着陸できる航空機の一種で、ドローンのようにプロペラを利用するもの、ヘリ+飛行機型、空気を噴射して飛行する方式などがあります。
それぞれの飛行法の問題点は何か
空飛ぶ車(eVTOL)の各方式には、それぞれ長所と課題があります。以下に代表的な方式ごとの問題点をまとめます。
① マルチローター方式(ドローン型)
問題点
- 航続距離が短い: バッテリー容量の制約により、飛行距離は30~50km程度に限られる。
- 速度が遅い: 水平飛行時に揚力を生む翼がないため、飛行機型よりも速度が出にくい。
- 騒音問題: 複数のローターが高速回転するため、都市部での運用時に騒音が問題になる可能性がある。
② ティルトローター方式(ヘリ+飛行機型)
問題点
- 機構が複雑で故障リスクが高い: ローターの角度を変える可動部が多く、メンテナンスの負担が大きい。
- 重量増加: ティルト機構のために構造が重くなり、燃費やバッテリー消費に影響を与える。
- 離着陸時の制御が難しい: ティルトローターの調整が必要なため、完全な自動制御が難しく、パイロットの技術が求められる場合がある。
③ ダクテッドファン方式(ジェット型)
問題点
- エネルギー効率が悪い: ダクテッドファンは空気抵抗が大きく、同じバッテリー容量でも飛行距離が短くなりやすい。
- 機体設計が難しい: 空気の流れを最適化する設計が必要で、試作・開発に時間がかかる。
- 静音性の限界: 一般的に開放型ローターよりは静かだが、高出力時のノイズは完全には抑えられない。
共通する問題点
① バッテリー技術の限界
- 現在のリチウムイオン電池では航続距離が限られ、充電時間も長い。
- 次世代電池(全固体電池や水素燃料電池)の開発が進めば改善される可能性がある。
② 安全性と規制の整備
- 墜落時のリスクが大きく、パラシュートや緊急着陸システムが必要。
- 各国の航空法や都市部での運航ルールがまだ整備されていない。
③ インフラ整備
- 離着陸のための「空飛ぶ車専用ポート(Vertiport)」が必要。
- 充電ステーションや運航管理システムの整備も必要。
これらの課題が解決されれば、空飛ぶ車の本格的な普及が進む可能性があります。

各方式に課題が存在します。また、バッテリー技術の限界や安全性、インフラ整備は共通の課題です。
空飛ぶ車はどんな場面での、利用が想定されているのか
空飛ぶ車(eVTOL)は、以下のようなさまざまな場面での利用が想定されています。
① 都市のエアモビリティ(空飛ぶタクシー)
想定シナリオ
- 渋滞を回避し、短時間で都市間・都市内を移動する手段として利用。
- 例: 東京の都心から成田空港までを約10~15分で移動(現在は1時間以上)。
- Uber、Joby Aviationなどが開発を進めており、2030年前後の実用化を目指している。
課題
- 離着陸ポート(Vertiport)の整備。
- 安全性や騒音問題に対する都市部の規制。
② 離島や山間部での交通手段
想定シナリオ
- 交通手段の少ない離島や山間部での移動手段として活用。
- 例: 沖縄の離島間移動を船ではなくeVTOLで短時間化。
課題
- 天候の影響を受けやすい(強風や豪雨時の運航)。
- バッテリー航続距離の制約。
③ 医療・救急搬送
想定シナリオ
- 救急車よりも早く患者を病院へ搬送(ドクターヘリの代替または補助)。
- 例: 山間部で事故が発生した場合、救急搬送時間を大幅に短縮。
課題
- 緊急時の優先飛行ルートの確保。
- 医療機器を搭載するスペースの確保。
④ 観光用途(エアクルーズ)
想定シナリオ
- 都市や自然の景色を楽しむ観光ツアーとして利用。
- 例: ドバイやシンガポールでの空中遊覧ツアー。
課題
- 観光向け運賃の設定(価格が高くなりすぎると普及しない)。
- 飛行ルートと安全管理の規制整備。
⑤ 災害時の物資輸送や避難支援
想定シナリオ
- 災害発生時に孤立した地域へ医薬品や食料を迅速に届ける。
- 例: 地震や洪水で道路が寸断された際に、空から物資を輸送。
課題
- 悪天候での飛行能力の向上。
- 大量の物資を運べる機体の開発。
⑥ 物流(小型荷物の空輸)
想定シナリオ
- 都市間・都市内の即時配送に活用(ドローン配送の進化版)。
- 例: Amazonや楽天が無人飛行eVTOLを使い、荷物を即日配送。
課題
- 大量輸送には不向き(トラックや鉄道の方が効率的)。
- 空域の管理と運行ルールの確立。

空飛ぶ車は、都市交通・救急医療・観光・物流・災害支援など、さまざまな分野での利用が期待されています。ただし、安全性、インフラ整備、バッテリー技術、規制の問題を解決する必要があります。本格的な普及は2030年以降と予測されます。
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