ファミリーマートのおにぎりの消費期限延長 どうやって延長したのか?α化とは何か?

この記事で分かること

  • 延長した方法:お米を炊く工程を見直すことで、品質を保ちながら期限を延ばすことに成功しています。
  • 炊飯工程での品質結果を防ぐ方法:お米の澱粉が老化して固くなるのを抑える工夫が重要です。具体的には、炊飯時の水分量を厳密に管理するほか、食用油や酵素、乳化剤などの添加物を少量加えることで、お米の表面をコーティングし、水分を保つ技術が用いられます。
  • α化とは:米や小麦などのデンプンに水を加えて加熱し、糊のように柔らかく消化しやすい状態にすることです。

おにぎりの消費期限延長

 ファミリーマートが、おにぎりなど米飯商品の消費期限を2時間延長する取り組みを行っています。

 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC283T70Y5A820C2000000/

 時間が経過してもご飯が硬くなりにくい独自の炊飯技術によって、食品ロスの削減を目的としたものとのことです。

どうやって賞味期限を延長したのか

 ファミリーマートが米飯商品の消費期限を2時間延長する取り組みは、主に製造工程の見直しによって実現されました。

 具体的には、おにぎりや弁当などの米飯を炊飯する際の炊飯方法を工夫することで、お米本来の美味しさを保ちつつ、品質の劣化を抑えることに成功したとされています。

 これにより、商品の品質を維持したまま、消費期限を従来の18時間から20時間に延長することが可能になりました。

 これは、特殊な技術というよりは、長年にわたる製造工程の検証と改善の結果であり、食品の美味しさを長く保つための基本的な品質管理技術の向上が背景にあります。

ファミリーマートは、おにぎりや弁当の消費期限を2時間延長しました。これは、お米を炊く工程を見直すことで、品質を保ちながら期限を延ばすことに成功したものです。製造過程の工夫により、食品ロスを削減する狙いがあります。

炊飯方法で品質の劣化を防ぐ方法とは

 ファミリーマートが具体的な技術の詳細を公表しているわけではありませんが、一般的に、炊飯方法によって米飯の品質劣化を防ぎ、日持ちを良くする方法としては、以下のようなものがあります。

1. 炊飯時の水分コントロール

  • 適切な浸漬時間と温度: 炊飯前の浸漬(お米を水に浸す時間)を適切に管理することで、お米の芯までしっかりと吸水させます。これにより、炊きあがったごはんのでんぷんの「α化」(糊化)が均一に進み、冷めても固くなりにくく、美味しさを保つことができます。
  • 炊飯時の水加減: 米飯の品質は水分量に大きく左右されます。水分量が多すぎるとべちゃつき、少なすぎるとパサつきの原因となります。最適な水分量を管理することで、日持ちのする、食感の良いごはんを炊き上げることができます。

2. 炊飯後の処理

  • 素早い放熱と冷却: 炊きあがったごはんの余分な水分を素早く飛ばすことで、べたつきを防ぎ、お米一粒一粒が立った状態を保ちます。また、細菌の繁殖を抑えるため、急速に冷却する技術も重要です。
  • 包装時の工夫: 炊きたてのごはんを熱いまま包装することで、蒸気を殺菌に利用するとともに、雑菌の混入を防ぐことができます。

3. その他

  • 炊飯工程の衛生管理: 大量生産においては、製造ライン全体の衛生管理が徹底されています。炊飯器や容器の洗浄・殺菌を徹底することで、品質劣化の原因となる雑菌の繁殖を抑えます。

 ファミリーマートのおにぎりや弁当は、工場で大量生産されています。そのため、家庭で炊く方法とは異なり、炊飯設備や冷却、包装技術など、複数の工程で品質管理を徹底し、消費期限の延長を実現していると考えられます。

 また、ごく一部ではありますが、抗菌作用のある食材(酢など)を少量加えて炊飯することで、保存性を高めるという方法も家庭や一部の業務用で行われることがあります。

品質劣化を防ぐには、お米の澱粉が老化して固くなるのを抑える工夫がされます。具体的には、炊飯時の水分量を厳密に管理するほか、食用油や酵素、乳化剤などの添加物を少量加えることで、お米の表面をコーティングし、水分を保つ技術が用いられます。これにより、時間が経ってもふっくらした食感を維持しやすくなります。

α化とは何か

 α化(アルファ化)とは、米や小麦などに含まれるデンプンに水を加えて加熱することで、消化しやすい状態に変化させることです。

 生の状態のデンプンは「β-デンプン」と呼ばれ、分子が密に結晶構造をなしているため、水にも溶けにくく、人間の消化酵素が働きにくい状態です。

 しかし、水を加えて加熱すると、この密な構造がゆるみ、分子の間に水分子が入り込んで膨張します。この変化によって、デンプンが糊のような柔らかい状態になり、消化されやすくなります。この状態をα-デンプンと呼びます。

α化の身近な例

  • 炊飯: 生米を炊飯して、硬いお米が柔らかいご飯になる現象は、デンプンがα化することです。
  • パン: 小麦粉に水を加えて焼くと、デンプンがα化してパンが膨らみ、ふっくらした食感になります。

老化(β化)との関係

 α-デンプンは、時間とともに水分が抜けて再び分子が密な状態に戻ろうとします。この現象を老化(β化)と呼び、ご飯がパサついたり、パンが硬くなったりする原因です。

 インスタント食品として使われる「アルファ化米」は、このα-デンプンの状態を保つために急速乾燥させて作られます。

α化とは、米や小麦などのデンプンに水を加えて加熱し、糊のように柔らかく消化しやすい状態にすることです。ご飯を炊くと硬い生米が柔らかくなる現象がこれにあたります。時間が経つと再び硬くなる「老化(β化)」に対し、アルファ化米のように長期保存が可能な加工食品も作られます。

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