関西パテ化工の断熱性塗膜防水材 塗膜防水材とは何か?なぜ、防水できるのか?断熱の方法は?

この記事で分かること

  • 塗膜防水材とは:液状の材料を塗り、化学反応で硬化させて防水層を形成する建築材料です。継ぎ目がなく、複雑な形状の場所にも隙間なく施工できるのが特長です。
  • 防水できる理由:、液状で塗布後に化学反応で硬化し、継ぎ目のない丈夫で弾力性のある防水膜を形成します。この膜が水の侵入を完全に遮断し、建物の動きにも追従することで、長期にわたって防水性を維持します。
  • 断熱性を高める方法:硬質ウレタンフォームなどの断熱材を防水層の下に敷く方法や中空セラミックビーズなどの熱を伝えにくい成分を塗料に混ぜる方法です。

関西パテ化工の断熱性塗膜防水材

 関西パテ化工は、建築向けにさまざまな塗膜防水材を提供しています。

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00756858

 中でも「セルコート」シリーズは、特殊アスファルト系と特殊合成樹脂エマルションを主成分とした1液型のエマルション系塗膜防水材で、ベランダや屋上などに適しています。また、断熱性に優れた塗膜防水材も展開しています。

塗膜防水材とは何か

 塗膜防水材とは、液状の防水材料を塗り、化学反応によって硬化させて防水層(防水の膜)を形成する材料のことです。この材料を使って防水工事を行う工法を「塗膜防水工法」と呼びます。

塗膜防水材の主な特徴

  • 継ぎ目のない防水層: 液状の材料を塗って仕上げるため、継ぎ目がなく、雨水の浸入を防ぎやすいです。
  • 複雑な形状への対応: 凹凸のある面や、配管まわり、出隅・入隅といった複雑な形状の場所でも、隙間なく塗布できます。
  • 軽量で建物への負担が少ない: アスファルト防水などに比べて軽量なため、建物全体にかかる荷重を軽減できます。
  • 改修工事に適している: 既存の防水層を撤去せず、その上から重ね塗りできる場合が多く、コストや工期を抑えられます。

塗膜防水材の種類

 塗膜防水材には、使用される主成分によっていくつかの種類があります。

  • ウレタンゴム系: 最も広く普及しているタイプで、高い伸縮性と柔軟性があり、建物の動きによるひび割れに強いのが特徴です。
  • FRP系: 繊維強化プラスチック(FRP)を使用したもので、高い強度と耐摩耗性があります。硬化が速く、短工期での施工が可能です。
  • ゴムアスファルト系: 特殊な合成ゴムとアスファルトを組み合わせたもので、伸縮性や耐候性に優れています。

 これらの塗膜防水材は、屋上やベランダ、バルコニー、地下室など、建物の様々な部分の防水に用いられています。

塗膜防水材とは、液状の材料を塗り、化学反応で硬化させて防水層を形成する建築材料です。継ぎ目がなく、複雑な形状の場所にも隙間なく施工できるのが特長で、屋上やベランダの防水工事に広く用いられています。

どんな化合物が含まれるのか

 塗膜防水材に含まれる化合物は、その種類によって異なりますが、主に以下のものが挙げられます。

ウレタンゴム系

  • 主剤: ポリイソシアネート化合物が主成分です。
  • 硬化剤: ポリオール化合物やポリアミン化合物が主成分です。

 これらの成分が混合されると、化学反応を起こして硬化し、弾力性のある防水層が形成されます。

FRP系

  • 主剤: 軟質の不飽和ポリエステル樹脂が主成分です。
  • 補強材: ガラスマットや不織布などが組み合わされて使われます。

アクリルゴム系

  • 主剤: アクリル酸エステルを主成分とするアクリルゴムエマルションが用いられます。

ゴムアスファルト系

  • 主剤: アスファルトと合成ゴムを主原料としています。

その他の成分

 上記以外にも、塗膜防水材には以下のような化合物や物質が添加されています。

  • 充填材: 炭酸カルシウム、クレー、カーボンブラック、シリカ微粉末など。
  • 顔料: 着色のため。
  • 添加剤: 老化防止剤、界面活性剤、増粘剤、希釈剤など。

 近年では、シックハウスの原因となる有害物質(ホルムアルデヒドなど)を含まない、環境に配慮した製品も増えています。

塗膜防水材には、主成分としてポリウレタン、ポリエステル、アクリル、ゴムアスファルトなどの高分子化合物が含まれます。これらが化学反応を起こし、弾力性のある防水膜を形成します。その他、充填剤や顔料、添加剤なども含まれます。

どうやって断熱性を持たせるのか

 塗膜防水材に断熱性を持たせる主な方法は、以下の2つです。

遮熱機能との組み合わせ

 太陽光の赤外線を効率よく反射する特殊な顔料を配合することで、建物の表面温度の上昇を抑える「遮熱」効果も持たせることが多いです。断熱と遮熱の両方の機能を持つことで、夏は熱の侵入を防ぎ、冬は室内の熱が逃げるのを防ぎ、一年を通して快適な室内環境を保つことができます。

 断熱材を組み込む塗膜防水層の下に、板状の硬質ウレタンフォームなどの断熱材を敷き詰める方法です。この場合、防水層と断熱層が別々の層として存在します。断熱材は熱を通しにくい空気の層を多く含んでいるため、建物の内外の熱移動を効果的に遮断します。

 断熱塗料の機能を持たせる塗膜防水材自体に、断熱効果のある成分を配合する方法です。この場合、断熱塗料の技術が応用されます。

中空セラミックビーズの配合

 塗料の中に、熱を伝えにくい空気を多く含んだ「中空セラミックビーズ」という微小な球体を混ぜ込みます。このビーズが塗膜全体にびっしりと詰まることで、熱が伝わるのを妨げる空気層が形成され、断熱効果を発揮します。

断熱性を持たせるには、主に2つの方法があります。一つは、硬質ウレタンフォームなどの断熱材を防水層の下に敷く方法です。もう一つは、中空セラミックビーズなどの熱を伝えにくい成分を塗料に混ぜる方法です。

ウレタンやアクリルでなぜ防水出来るのか

 ウレタンやアクリル系の塗膜防水材が防水できるのは、主に以下の2つの原理によります。

1. 緻密で継ぎ目のない膜(塗膜)を形成する 

 ウレタンやアクリルは、液体の状態で塗布されます。この液体が化学反応や水分の蒸発によって硬化すると、ゴムのように弾力性のある、緻密な膜を形成します。この膜は非常に薄い被膜ですが、水の分子を通さないため、水の浸入をシャットアウトします。

 特に、液状で塗るため、複雑な形状の場所でも継ぎ目なく一体の防水層を作ることができ、水の侵入経路を断つことが可能です。

2. 下地の動きに追従する

 建物のコンクリートやモルタルは、気温の変化や地震などによってわずかに膨張・収縮したり、ひび割れ(クラック)が生じたりします。

 ウレタンやアクリル系の塗膜は、硬化後も高い伸縮性と柔軟性を保ちます。この特性により、下地に微細な動きやひび割れが生じても、防水層が破れることなく、その動きに追従して水を漏らさない状態を維持できます。

 隙間なく水を遮断する丈夫な「膜」を形成し、その膜が建物の動きに柔軟に対応することで、長期にわたって防水性を保ち続けるのです。

ウレタンやアクリルは、液状で塗布後に化学反応で硬化し、継ぎ目のない丈夫で弾力性のある防水膜を形成します。この膜が水の侵入を完全に遮断し、建物の動きにも追従することで、長期にわたって防水性を維持します。

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