新たなコード決済サービスteppay　どんな特徴があるのか？PayPayへの対抗策は？

この記事で分かること

新たなコード決済サービスteppay

　JR東日本とパスモ、PASMO協議会から、モバイルSuicaとモバイルPASMOに導入される新たなコード決済サービスとして「teppay（テッペイ）」が発表されました。

　https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC126KR0S5A111C2000000/

　このサービスは、キャッシュレス決済が多様化・複雑化していることによる「キャッシュレス疲れ」を解消し、利用者が馴染みのあるSuica・PASMOのサービスに決済手段をまとめるというニーズに対応するために提供されます。

teppayの主な機能は

　JR東日本とパスモ、PASMO協議会から、モバイルSuicaとモバイルPASMOに導入される新たなコード決済サービスとして発表されました。

サービス概要と提供開始時期

• モバイルSuicaでの提供開始予定： 2026年秋
• モバイルPASMOでの提供開始予定： 2027年春
• 利用方法： 既存のモバイルSuica/PASMOアプリをアップデートすることで利用可能となり、新たなアプリのダウンロードや登録は不要です。

teppayの主な機能

• コード決済
  • 従来の交通系IC残高の上限額（2万円）を超える高額な買い物が可能になります。
  • ビューカードと連携すれば、チャージ不要で支払いが可能です。
  • teppayポイントが付与されます。
  • teppayマークのほか、Smart Code™マークのある全国160万か所以上で利用可能となる見込みです（サービス開始当初）。
• 残高の送付・受け取り
  • teppayユーザー同士で残高を「送る・受け取る」ことが可能です。
  • モバイルSuicaとモバイルPASMOのアプリを超えて残高を送付できます（ただし、交通系IC残高そのものの送金はできません）。
• チャージ機能
  • teppay残高からモバイルSuica・モバイルPASMOの交通系ICへのチャージが可能です。
  • teppay残高への入金は、銀行口座・ATM（現金）のほか、ビューカードから可能です。
• オンライン決済
  • インターネットでのお買い物に利用できる「teppay JCBプリカ」をアプリ内で発行できます。タクシーや飲食店のモバイルオーダーなどにも利用可能です。
• 地域限定バリュー（通称：バリチケ）
  • 特定の地域限定で利用できるバリューで、自治体のプレミアム商品券やキャッシュレス還元事業への活用が想定されています。

　このサービスは、キャッシュレス決済が多様化・複雑化していることによる「キャッシュレス疲れ」を解消し、利用者が馴染みのあるSuica・PASMOのサービスに決済手段をまとめるというニーズに対応するために提供されます。

teppayの利点は何か

　teppayの主な利点は、既存のモバイルSuica/PASMOユーザーの利便性を大幅に向上させる点と、機能の拡張性にあります。

主な利点

• 高額決済が可能に
  • 従来の交通系IC残高の上限である2万円を超える、最大30万円までの買い物（コード決済）が可能になります。
• 既存アプリをそのまま利用
  • すでにモバイルSuicaまたはモバイルPASMOを利用している場合、新たなアプリのダウンロードや登録は不要です。既存のアプリのアップデートで利用できます。
• Suica・PASMOの垣根を越えた送金
  • モバイルSuicaユーザーとモバイルPASMOユーザー間で、teppay残高を「送る・受け取る」という個人間送金（割り勘や交通費の送金など）が可能です。
• チャージレス決済とポイント付与
  • ビューカードと連携すれば、チャージ不要（後払い）でコード決済が可能になります。
  • 決済時にはteppayポイントが付与されます。
• 全国の幅広い加盟店で利用可能
  • teppay加盟店に加え、サービス開始当初からSmart Code™加盟店（約160万か所）でも利用できるため、利用可能な店舗が多いです。
• オンライン決済への対応
  • アプリ内で「teppay JCBプリカ」を発行でき、ネットショッピングやモバイルオーダーなど、オンラインでの支払いにも利用できます。
• 地域限定バリュー（バリチケ）
  • 自治体と連携したプレミアム商品券やキャッシュレス還元事業など、地域限定で利用できる残高機能が提供され、地域経済の活性化にもつながります。

　teppayは、普段使いの交通系ICサービスに、高額決済や送金などの便利なコード決済機能を統合することで、利用者の「キャッシュレス疲れ」を解消し、利便性を高めることを目指しています。

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コード決済サービスの各社のシェアは

　日本のコード決済サービス（QR・バーコード決済）の最新のシェアは、複数の調査で「PayPay」が圧倒的なトップを維持しています。

コード決済サービスの利用シェア（2024年調査より）

　複数の調査機関のデータ（2024年3月～2025年1月時点の調査）に基づくと、現在利用されている主要なコード決済サービスのシェア（複数回答可）は以下のようになっています。

順位	サービス名	利用率（参考値）
1位	PayPay	約65%
2位	楽天ペイ	約36%
3位	d払い	約28%
4位	au PAY	約20%

　これらの数値は調査機関や調査時期によって変動しますが、PayPayが利用者数で圧倒的なシェアを占め、次いで楽天ペイ、d払い、au PAYが主要なサービスとして続いている傾向に変わりはありません。

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市場の動向

• PayPayの強さ: 決済回数ベースでも、キャッシュレス決済全体の約5回に1回がPayPayであるというデータ（2024年）があり、トップの地位を強固にしています。
• キャッシュレス決済比率: 経済産業省によると、2024年の日本のキャッシュレス決済比率は42.8%に達し、政府目標（40%）を前倒しで達成しました。その内訳として、コード決済の占める割合も年々増加しています。
• teppayの将来性: ご質問にあった「teppay」は、モバイルSuica/PASMOという巨大な利用者基盤を持つため、2026年秋以降にサービスが開始されれば、このシェア構造に影響を与える可能性があります。

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PayPayへの対抗策は

　teppayのPayPayへの対抗策は、主に「巨大な利用者基盤の活用」と「交通系ICにはない新機能の追加」の2点です。

1. 巨大な利用者基盤の活用

　teppayは、ゼロからユーザーを獲得する必要があるPayPayと異なり、すでに広く普及しているモバイルSuicaとモバイルPASMOの既存ユーザーを最初から取り込めます。

• ユーザーの乗り換えコストがゼロ： teppayは既存アプリのアップデートで利用可能になるため、ユーザーは新しいアプリのダウンロードや個人情報登録といった手間が一切かかりません。
• 認知度と信頼性： 交通系ICカードとしての高い認知度と、JR東日本・PASMO協議会が提供するサービスとしての信頼性を最初から持っています。
• 加盟店の広さ： サービス開始当初から、teppay加盟店に加え、全国のSmart Code™加盟店（約160万か所）で利用できる見込みです。

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2. 交通系ICの機能を超えた差別化

　PayPayなどのコード決済サービスが持つ利便性をSuica・PASMOに組み込むことで、これまでの交通系ICではできなかったことを実現し、差別化を図ります。

対抗策となる新機能	利点
高額決済	従来の交通系IC残高の上限（2万円）を超え、最大30万円までの決済が可能になります。これにより、家電や旅行代金などの高額な買い物にも利用できるようになります。
個人間送金	モバイルSuicaユーザーとモバイルPASMOユーザー間で、アプリの垣根を越えて残高の送付・受け取り（割り勘など）が可能です。
後払い・ポイント付与	ビューカードと連携することで、チャージ不要の後払い（ポストペイ）が可能となり、さらに決済時にteppayポイントが付与されます。
オンライン決済	アプリ内で「teppay JCBプリカ」を発行でき、ネットショッピングやモバイルオーダーなど、オンラインでの利用シーンもカバーします。
地域連携（バリチケ）	自治体のプレミアム商品券など、地域限定のバリューにも対応し、地域経済の活性化への貢献も目指します。

　teppayは、交通系ICとしての高い普及率と非接触の便利さを保ちつつ、コード決済の利便性（高額決済、送金、後払い）を取り込むことで、PayPayがカバーしきれない層や利用シーンを取り込む対抗戦略だと言えます。