SLEEP ショーン・スティーブンソン ダイヤモンド社 まとめ

睡眠はあらゆる機能を向上させるため、睡眠の質の向上は人生において非常に重要 質の良い睡眠は良好なホルモンバランスで実現できる

 精神、感情、肉体すべてに睡眠の質は作用する。睡眠を利用してありとあらゆる機能を向上させている。
 慢性的な睡眠不足は世界的な問題で100年前に比べ睡眠時間は1.5~2時間短くなっている。

 

 睡眠不足は病気、肥満などの原因になるが、逆に睡眠を改善すればパフォーマンスを大きく向上させることも可能となる。
  
 睡眠は時間よりも質がより重要となる。本書では睡眠の質を高める様々な方法が示されている。人生に質は睡眠は握っていることを認識し、睡眠をスケジュールに組み込むことが重要になる。

 

 睡眠の質を上げるには体内のホルモンバランスを正常に保ち、睡眠ホルモンを作り出すことが重要になる。
 ホルモンバランスを保つ方法は大きく分けて、なにを摂取するか、どのような習慣を持つか、環境をどうするかがある

睡眠不足はあらゆる行動の質を下げる

睡眠中に人間の体内で起こることには以下のようなものがある。
・免疫力、骨、筋肉の成長や再生が促される
・脳内の老廃物や有害物の除去

つまり、睡眠不足は若さを保つことを難しくし、あらゆる行動の質を下げることになる。

睡眠には多くのホルモンが関わっている ホルモンバランスを整え、睡眠ホルモンの分泌を促すことが重要

・セロトニン
 幸福感や満足感をもたらすホルモンで、体内時計の調節も行う。

・メラトニン
 夜間に生成され、睡眠に最適な状態へ体を整え睡眠の質を高める。

・コルチゾール
 ストレスホルモンとして知られるが、健康で体の働きを保つために必要でもある。朝になると分泌が増え、徐々に減っていく。コルチゾールとメラトニンの生成量は反比例するため、コルチゾールが夜分泌されてしまうとメラトニンの量は減少してしまう。ホルモンバランスが崩れると睡眠の質が低下する大きな原因の一つ。

・ドーパミン
 なにかを探求する際に強く分泌され、快楽物質と相まって探求がやめられなくなる。SNSやスマホ依存の原因となる。注意力を高め、意識を覚醒させるため、睡眠時に分泌すると質が低下してしまう。

・アドレナリン
 興奮を感じさせるホルモン。一時的に気分を晴らす作用を持つが、ストレスホルモンの
分泌増加につながり、虚脱感に襲われるようになる。

接種するものはホルモンバランスに大きく影響する

・カフェイン
 神経系に強く影響し、睡眠を阻害する。その影響は非常に強く寝る6時間の摂取でも
睡眠の質を低下させる。
 内分泌系にも影響があり、アドレナリンとコルチゾールの生成を促す。体内に残留しない頻度で摂取すれば、元気のもとになるため、飲み方が重要。コーヒーを飲むのであれば午前中が良い。

・腸内環境を整える
 腸には脳と同様多くの神経伝達物質が存在する。メラトニンも脳の400倍以上存在し、
腸内環境は睡眠の質に大きく影響する。加工食品を少なくし、セレン(ナッツ、牛肉、鶏肉)ビタミンC(葉野菜)、トリプトファン(鶏肉、卵)、カリウム(葉野菜、ブロッコリー等)など
良いものは多く存在する。特にマグネシウムは不足がちだが、抗ストレス、血糖値を整える、血流を最適にする等の効果がある。

・飲酒
 アルコールはレム睡眠の阻害、疲労と覚醒のバランスが崩れ、睡眠の質が低下する。寝る間際にアルコールを飲まない、水を多くのみトイレに行ってから寝るなどが有効。

・サプリ
 サプリの摂取の前にまずは現状の習慣を見直すことが重要。摂取する場合でもカモミールなど天然素材のものが望ましい。
 メラトニンのサプリもあるが注意が必要。体内のメラトニンを活用する能力が低下する可能性がある。

習慣を変えることでホルモンバランスを整えることができる

・太陽光をあびる
 太陽光を浴びることは、日中に分泌されるべきホルモンや体内時計を調節する神経伝達物質
の生成を促す力がある。セロトニンやメラトニン、コルチゾール生成にも自然光は重要な働きをする。

・電子機器の使い方
 電子画面の放つブルーライトは日中に分泌されるべきホルモンの生成を促し、睡眠の質が
低下する。寝る90分前にはブルーライトを浴びないようにする必要がある。

・午後10時~午前2時に寝る
 午後10時から午前2時までが最もホルモンの分泌が多く、疲労が回復しやすい。深夜労働は癌、肥満になりやすいなどのリスクがある。

 また、睡眠のリズムをなるべく一定にする、90分サイクルで睡眠時間を設定することも眠りの質を高める。

・夜の生活
 オーガニズムはオキシトシンなどさまざまな睡眠に重要な分泌を増やす効果がある。

・運動
 運動と休息をセットで行うことで、ホルモンがより多く分泌され、健康を保つことができる。夜よりも朝運動したほうが効果は高い。ウエイトトレーニングの重要度が高いため、自分の好きな運動とウエイトトレーニングを組み合わせると良い。

・寝室にスマホを持ち込まない
 ブルーライトだけでなく電磁波なども睡眠の質を下げる可能性がある。テレビもおかないほうが良い。

・脂肪を落とす
 脂肪過多はコルチゾールの分泌量の増加によって睡眠の質を下げる。睡眠時無呼吸症候群も体重の増加、首周りの脂肪で起こりやすくなる。
 タンパク質と良質な脂肪を取り、糖質を少なめにする、ミネラルの接種に気をつけることが必要。
睡眠不足で脳が疲れると、カロリー摂取しやすい食べものを食べたくなり、ますます脂肪がつく。睡眠不足が肥満の原因になり、さらなる睡眠不足を招いてしまう。

・寝る姿勢
 背骨が安定する姿勢で寝ると良い。理想は仰向けで寝ること。枕が高すぎる、マットレスが反発しないと背骨は曲がり安定しない。7年に一度マットレスを交換すると良い。

・瞑想(マインドフルネス)
 目を閉じて呼吸に意識を集中することで、瞬時にリラックスできる。ストレスの軽減、不眠症の治療に効果がある。深呼吸は副交感神経のスイッチを入れるため、リラックスができる。

・早起き
 人間の身体は暗闇には対応しておらず、体内時計に従うことが健康には重要。朝型のほうがパフォーマンスが高いことが多く、健康的。夜型の人は決めた時間に起きるようにし、15分ずつ起きる時間を早め朝型にすると良い。

・マッサージ
 マッサージでセロトニンやオキシトシンの分泌量が増加し、コルチゾールの分泌量が減少する
ため睡眠の質を高める効果がある。血流や頭痛、気分を良化させる効果も報告されている。
 プロにやってもらうのが効果は大きいが、自分でツボを押したり、ボールを使ったマッサージを
するだけでも大きな効果がある。
 
・パジャマ
 寝るときには体を締め付けない、適切な体温調節が可能、刺激の少ない素材を選ぶことが重要となる。

・身体を自然に触れさせる
 地面を通じて、自由電子を人体に受け入れることで、反応性の高いフリーラジカルを
抑制する。血流改善、炎症の減少など様々な効果がある。

環境を整えることも睡眠の質をあげる

・最深部の温度を下げる
 夜になり、体温が下がることで眠りにつきやすくなる。
 適温は15.5~20℃とかなり涼しい。またストレスは体温を上昇させるため、眠りにつきにくくなる。

・寝室の作り方 
 脳はパターン認識に優れるため、寝室=眠る場所というパターンを作ることが重要。
余計なものは持ち込まず、空気をきれいにする、植物を置くなどが有効

・光を遮断する
 皮膚にも光を感じる受容体は存在し、脳が光を感知してしまう。特に人口光はメラトニンを減少させるため、注意するべき。遮光カーテンの使用、夜間は赤い色の照明を使用するなどに効果がある。

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