超AI時代の生存戦略 落合陽一 大和書房 要約

本の概要

これまで人類は様々な新しい技術を多くの人は好意的に受け入れ、社会は変化してきました。

しかし、AIを中心とした技術の発展は多くの人に自分の仕事をとられるのではという不安をいだかせています。

このような社会で生き抜いていくために必要なマインドセット、考え方としては以下のようなものが挙げられます。

・仕事と趣味の境目がなくなっていくため、仕事のどこに気持ちよさを感じるか知っておく

・多様化が進むため、自分の絶対的な行動基準を持つ

・合理的で画一的でないものを重視するようにする

・幅広い知識をなんとなく知っている状態にし、脳内で混ぜ合わせることでひらめきを生む

これらを多く人が身に着けることでテクノロジーの発展による社会の分断を防ぐことが望まれています。

この本がおすすめの人

・AIやテクノロジーによる社会の変化を知りたい人

・機械化やテクノロジーの発展に不安がある人

筆者の著作「忘れる読書」の要約はこちら

テクノロジーの発とどう向き合うかはこちらも「テクノロジーが予測する未来」要約

本の要約

これからの超AI時代を生き抜くにはどうすればよいのか

 本書は超AI時代を生き抜くために必要なスキルやマインドセットについて解説された本になっています。

 スマートフォンの普及によって人はインターネット上に第2の言論、視聴覚空間を持つようになり、デジタル空間にもう一度生まれたともいえます。

 ここ数十年の技術発展は多くの人に好意的にとらえられてきました。

 人々は技術発展による効率化、自動化、無人化を好意的に受け入れてきたが、徐々に次は自分の専門的修練が技術発展、機械に置き換えられのではと不安を持つようになってきました。

 機械にできないクリエイティブな仕事を人間がすべきという表現はあいまいで、行動の指針をぼやかしてしまいます。

 本書では様々な議論の中でどのように思考していくかが書かれています。「可能かもしれない未来の形に様々な問いを投げかける」ことで考え方を作り続けていくことが必要なこととなります。

可能かもしれない未来の形に様々な問いかけをしていくことが生き抜くために必要になります。

超AI時代に私たちの働き方はどう変わっていくのか

 情報化によって仕事とプライベートの混在が進むとワークとライフの差がなくなってきています。


 そのためには、ストレスレスな環境で働ける環境を整えていくことが重要なり、余暇をエンタメで潰すのではなく、ワークを余暇のように行うことが理想になります。

仕事と生活の境目がなくなりワークアズライフに近づいていきます。

超AI時代に社会はどう変化してくのか

 これまでの社会は限られたパイを奪うため、人と競争し勝つことが目的になりました。 

 しかし、多様化が進みニッチな部分のパイが増えれば、全員が違う方向を見ていても社会がなりたつようになります。

 競争は選ぶ側の選択コストを小さくし、選ばれる側のモチベーションを上げるメリットがありますが、思考的な多様性が少なくなる欠点があり、多様化した社会ではデメリットが目立つようになります

 相対的な価値ではなく、絶対的な価値を高めること、全員が違う方向を向いてもよいというマインドセットを持つことが必要になります。多様性を意識することでブルーオーシャンを見つけやすくなります。

社会の多様化が進むことでみんなが同じ方向を向いて競争するのではなく、違う方向を向いていても社会が成り立つようになっていきます。

多様化する社会ではなにが必要か

 信仰は宗教のことだけでなく、自分にとって価値基準や絶対的なものです。多様化した社会では価値を決める人が特定の人でなく、価値観も多様化するため信仰がないと、どのように価値を決定していいか判断できなくなってしまいます。

自分にとっての絶対的な価値基準を持つ=信仰を持つことが多様化した社会で必要となります。

超AI時代に差がつくのはどんな部分か

 合理的で画一的で受容される利便性は、すぐにプラットフォームに吸収されてしまいます。

 合理的で画一的でないことをやろうとすると見つけやすいのは趣味性のなかになります。また、コンピュータは趣味性を持たないため、仕事になる趣味を持つことがおすすめです。

合理的で画一的なものでは差がつかないため、合理的で画一的でないもの=趣味性を持つものが重視されるようになっていきます。

仕事と向き合う上で考えるべきことは何か

 ギャンブルはうまくいくかいかないかどきどきし、報酬があることではまりやすくなっています。

 仕事の中にもギャンブル的な要素はあり、どこがギャンブル的か知ることは自分の中で何に報酬を感じているかを知ることができます

 報酬にはギャンブル要素以外にもコレクション要素や五感に訴える心地よさの要素があります。

 何に報酬を感じるかやその報酬がどのような要素かを知ることが、遊びや趣味性で人生をデザインしていくうえでのキーワードとなります。

仕事のなかで自分がどこに報酬、気持ちよさを感じるかを把握することが趣味性を高めるためにも必要となります。

超AI時代に学ぶことはどう変化しているのか

 インターネットの発達で他人がやったことはすぐに学習、コピーできるようになり、新しい技術を取り込み続ける必要が出てきました。

 技術のコモディティ化は指数関数的に進んでおり、効率的に新しいものを学ぶこと、全員が違う方向を向くことが重要となります。

インターネットの発達で他人がやったことはすぐに学習、コピーできるようになったため、新しい技術を取り込み続けることが重要です。

なにを機械に任せるべきか

 時間は唯一のリソースのなりうるため、不必要な作業を減らし、時間を作ることの重要性は増しています。
 モノゴトの中間工程の調整は今後コンピュータが担うようになっていくので、中間工程の仕事をしている人はコンピュータに代替されてしまう可能性も有ります。

ものごとの中間工程はコンピューターが担っていくようになります。

機械の苦手なことはなにか

 合理性では人間は機械に勝つことは難しくなります。

 ある問題にフレームがあればゴールにたどり着くのは機械のほうが速いです。非合理的なものを基本とするスタンスをもち、問題解決のための合理的なことと、非合理的なことを切り分けることで人生が豊かになります。

 機械は具体的な指令が大事だが、人間にはなぜやるのか、どのような結果になるのかなどの抽象的な指令が必要になります。

 機械から人、人から機械という発注がぐるぐる回っていることも多いので、具体的→抽象的と抽象的→具体的の変換を意識し、どちらが得意か知っておくも重要です。

機会は非合理的なことや抽象的なものが苦手なのでその分野を人間が行うと有意義といえます。

特に具体的⇔抽象的の変換のどちらの向きの矢印が得意か知っておくことも有効です。

情報へのアプローチはどう考えるべきか

 昔は新聞やテレビなどのマスメディアの情報が世界の情報で、メディアにない情報を取りに行くことは非常に重要でした。

 しかし、SNSなどで全員が発信者になるとマスメディアにない情報も簡単に知ることができるようになっりました。自分の専門分野はマスメディアだけでない情報アプローチが必要になっています。

 ある項目を暗記することで、人がコンピュータに勝つことはありません。これからは完全に覚えているのではないが、検索できるくらいの知識量を持って置くことが大事になる。

 おぼろげにリンクがついているような状態が理想で、おぼろげなものが重なったときにどうなるか想像することは人間にしかできなません。

 Siriは○○ってなんだっけという質問には答えてくれるが、次に何をすべきかは教えてくれません。
 スペシャリストであることは前提で、そのなかで他の領域にもおぼろげにリンクがついていると多角的な人材となりコンピュータにも代替されにくくなります。

ある分野のスペシャリストであることが前提で、そのほかの領域についてもおぼろげならが知っていることで、脳内で結びつき新しい発想へとつながっていきます。

ストレスの要因を知ることを意識する

 ストレスフリーな状態が理想的で、全ての悪習はストレスに起因しているとさえ感じます。筆者はストレスのたまる原因を主体性を追い求めすぎることにあると考えています。

 仕事でたまったストレスを他で解消するのではなく、仕事でたまったストレスを仕事の別の場面で解消するように循環させることが理想となります。

 そのためにも自分の仕事のどこでストレスがたまり、どこで解消できるかを明確にするとよい。

仕事のストレスは仕事の別の場面で解消できることが理想的です。

我々の社会はディストピアに向かっているのか?

 テクノロジー変化は私たちに身体はタンパク質コードによる有機的機械であり、心もやがて記述可能な関数であり、人が世界を観察可能な唯一の知性ではないことを求めようとしています。

 この変化に抵抗がある人も多く、テクノロジー恐怖症を持ってしまいます。 

 ミレニアル世代は共通のプラットフォーム上で同じツールを使い、機械翻訳で違う言語を同じ意味で語ることもできるようになり、世界の問題を解決するようになります。

 この流れを恐怖症を持つ人が分断することがないことを望まれます。

 根拠のない不安が生み出す悲観的なディストピアよりもテクノロジーの流動性がもたらすプロトピアの方向に向かっていくべきです。筆者は社会が次にシステムに適応し、受け入れることを許容していけるように祈っています。

悲観的なディストピアには根拠がなく、テクノロジーの流動性がもたらすプロトピアの方向に向かっていくべきです。テクノロジーの発展と変化によって分断が起きないことが望まれます。

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