本の要点
不老不死は人類に永遠の夢であり、多くの人が願ってきたことです。
医療や栄養状態の改善で、健康寿命がは大きく伸びていますが、最大寿命はあまり伸びていないことから不死については実現のめどは全く立っていません。
一方で、予防研究への投資や老化予防のための企業の設立が相次いでいることもあり、老化のメカニズムや老化の影響を抑える方法の理解は少しづつ進んでいます。
さらなる技術の発展と研究の進行によって、老化を病気のように治療できるようになる可能性も出てきています。
老化を防いだり、その影響を減らし、健康寿命をのばす方法として注目されているものには以下のようなものがあります。
・老化細胞を維持させる酵素の抑制
・オートファジーの活性化による老化細胞の除去
・ハダカデバネズミなど長寿で老化しないの動物の遺伝子を解析し、長寿遺伝子を探す
・細胞を未分化させ、不死を実現しているベニクラゲのメカニズムの解明
・老化、寿命を制御する酵素であるサーチェインの働きを助けるNADを増やす
・ゲノムのうち、寿命に関連する部分の、どの部分を読み取るか=エビジェネティクスを変える
一方で、老化を病気と捉えるようになれば、社会や医療の在り方を大きく変える必要がある点や遺伝子操作の倫理的な問題など技術以外での懸念も存在しています。
また、これらの技術で臓器を変えることができても脳の神経細胞を取り換えることはできません。
脳にはわからないことも多く、もしこの先神経細胞を取り換えることができたときに不死を実現できるのか、その人として生き続けることができるのかなどはわかっていません。
老化について多くのことが明らかになりつつありますが、根本的解決ができているわけではありません。
そのため、現状では健康寿命を伸ばすことを目指すしかありません。
老化を防ぐと聞くと、新しい知見を求めがちですが、普段の生活で長寿につながるとされているのは、睡眠、食事、運動、体系維持など当たり前と言われることをいかに守れるかということです。
また、健康寿命が伸びても、幸福な老後を送ることは難しいものです。
学び続ける、会話によるコミュニケーションをする、主体的幸福感を持つなど精神的な面に着目することも幸福な老後を送るためには欠かせません。
この本や記事で分かること
・老化の研究はどこまで進んでいるのか
・老化の影響を少なくする科学的に効果のある方法は何か
人類に不老不死は可能なのか


人類は長年、不老不死を追い求めてきました。
現在の技術でも不死を実現できる見込みはありませんが、老化のメカニズムや対処法は少しづつ明かになり、不老に近づいています。
老化を防ぐにはどうすれば良いのか


様々な方法で老化を防ぐ方法が研究されています。
老化の研究は始まったばかり出会い、さらなる進化が期待されています。
一方で、老化を病気と捉えるとなると社会や医療を大きく変化させる必要があります。
老化克服の課題は何か


臓器など体のパーツを取り換えることは現実味を帯びてきましたが、脳の神経細胞を取り換えることはできません。
それでもアルツハイマー型認知症の予防や治療で寿命をのばすことができる可能性はあります。
神経細胞を取り換えることができるようになれば不死を実現できるのか


脳にはわかっていないことも多く、仮に神経細胞を取り換えることができても、それで不死を実現できるかはわかりません。
また、神経細胞を取り換えることでその人と生き続けるといえるのかという疑問もあります。
コンピュータに記憶をアップデートする方法もありますが、そのような社会が幸福といえるのかも議論の分かれるところです。
今、老化を防ぐためにできることは何か


研究は進んでいますが、根本的な解決ができたわけではありません。
現状では睡眠や食事、運動など当たり前といわれる生活習慣の改善で健康寿命をのばすことが有効です。
幸福な老後を送るにはどうすれば良いのか


幸福な老後を送るには
学ぶこと、コミュニケーション、主体的幸福感を持つことが大事です。
長寿社会が希望となるかは人間の叡智にかかっているといえます。
本の要約
不老不死は人類に永遠の夢であり、多くの人が願ってきたことです。
死は避けられないとしても、少しでも老化を防ぎたいと考え、老化予防研究への投資や老化予防のための企業の設立が相次いでいます。
この流れは科学の発展で、これまで多くの謎に包まれていた老化のメカニズムと対処法が少しづつ明かになり始めたことで加速しています。
老化はDNAに傷がつき、蓄積し、細胞が正常な働きができなくなることでおきています。今のところ人間の最大寿命は120歳程度と考えられています。近年、平均寿命は大きく伸びていますが、最大寿命は延びていないため、現状では最大寿命をのばすことは難しいと考えられています。
一方で、健康寿命は近年、栄養状態や医療の発展で伸びてきたため、今後も技術の進歩出さらに伸びる可能性があります。
老化を防いだり、その影響を減らし、健康寿命をのばす方法として注目されているのは以下のようなものがあります。
・老化細胞を維持させる酵素の抑制
・オートファジーの活性化による老化細胞の除去
・ハダカデバネズミなど長寿で老化しないの動物の遺伝子を解析し、長寿遺伝子を探す
・細胞を未分化させ、不死を実現しているベニクラゲのメカニズムの解明
・老化、寿命を制御する酵素であるサーチェインの働きを助けるNADを増やす
・ゲノムのうち、寿命に関連する部分の、どの部分を読み取るか=エビジェネティクスを変える
これらの手法には他の動物と人間で同じことができるのかという技術的な問題はありますが、この先も、老化、寿命のサイエンスはさらに進化していくものと思われます。
ただし、老化を病気と捉えうることになれば、社会や医療の在り方を大きく変える必要がある点や遺伝子操作の倫理的な問題など技術以外での懸念も存在しています。
臓器など体のパーツを取り換えることができれば、老化を防ぐことができる可能性はありますが、現状、脳の神経細胞を取り換えるようなことはできません。
一方で、長寿の人にはアルツハイマー型認知症を引き起こす遺伝子のタイプが少ないことが分かっており、アルツハイマー型認知症の予防や治療が可能になれば、寿命をのばすことができる可能性もあります。
また、脳のタンパク質のごみなどの老廃物を除去することなどで、認知症を防ぐことも検討されています。
ただし、脳の機能はわからないことも多く、神経細胞を取り換えることができるようになったとしても、不死を実現できるのか、その人として生き続けることができるのかなどはわかっていません。
コンピュータに記憶や意識をアップデートし、バーチャルの世界で生きるという手もありますが、現実的に可能なのか、そもそもそのような社会が幸福なのかという問題があります。
老化について多くのことが明らかになりつつありますが、根本的解決ができているわけではないため、現状では健康寿命を伸ばすことを目指して生活するしかありません。
普段の生活で長寿の生活習慣として明らかになっているものとしては、
・適切な睡眠時間を確保し、睡眠不足を防ぐ
・自分の体内時計を把握し、それに従った生活をする
・禁煙、過度な飲酒を避ける、休肝日を設ける
・塩分過剰を避ける、野菜、大豆、魚中心のバランスの良い食事
・運動をし、太りすぎず、やせすぎない
・社会的なつながりを維持する
老化を防ぐと聞くと、新しい知見を求めがちですが、まずは当たり前と言われることをいかに守れるかが重要とされています。
また、老後が長くなっても幸福な老後を送ることは難しいものです。主体的、能動的に学ぶこと、会話によるコミュニケーション、自分が幸せかを感じる主体的幸福感を持つことで老化を防ぎ、幸福な老後を送ることができるようになります。
人類が経験したことのない長寿社会の影響が今後どうなっていくかはまだわかりません。長寿社会が希望となるのか破滅への道となるかは人間の叡智にかかっています。
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