本の要点
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンからなるGAFAは巨大IT企業として市場の頂点に君臨しています。
それぞれのサービスはその利便性の高さからも多くの人が利用していますが、その一方で、様々な問題も巻き起こしています。
その影響力から巨大IT企業に対抗できるのは国家、政府だけですが、巨大IT企業が対策していることもあり、国家による規制は成果をあげられていません。
多くの人が、巨大IT企業の影の部分を理解しておく必要があります。
GAFAそれぞれで業態やサービスは異なりますが、市場で大きな力を持っていることは間違いありません。
一方で、市場で大きな力を持ち、それぞれの企業による市場独占が進んだことでは様々な問題を生んでいます。
・自社への依存を盾にした取引先からの搾取
・資金力を生かした有望なスタートアップのキラー買収によるイノベーションの阻害
・膨大に保有するデータの取り扱いの不透明さ
これまで、イノベーションの象徴のように見られてきた巨大IT企業ですが、その大きな影響力と豊富な資金力は新たなイノベーションを生みだすために使われるのではなく、自社を守ることに使われています。
これまで、アメリカではできる限り市場への介入避け、自由な競争を促すことが独占による問題の解決につながると考えてきました。
しかし、現状を見る限り、GAFAの拡大、独占が進んでいる状態では、競争が起きておらずこのままでは、消費者、利用者の利益を確保することはできません。
そのため、新たな規制、キラー買収の否定、企業分割などによって独占による問題を解決ようとする動きも見られています。
GAFA側は多額の献金やロビー活動を活発化させ、規制をGAFAに有利にするなどの対抗も見せています。
政府の言うことがすべて正しいわけではありませんが、巨大IT企業が「第5の権力」になったといわれる中で、せめて政府、国家による監視がなければ、巨大IT企業の暴走を止めることはできません。
この本や記事で分かること
・GAFAのよる様々な問題
・GAFAと政府の攻防
・政府による規制、監視の必要性
今、GAFAはどのような状況なのか


多くのイノベーションで市場をけん引してきたGAFAが巨大IT企業として、市場の頂点に君臨しています。
多くの人が利用しているものの、多くの問題点も指摘され始めており、多くの人がその問題点を知っておく必要があります。
アップルはどんな問題を起こしているのか


アップルはそのプロダクトで多くの人を魅了していますが、独占的な地位を利用したアプリストアの手数料の高さが問題視されています。
フェイスブックは何を問題視されているのか


多くの利用者につながりを提供したフェイスブックには、膨大なデータをもとにその人の行動をコントロールしているのではという疑いや利益を優先するあまり、依存症や安全性の確保を怠っているのでは?という疑念を持たれています。
また、インスタグラムのような自社サービスのライバルになりうる会社を買収してしまうことで、イノベーションを阻害しているのでは?とも考えられています。
アマゾンの問題はなにか


通信胚倍の大手として、多様なサービスが好調なアマゾンも、独占的な地位を活かし、出店者への低価格の強要が問題視されています。
グーグルは何を問題視されているのか


検索や各種サービスを提供しているグーグルの問題は、集めた情報の取り扱いの不透明さやデータを利用した思想のコントロールが問題視されています。
GAFAの市場支配の弊害に対抗する術はあるのか


市場を独占しているGAFA問題は以下のようなものです。
・独占的な地位を活かした取引先からの搾取
・スタートアップ買収によるイノベーションの阻害
・データ取り扱いの不透明さ
GAFAに対抗できるのは国家だけです。
国家はGAFAとどのように対抗しているのか


GAFAに対する規制は主に反トラスト法、独占禁止法になります。
これまで、自由な競争が独占問題を解決すると考える人が多いアメリカでも、GAFAによる独占がなされた市場では競争が起きていないため、規制が必要とする人は増加しています。
具体的には、キラー買収の否定や企業の分割を求める動きが加速しています。
GAFAはどのように対抗しているのか


このような規制に対し、GAFAは多額の献金や豊富な資金を活かしたロビー活動で対抗しています。
豊富な資金と経験を持つ人材を雇っているGAFAに国家が対抗できるのかは不透明ですが、巨大IT企業の暴走を府すぐためにも国家による監視は不可欠です。
本の要約
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンからなるGAFAは巨大IT企業として市場の頂点に君臨しています。
それぞれのサービスはその利便性の高さからも多くの人が利用していますが、その一方で、様々な問題も巻き起こしています。
特に市場を独占しているのでは?という疑念は常にGAFAに向けられています。
独占禁止法などでGAFAを取り締まるべき国家側が規制する動きも加速していますが、GAFAの側も規制がなされないようにしっかりと対策をしてきています。
便利なサービスの裏で本当は何を起きているのか、多くの人が巨大IT企業の影の部分を理解しておく必要があります。
アップルはiPhoneをはじめ、高いデザイン性と優れた操作性や機能で多くの利用者を魅了しています。
アップルの影はアプッルストアの手数料の高さです。アップル製品でアプリを使用する場合は必ず、アップルストアを介す必要がありますが、その際に30%の手数料を取っています。
政府からストアの開放を求めらることもありましたが、アップルはプライバシーやセキュリティに懸念があるとして拒否を繰り返しています。
フェイスブックは社名をMetaに変更し、メタバースに力を入れていますが、現状では詳細な個人情報を活かした精度の高いターゲッティング広告に強みを持ち、広告事業が売り上げの97%を占めています。
一方で、集めた個人情報の取扱いで批判にさらされることも少なくありません。個人情報をもとその人の行動を操作しているのでは?という懸念は大統領選挙でも取り上げられています。
若年層の依存症や安全性よりも利益を優先しているのではという懸念も大きなものです。
また、インスタグラムの買収のように自社のライバルになりそうな新興企業を抹殺するためのキラー買収が反トラスト法(独禁法)にに当たるのではという疑念も持たれています。
アマゾンは通信販売からプライムビデオなどの動画配信、AIスピーカーなど多様なサービスを提供し、多くの利用者を得ています。
一方で、出店者へ低価格を迫り、従わなければ表示順が下げるなどプラットフォーマーとしての地位を悪用しているのではという疑念もあります。
また、好調な商品をアマゾン自らが販売したり、プライベートブランドして製造することで出店者を追い込んでいることも報告されています。
そのほかにも倉庫作業員の過酷な労働環境を問題視されることも少なくありません。
グーグルは検索分野で圧倒的なシェアを持つ企業であり、他にもアンドロイド、クロームやグーグルマップ、Gメールなど利用者が10億人を超えるサービスを複数所有しています。
その情報量、位置情報、検索結果などの利用者のデータの広告への利用によるプライバシーの侵害やデータ利用した思想のコントロールが懸念されています。
また、アップルへ1兆円以上を支払い、グーグルの検索を初期設定にすることや検索結果で自社サービスを有利にするなどの行為が反トラスト法にあたる独占的行為との見方も強まっています。
GAFAそれぞれで業態やサービスは異なりますが、市場で大きな力を持っていることは間違いありません。独占が進んだことは以下のような状況を生んでいます。
・自社への依存を盾にした取引先からの搾取
・資金力を生かした有望なスタートアップのキラー買収によるイノベーションの阻害
・膨大に保有するデータの取り扱いの不透明さ
近年のアメリカの反トラスト法ではシカゴ学派と呼ばれる学派が主流となっています。シカゴ学派は市場への介入を減らし、企業に自由な競争をさせることで独占問題を解決すべきと考えています。
しかし、GAFAの拡大、独占が進んでいる状態ではこのような考えでは競争が起きず、消費者、利用者の利益を確保できないとする考えも増えています。
実際に、GAFAの経営内容への提訴やキラー買収の否定、分割を迫るなどの動きも加速しています。
しかし、豊富な資金力を生かし、多額の献金やロビー活動を活発化させ、規制をGAFAに有利にするなどの対抗も見せています。
利用者や取引先から多くの利益が上げられるように、精巧なビジネスモデルを組み立て、ビジネスを邪魔しようとする政府にはロビー活動で抵抗している状態は市場では仕方のないことでもあります。
政府の言うことがすべて正しいわけではありませんが、巨大IT企業が「第5の権力」になったといわれる中で、せめて政府、国家による監視がなければ、巨大IT企業の暴走を止めることはできません。
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