2025年を制覇する破壊的企業 山本康正 SB新書 要約

本の概要

テクノロジーの進化がビジネスや生活に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

本書では、GAFAと先端テクノロジーを持つ11社を分析することで未来予測を行っています。

ベンチャーキャピタリストという立場から、技術が実際に顧客に受け入れられるのかを考え、それぞれの企業がどのような思惑をもち、どのようなビジネスを行っているのかを知ることができる本になっています。

この本がおすすめの人

・GAFAの取り組みを知りたい

・テクノロジーの進化予測を知りたい人

本の要約

要約1

イノベーションの予測は難しいものですが、業界を破壊するようなイノベーションはテクノロジーによって起こることが多くなっています。

そのためGAFAなどのテクノロジー企業の動向を知ることで、今後起きるイノベーションを予測することができます。

2025年を予測することで、企業やビジネスパーソンが生き残るには何が必要か学ぶことができます。

要約2

GAFAは自社の脅威になりそうなテクノロジー企業を小さいうちに買収するなどして、優位を保っています。

各社に共通しているのは、自社のサービスの利点を生かし、異分野や他業種への進出を加速している点です。

GAFA以外の企業でもネットフリックスやテスラなどの企業にも注目すべきです。注目企業のほとんどはアメリカの企業です。

BATHなどの中国企業も勢いがありますが、中国内へ最適化されており、世界への進出は困難とみられています。

要約3

これらの企業は以下のような形で社会を変えていきます。

1.異業種進出での業界の壁の破壊、コングロマリット化

2.ハードやソフトの提供から体験の提供への変化

3.データ活用の重要性の増加

顧客のデータを集め、それをもとに良い体験を提供できなければ、異業種に参入したテック企業にシェアを奪われてしまいます。

要約4

テック企業の異業種進出によって多くの企業が危機に陥る可能性があります。特にプロダクトにこだわっている企業に対し、プロダクトで利益を出す必要のない企業が進出した場合に大きな危険となります。

アメリカ企業は自国で成功したサービスを海外でも展開するため、アメリカ企業の動向には注意を払うべきです。

個人では常に新しい情報を学び、一定レベルの情報やノウハウを幅広い分野で身に着けておくことが欠かせません。

イノベーションはどのように予測できるのか

 ベンチャーキャピタルとしてアメリカのテクノロジーに精通している筆者が、本当の未来予測を届けるために書かれた本になっています。
 
 業界を破壊するようなイノベーションはテクノロジーによって起こりやすいため、GAFAを脅威となりそうな企業を小さいうちに買収し囲い込んでいます。

 GAFAと界隈のベンチャー、GAFAの持たないテクノロジーを持つ11企業に注目することで、2025年を予測し、企業やビジネスパーソンが生き残るにはどうすれば良いのかを紹介しています。

GAFAやその界隈のベンチャー企業に注目することで、今後起きるイノベーションを予測することができます。

近年のGAFAの状況はどう変化しているのか

グーグル:検索で得たデータを基に新しい事業に進出

 200社以上の企業を買収し、検索で得たデータを基にする様々な事業に進出しています。

  新しい事業からもデータを取得し、人工知能に読みこませ、より個人の嗜好に合ったサービスの提供を進めていく動きをとっています。

アマゾン:リアルにも進出し、購買や検索データを取得

 アレクサをガソリンスタンドなど街中にも進出させ、購買、検索データを取得しています。

 購入履歴から与信判断を行う可能性もあります。顧客ファーストで多くの事業を行い撤退も早いことが特徴です。

フェイスブック:買収によって常に新しいサービスを提供

 人とのつながりを重視した戦略をとっています。インスタグラムの買収のようにつねに若年層に飽きれないような戦略を繰り返しています。

Apple:iPhoneへの取り込みを加速

 アップルカードでの金融事業への進出などでハードウェアだけでなく、サービスカンパニーとしても存在感を出しています。

自社のサービスの利点やを活かし、他業者への進出を考えた買収や新サービスの展開を図っています。

GAFA以外の企業の動向はどうなっているのか

ネットフリックス:他の動画サービスに比べレコメンド機能に優れる

 他の動画サービスと比較し、レコメンドの機能に非常に優れています。

 現在はデータを分析し、その人に合った動画を推奨していますが、将来的にはその人に合ったストーリー展開を提供する可能性もあり得ます。

マイクロソフト:サブスクリプションの導入で復活

 政府のクラウドシステムの受注も狙っています。

 一次は低迷していましたが、サブスクリプションの導入で大きく業績が回復しています。

テスラ:エネルギー問題の解決を目標とした会社

 電気自動車を販売している会社ではなく、エネルギー問題を解決する会社というスタンスであり、電気自動車以外にもソーラー発電なども手掛ける。
 電気自動車では車輪にコンピュータをつける従来の自動車メーカーと違い、コンピュータに車輪をつけるイメージを持っています。

インポッシブル・フーズ:代替肉で食肉の弱点を覆す

 大豆による代替肉で大革命を起こすと注目されています。

 ベジタリアンが肉を食べない理由は動物を殺すことに抵抗を持つことです。誰でも食べられる、環境負荷が小さい、価格も安いなど多くの利点がある代替肉に着目しています。

ロビンフッド:手数料0の投資会社

 集めたお金で証券会社から株を購入し、証券会社から手数料を取ることで利用者からの手数料0を実現しています。

 スマホで完結可能、レコメンデ―ションを提供している点も有効とみられています。

クラウドストライク:クラウド上でのセキュリティ

 インターネットのセキュリティをクラウド上で行うことで、プライベートの機器を使用しても、セキュリティ対策が可能になります。テレワークの推進で大きく注目されています。

ショッピファイ:企業のECサイト開発と運営を手掛ける。

 企業がインターネットで販売するために必要なことを代行します。アマゾンや楽天から多くの企業が離脱し、自社のECサイトを立ち上げてるきっかけになっています。

 11社はほとんどアメリカ企業です。BATHなど中国企業の勢いもありますが、中国内に最適化されており、世界への進出は困難とみられています。

これらの企業はどのように社会を変えていくのか

 これらの企業は以下の3つの形で社会を大きく変革していきます。

1.業界の壁の破壊、コングロマリット化


 1つの業種で得たデータで他の業界の進出し、1企業で多くの業界に進出する形が加速していきます。

 クラウドの登場でハードウェアの性能の重要性が下がり、ソフトウェアさえ開発できれば他の業界にも参入しやすくなってきます。

 スマホのカメラが多くのカメラ企業を撤退させた様な変化が多く起きます。モビリティによる自動運転、小売り事業のEC化、ヘルスケア製品のデータ取得を活かした、医療機器、保険業界への進出などが考えられます。

  ソフトウェアに優れた企業が進出するため旧態依然とした企業はシェアを奪われる可能性が高くなっていきます。

 アップルのカード事業はiPhoneへの誘導、アマゾンの端末が安いのも端末で利益を得る必要がなく、端末を使いデータや買い物をしてもらえればよいため。

 あるサービスが データを取得できたり利益の取れるものに誘導できるよい場合、そのサービスで利益を得る必要はなくなります。利益度外視で他分野に進出できることは既存企業にとっては脅威となります。

2.ハードやソフトの提供から体験の提供への変化

 データの取集によりその人個人に合った提案をすることが可能になります。

 ソフトウェアのアップデートとハードウェアの買い替えサイクルを短縮化でハードウェアの性能の重要度が減少している。
 さらに今後はソフトウェアの進化以上にどんな体験を提供できるかが重要となっていきます。

3.データを制する者が未来を制す


 様々なデータを収集することだけがサービスの質を高め、多くの業種に進出し顧客より良い体験を提供する鍵となります。

 データを集め、解析し、改善することが顧客により良い体験につながっていきます。

 GPSによる位置情報、アプリのダウンロード、決済など多くの情報をスマホから集め、解析することで顧客体験を高めることができます。

 多くの会社が自社のアプリに誘導するのはプラウザ上では全てのデータがグーグルに流れるが、自社のアプリのデータであれば入手できるためです。

 顧客のデータを集め、それをもとに良い体験を提供できなければ、異業種に参入したテック企業にシェアを奪われてしまいます。

GAFAやそれ以外の注目企業は以下のような点で社会に大きな変革をもたらします。

1.業界の壁の破壊、コングロマリット化

2.ハードやソフトの提供から体験の提供への変化

3.データの重要性の増加、データを制する者が未来を制す

データの収集と、どのような他者と差別化できる体験を提供できるかを考える必要があります。

企業と個人に必要なことは何か

 これまで顧客との接点は、店舗やポイントカード程度でしたが、インターネット、スマホによって24時間いつでも顧客と接触することが可能になります。

 利益度外視で他業種に進出すると、多くの企業が危機に陥いります。特に小売り、エネルギー、金融、ゲーム、家電、モビリティ、対面だけの教育などの業界は進出される可能性が高く、厳しくなっていきます。

 個人では英語、ファイナンス、データサイエンス、プログラミング、ビジネスモデルを読むことのスキルが重要となります。
 
 淘汰される業界にいてもいなくても会社に依存するのは危険です。

 いつまでも同じ領域に留まることなく、常に新しい情報を学んでいくことで、スペシャリストほどレベルが高くなくてもよいので、一定レベルの情報やノウハウを知っていることがことが大きな差となっていきます。
 そのためにも多くの人と会ったり、多くの人と接点を持つストラクチュアル・ホールを目指すことが大事になります。

企業では顧客との接点を増やし、データの収集→より良い体験を提供することが不可欠です。

個人でも常に新しい情報を学び、幅広い分野で一定レベルの情報やノウハウを知っていることが大きな差になります。

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