この本や記事で分かること
・鏡像異性体とは何か
・不正中心、キラル、アキラルなど鏡像異性体に関する用語の意味
・分子がキラルかどうかの見極め方
鏡像異性体とは何か
炭素は4つの元素と結合することが可能です。
炭素が3つの水素と一つの異なる原子Xと化合したCH3Xを鏡写しにした化合物は元の化合物と重なり合わせることができます。
しかし、炭素が4つの異なる分子と結合している場合、その化合物を鏡に映した化合物はどのようにお回転させても、元の化合物と重ね合わせることはできません。
このような、鏡像分子を右手と左手のように重ねあわせることのできない場合、それぞれの化合物は鏡像異性体(エナンチオマー)と呼ばれ、それぞれの化合物は対掌性を持つといいます。
対掌性は、有機化学において、とても重要な役割を果たしています。

鏡像異性体であるかはどのように見分けるのか
乳酸(2-ヒドロキシプロパン酸)は炭素の、水素、カルボン酸、メチル基、水酸基の異なる4つの官能基を持つ化合物で、それぞれの鏡像はどのように回転させても、重ねあわせることはできません。
乳酸のように鏡像異性体を持つ化合物はキラルであると呼ばれます。
キラルであるかは分子に対称面があるかどうかで予測ができます。分子の一方がもう一方の鏡像となるような対称面を持っていれば、鏡像同士を重ねることが可能であり、そのような分子はアキラルとよばれます。
例えば、プロパン酸はメタンの2つの水素がメチル基とカルボン酸に置換された化合物です。水素を両側に開いたような構造を考え、縦に線を入れると、両側を重ねることが可能であるため、対称面をもっているといえます。
一方で、対称面のない分子は対称面をもっておらず、鏡像を重ねることができません。

メチルシクロヘキサンはキラルなのか
多くの場合、有機分子でキラリティーが生じる要因は炭素に4つの異なる置換基が結合しているときであり、そのような炭素のことをキラル中心、不斉中心などと呼ばれます。
炭素が不斉中心を持つかは一見しただけではわからないこともあります。
メチルシクロヘキサンでは、メチル基の結合している炭素は一見4つの異なる官能基と結合しているように見えます。
しかし、シクロ環のあるCH2は等価であるため、アキラルな分子となります。実際にメチルシクロヘキサンを横から見たように記述すると対称面を持っていることが分かります。

2-メチルシクロヘキサノールはキラルなのか
もし、メチル基の結合している炭素の隣の炭素に水酸基が結合した2-メチルシクロヘキサノールの場合には、メチル基の結合している炭素は等価でない4種類の官能基と結合しているため、キラル中心であり、2-メチルシクロヘキサノールはキラルな化合物となります。

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