お金の未来 山本康正 ジェリー・チー 3分要約

3分要約

未来のお金はどうなって行くのか

ビットコイン、暗号資産、NFTなどの新しい概念でお金が激変しお金の常識が変化している。

 クレジットカードや決済アプリはキャッシュレスを可能にしたが,ブロックチェーン技術はまた新しい概念をもたらしている。

ブロックチェーンは何をもたらすのか

 これまでの通貨や銀行などのシステムは管理がいる中央集権型だったが、ブロックチェーンで多数の人が取引を記録するようになることで管理者を置かない非中央集権型のシステムを使用することができる。

なぜ非中央集権型が必要なのか

 現在の仕組みは中央政府が力を独占していたり、法定通貨を用いていてもリーマンショックのような不備が発生することがある。

 非中央集権化が進むと個人の力が強くなり、民主化が進むことができる。

ビットコインや暗号資産の現状は

 一部の国では規制さているが世界中にローコストで送金が可能になるなどのメリットも大きい。

 一方で現在は投機的な部分が目立ち、価格変動が大きすぎる面があるのも事実。

新しい技術とどう向き合うべきか

 新しい技術には胡散臭さはつきもの。インターネットも初期では、怪しいさを感じる人も多かったが、徐々にできることが広まることで多くの人が利用するようになった。その前にどのような技術であるかを理解しておくことで大きな利益を受けることができる。

 法規制が追いつかない部分もあるが、成長を促すような仕組みを作っていく必要がある。

お金の概念が変はどう変化しているのか

 ビットコイン、暗号資産、ブロックチェーン、NFTなどの新しい概念でお金が激変している。お金が激変し、私たちにとっての当たり前も変化し、常識が覆されている。

 お金の概念を変えているキーワードは非中央集権化。非中央集権化はお金だけでなく社会全体や人間生活のあらゆるシーンに関わる話でもある。

 お金の変化のもたらす意味やインパクトと個人がより力を持つことができる時代へ変わりつつあることを実感できる本になっている。

お金の非中央集権化が進み、個人がより力を持つことができる時代に変わりつつある。

変化を可能にしているのはなにか

 クレジットカードや決済アプリなどすでに多くの選択肢があるにも関わらず、暗号資産は大きな注目を浴びている。

 暗号資産には、決済が一瞬で可能、国内外で送金のやり方が変わらない、匿名での送金が可能などのメリットがあり、これらは従来の金融機関による中央集権型からブロックチェーンを用いて分散化した非中央集権型への変化によって可能になっている。

 多くの人はブロックチェーンやビットコインの革新性にピンと来ていないが、インターネットも初期にその価値を理解していた人はほとんどいなかった。今、インターネットが当たり前になっているように、分散型の金融システムが当たり前になる未来が来る可能性が充分にある。

暗号資産で用いられるブロックチェーン技術による分散化が非中央集権化を可能にしている。その価値はまだ十分に理解されていないが、当たり前となる可能性は充分にある。

暗号資産はお金の代わりとなるのか

 お金には3つの役割がある。

1.交換、取引手段:お金を何かと交換する

2.会計や計算の単位:違うものの価値を比較できる

3.価値の保存手段:銀行に預けるなど、価値を貯蓄する

 ビットコインは初期は取引手段としての利用が主だったが、現在は価値の保存手段としての機能が求められており、デジタル版の金と呼ばれることもある。

 今は価値変動が大きく、価値の保存手段として問題点も多いが、金と違い物理的なものでないなど保存に適した性質を持っている。

暗号資産はお金の3つに役割を果たすことできるため、お金に代わる可能性がある。現在は価値変動が大きすぎるが、物理的なものが不要という特徴を生かすことのできる可能性も大きい。

ブロックチェーンはなにをもたらすのか

 新しい技術にある程度のうさん臭さがあるのは当たり前のこと。徐々に洗練されて多くの人が利用するようになる。暗号資産についても不安を感じても、今のうちから仕組みやインパクトを理解しようとすることで多くの利益を享受することができる。

 ブロックチェーンを用いた非中央集権はWeb3.0とも呼ばれる新しい時代をもたらし、個人の力を強くするためそれらを知っておくことは重要。

 多くの先進国では自国通貨を通じた影響力を保持するために暗号資産に積極的で無い場合も多いが、銀行網のない中南米やアフリカ諸国では一気に普及する可能性もある。

ブロックチェーンは非中央集権化を導き、個人の力を強くする。銀行のない中南米やアフリカで一気に普及する可能性もあり、今から理解しておくことで利益を得ることができる。

なぜ、非中央集権化は民主化、個人の力の増大可能にするのか

 現在の法定通貨の仕組みが、お金の一番理想的な形なのかという考え、既存のシステムの不満がビットコインを誕生させた。

 リーマンショックなどを起こしているため、現在の仕組みは完璧でないと考えたり、中央政府が力を独占しすぎていることへの反発がビットコインの誕生と普及につながっている。

 これまでの中央集権型のシステムは銀行などの金融機関がすべてを管理していたが、ブロックチェーンを持つ非中央集権型のシステムでは、関連する人すべてが取引の記録を行っており、全ての記録を改ざんすることには非常にコストがかかるため安全性が担保されている仕組みになっている。

 現在はまだ投機的な役割ではあるが、個人が機関より先に投資できる仕組みという意味でも画期的。民主化と個人の力の増大がこれまでのシステムとの大きな違い。

非中央集権化では関連するすべての人が取引を記録するため、改ざんが不可能になる。中央でコントロールする人がいなくなることで、中央政府などに偏った力のバランスがよくなり、個人の力が強くなっていく。

お金の非中央集権の問題点はなにか

 ビットコインはボラリティ(価格変動)が激しいことが問題視されており、安定した価格を実現するステーブルコインも誕生している。法定通貨を保有した企業が法定通貨を担保に暗号資産を発行する仕組みなどが用いられている、

 中央集権型に近づく形にはなるが、取引の敷居をさげ、取引量の増加につながっている。しかし通貨と連携すると暗号資産の動きが法定通貨を動かしたり、金融関連の法律の運用がしにくくなるため警戒している国も多い。

ビットコインなどでは価格変動が大きすぎる問題がある。法定通貨と連動する方法も検討されているが、法定通貨の値動きに影響があることで政府から警戒される、中央集権に近くなるなどの問題もある。

新しい技術をどうやって育てるべきか

 NFTは非代替性トークンと訳され、偽造不可能なデジタルデータであり、デジタルデータを唯一なものとして保有することを可能にする技術で大きな注目を浴びている。

 NFTは技術的にはそれほど難しくないため、多くの企業で参入可能なため経営人の医師が重要。ナイキがNFT企業を買収したり、マクドナルドが限定NFTをプレゼンとするなど海外では大企業でも進出が続くが、日本では意思決定の構造が身軽でなくなかなか新しいことに取り組むことができていない。

 NFTと暗号資産によってゲーム内で手に入れたお金やアイテムを本当に保有できるようになっている、ゲームが娯楽ではなく稼ぐ手段になる可能性があるようになっている。

 法整備が追いつかない、反発や詐欺などネガティブな面も見られるが新しい技術にこれらはつきもの。時間がたつにつれ良い使い方が目立つようになっていく。

 データに希少性を持たせることを可能した画期的な技術で、VRなどの技術とも相性が良いため、法規制が過剰反応にならず育てていく方向になると良い。

現行法で追いつかない技術には反発や詐欺などの新しい技術につきもののネガティブな面もある。法整備が追い付かない技術を育てていく姿勢ややり方が求められる。

非中央集権化はどうやって増えていくのか

 お金の未来を考えると非中央集権化の加速が重要なテーマ。これまで各国の政府は法制度を作りコントロールすることで社会に秩序を守ってきたため、非中央集権化を進めようとすると従来のシステムと軋轢が生じる。

 インターネットと同じようにできることが少しづつ広まっていけば、共存を目指す政府も増えるはず。

・中央集権型で必要な仲介、手数料が不要になる

・瞬時に送金できるなどスピードの向上、自動化、効率性の向上

・個人の力が強くなり、既存システムの問題点を改善しやすくなる

等の利点が広まっていくか、多くの人が利点を理解できるかが重要。

 お金は単なる手段で、紙幣や硬貨である必要はない。法定通貨にもインフレなどの問題もあり完璧ではないため、異なる手段を行ってみることの価値は充分にある。

各国の政府は中央集権化で社会の秩序を守ってきたが、非集権化の持つメリットが広がっていけば、共存を目指す国もふえるはず。

現行のお金の制度も完ぺきではなく、新しい手段を取り入れることの価値は十分にある。

感想

 ビットコインなどの暗号資産などお金の概念を変えるような技術が大きく発展しています。これらの技術の便利さはなんとなくわかっていましたが、本当に大きいのは単に技術が発展することではなく、これらの技術で非中央集権化が進むことだとよくわかりました。

 これまで世界の国は法定通貨など中央集権化で国を治めてきましたが、非中央集権化が進めば個人の力が強くなっていきます。

 新しい技術を早い段階で理解しておくことで利益を得やすいことはお金に関する技術に限ったことではありません。新しい技術にはデメリットもありますが、ただ怖がるだけでなく、どうやってメリットを得るかを考えることの大切さを知ることができる本でした。

 暗号資産などの技術は不完全ですし、デメリットもあります。しかし、現行の法定通貨も完璧なわけではありません。既存の技術から新しい技術へ移り変わる際にただ新しい技術を否定するだけではなく、新しい技術を少しづつ取り入れることを常に意識していきたいと思います。

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