40歳の壁をスルッと超える人生戦略 尾石晴 要約

本の概要

多くの人は40歳で残りの人生も今の積み重ねで良いのか迷ってしまいます。40歳での変化への戸惑いが40歳の壁となります。

仕事のやり方の限界、仕事期間の延長など40歳の壁は以前にもまして目立つようになっています。

40歳の壁を超えるためにはお金、つながり、健康の3つの要素を満たすことができ、裁量権とやりがいを持つことのできる仕事=自分業を持つことが効果的です。

自分業を探すためには以下のような行動、考えが必要です。

・自分の価値観を言語化し、他人の正解ではなく自分の正解を見つける

・自分がどんな報酬を求めているのか(金銭なのか、信頼なのか、貢献なのかなど)

・様々なアウトプットをして、継続できるものを探す

・顧客を自分の付き合いたい人にする、主語を顧客ではなく、自分にする

・自分業が顧客のどのできないの壁を取り除くことができるか考える

小さな変化が行動をおこし雪だるま式に力となり、壁をスルッとこえられるようになります。壁とぶつかり自分の価値観と対峙した経験は必ず自分の身を助けてくれるはずです。

この本がおすすめの人

・アラフォーとなり人生に迷っている人

・仕事で中堅となり、このままでいいのか考えている人

・会社に頼り切らずに生涯現役で働くことを考えているが何をしたらよいかわからない人

本の要約

40代になるとどのような変化があるのか

 40代になると、家族もいて今更大きな変化は起こせないと思いつつも、このままでいいのかと不安になるようになってきます。

 仕事も中堅となり、先が見え始める中で、残りの人生も今の積み重ねで良いのかと迷う人が多いのも40歳というタイミングです。

 筆者も40歳の壁にぶつかり、会社を辞め、自分のやりたいことを仕事としてきましたが、重要なのは会社を辞めることではなく、「主体的に」、「どうやって」、「人生の後半戦を生きるか」という点から考えることです。

仕事や人生の先が見えはじめ、多くの人が残りの人生も今の積みかさねで良いのか迷うタイミングが40歳という年齢です。

40代の壁とは何か

 人は40歳くらいまでは新しい感覚や知識を得ることを軸に発達していきますが、40歳を過ぎると徐々に人生の終着点に向かった発達に変化し、次世代の人たちに持っているものを渡し始めます。

 この変化でのこれまでと違う感覚に戸惑うことが40歳の壁の正体です。

 壁にぶつかるタイミングはそのタイミングは人それぞれです。ただし、壁にぶつかったときに修正するには体力、知力、やりなおす時間が必要となるため、それら可能なのになるのは40歳前後になるため壁にぶつかるのは早いほうが良いです。

 壁の存在に気づき、自分の価値観と対峙した経験は必ず自分の身を助けてくれます。

40歳を過ぎると自分の成長ではなく、次世代への受け渡しがメインとなります。この変化が40歳の壁の正体です。

40歳の壁は何が原因なのか

 40歳の壁を多くの人が感じているのは人生100年時代で仕事期間が長くなったことだけでなく、私たちの働き方が限界を迎えていることも大きな理由です。

 多くのモノやコトで0を1にする時代がほぼ終わり、100を101にするようなことに労力が使われています。

 そのため、仕事にやりがいや社会的な意義を感じることが減ったことも壁を感じる原因になっています。

 人生の後半では主体的に幸せを感じることを追求してみることややりがいを感じる仕事を選んでいくことが大切になっています。

 40歳の壁には子育てと夫婦関係の壁も潜んでいます。

 子育ての壁:子供が小学生となり、普段の世話はいらないものの、継続的な観察が必要になる。

 夫婦関係の壁:悩みや価値観の相違や不満の蓄積

 夫婦間で話し合いをして、小さなうちに取り除いて置くことが理想的です。

人世100年時代で仕事期間が増えたこと、仕事で得られるやりがいや社会的意義の減少、子育てのフェーズ変化、夫婦関係の問題などが壁の原因となります。

40歳の壁を抜けるために必要なことは何か

 幸せな人生に必要な要素を分解すると以下のようになります。

・お金(収入、資産)

・つながり(家族、友人、知人)

・健康(体力、認知力)

 労働力だけで得ているお金はいつかなくなるものとして向き合う必要があります。生涯現役で少なくてもお金が入る仕組みを持つことは精神衛生上もとても重要です。

 小さくはじめ、うまくいくなら続け、うまくいかないなら改善してみるというやり方が重要です。

 対人関係も固定化されるため、いろいろな人に会う機会を持つことや健康を保つことも40歳の壁を抜ける上で重要な要素となります。

幸せの人生にはお金、つながり、健康が必要です。この3つを良好な状態にしておくことが心身を充実させておく準備をすることで40歳の壁を抜けることができます。

3つの要素はどうやれば得ることができるのか

 お金、つながり、健康の3つの要素を満たすことができるのが仕事になります。そのため生涯現役で働くことを視野に入れることがおすすめとなります。

 ただし、生涯現役=会社を辞めないという意味ではなく、会社員の看板を外しても仕事ができるように少しづつ行動しておくことが重要です。

 40歳からのキャリアは仕事に合わせて人生を変えるのではなく、人生に合わせて仕事をデザインすることがを意識すべきです。

 お金、つながり、健康の3つの要素を満たしつつ、やりがいと裁量権を取り組める仕事=自分業を探すことが40代で必要なこととなります。自分がこれまでしてきた仕事が3つの要素を満たしているか確認することで、今後自分がどこを強化すべきかを知ることができます。

お金、つながり、健康の3つの要素を満たすことができるのが仕事ですが、仕事=会社ではありません。

40歳からは仕事に人生を合わせるのではなく、人生に仕事を合わせること、自分業を探すことを意識し生涯現役で働く準備をすることが重要です。

自分業を探すにはどうすればよいのか

 自分業を見つけるには人生の目的を言語化しておくことが重要です。

 人生の目的は探すものではなく、自分の価値観に基づいて選んできた過去の経験から導き出すものです。

 これまでの経験で幸せを感じる状態を言語化したものが人生の目的となり、目的を言語化することで近づきやすくなっていきます。

 人生の目的を言語化するには、みんなの正解ではなく、自分の正解を見つける必要があります。社会的、論理的観点も踏まえつつ、どう主体的に生きるかは人生の後半を生きるために欠かせない視点となります。

人生の目的や自分が何を幸せとおもっているのかを言語化し、みんなの正解ではなく、自分の正解を見つけることが自分業につながります。

自分業を探すうえで必要なことは何か

 報酬には金銭以外にも喜びなどの精神的、経験や技能的な向上、信頼感、組織への貢献など様々なものがあります。

 人や状況によって求める報酬は異なっていること、自分がどの報酬を重視しているのかを理解することが必要です。

 自分業を探す際にはまず、アウトプットしてみることがおすすめです。様々なアウトプットをすることで自分に何ができるのか、何がしたいのかを確認しやすくなります。

 アウトプットを続け、

・苦もなくできる

・経験がたまる

・市場がある

 この3つの条件を満たすものを見極め、徐々に絞りこんでいくことで自分業を見つけることができるようになります。

自分がどのような報酬を求めているのかを知ることで自分業での報酬を決めることができます。またアウトプットを続けることで

・苦もなくできる

・経験がたまる

・市場がある

の3つに当てはまるものがあれば自分業にすることができる可能性があります。

自分業を行う上で重要なことはなにか

 趣味等がある人は趣味を自分業にすることも一つの手です。

 趣味にかけているお金が経費とすることができるようになるので、趣味を経費にできる仕事にするという思考法を持つこともありになります。

 自分が好きなことを自分業にしていくか考える際には、好きを分解してどの部分が重要で、重要な部分を自分業にできないか考えていくと自分業を導き出すことができます。

 うまくいかないこともありますが、小さな行動を繰り返して修正しながら、仕組みを作っていくことが大事です。

 また、自分業はひとつひとつが大規模な収益にならなくても、収入の柱を複数持つスタイルでもOKとなります。

 自分業を作っていくときに重要なのは継続できるかどうかです。また、仕事で一番のストレスは人間関係のため、自分業では自分が付き合いたい人を顧客にすることが継続の鍵となります。

 多くのビジネス本では顧客を主語にし、顧客の望みにこたえることが大事としていますが、自分業では自分を主語にする必要があります。

自分業で重要なことは継続できるかどうかです。人間関係が大きなストレスとなるため自分が付き合いたい人を顧客にすることが継続の鍵となります。

そのため、顧客を主語にするのではなく自分を主語にすることが重要です。

人はどのようなことにお金を払うのか

人はペイン(不満)の解消や何かを得ることができるような変化にお金を払います。自分が人の変化の何かのきっかけになれれば、それが商品になります。

 変化が明確であればあるほど単価を上げることもできるようになります。

 人が変化しようとすると「できないの壁」にぶつかるので、このできないの壁を乗り越えさせてくれる人にお金を払います。

 できないの壁には以下の3つが存在します。

1.知らない:存在します

2.できない:やり方がわからない、PDCAが回らない

3.磨けない:ブラッシュアップや習慣化できない。

 自分が3つのどの部分の壁を取り除くことができるか考えることが自分業につながります。

人は不満の解消や何かを得るなどの変化にお金を払います。

変化するときには「できないの壁」にぶつかるため、この壁を取り除くことができるような自分業を探すと仕事になりやすいです。

自分業でのブランディングはどうすべきか

 自分業であってもブランディングは重要ですが、理念やサービスを前面に押し出してしまうのではなく、じわじわと浸透させるようなブランディングが本当のファンにつながっていきます。

 セルフブランディングは作られたイメージではなく、ありのままの自分から出る価値で勝負する必要があります。

 提供できる価値を見誤ったり、発信内容のずれを少なくするためにも、自己理解を深めておくことが必要です。

自分業では作られたり、押し付けるブランディングではなく、自分から出るありのままの価値で勝負し、じわじわと浸透されるようなブランディングが必要です。

自分業で成功し、40代の壁を超えるにはどうすればよいのか

 自分業を中心に独立したような場合、様々なことに挑戦(種まき)し、成果の出そうな部分を育てていくようにやり方がおすすめです。

 また、会社を辞めて大丈夫か不安な時は、どんな不安があるのか言語化してみると対策も考えやすくなります。

 独立し、ストレスを感じる人とは付き合わないことになりますが、身近で自分に近い人ばかりと付き合うと成長しにくくなります。

 人間が変わるには、時間配分、過ごす場所、付き合う人の3つを変えるしかありません。まずはこの3つを少しづつでも変えていくことで自分を変えたり、自分業を見つけることができます。

 変化は小さな行動が雪だるま式に大きな力となって、気づいたら40代の壁をスルッと超えているはずです。今と違うことを1つ始めてる見ると徐々に変化していきます。

まずは、様々なことに挑戦し、成果の出そうなものを育てていくやり方が有効です。

時間配分、過ごす場所、付き合う人を変えることでしか、人は変われません。少しでもいいので変化し、行動を起こすことで気づいたら40代の壁をスルッと超えているはずです。

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