90歳までに使い切る お金の賢い減らし方 大江英樹 要約 

本の概要

多くの人がお金に興味をもっていますが、その本質を理解できていません。

特に日本人にはお金の話をしない、同調圧力や嫉妬心が強いなどの傾向もあり、本質的なお金の使い方をできていない人が多くいます。

特に老後に過剰な恐怖を感じ、お金を貯めこみ、死んだときに一番お金を持っている人もすくなくありません。

人生の目的はお金持ちになることではなく、幸せになることです。

本書でお金の本質を理解することで幸せになるためにお金を使うことができるようになることができます。

この本がおすすめの人

・漠然としたお金に不安がある人

・投資に苦手意識がある人

・お金の本質を理解したい人

本の要約

要約1

多くの人がお金に興味をもっていますが、その本質を理解できていません。

特に日本人は同調圧力や嫉妬心、お金の話をしない傾向が強いなどの理由から特に本質を理解できていません。

その結果、老後を過剰に恐れ、死ぬときに一番お金を持っていたり、投資を嫌う反面ギャンブルは好きなどお金をうまく使えていません。

要約2

投資は自身でリスクを背負う判断をすることで利益を得る行為になります。

しかし、日本人は労働=作業や成果物を残すものと考えがちなため、リスクをとった判断の対価を労働ととらえることがなかなかできませず、投資による儲けを不労所得のように捉えてしまいます。

また、同調圧力や嫉妬心も強いため、投資によって利益を得た人やお金を持っている人を素直に敬うこともできないため、投資を避けたり、誰にも言わずに投資を行う人が多くなっています。

要約3

お金には取引を行うという重要な役割がありますが、同時に自分の代わりにサービスや物を作ってもらった人への感謝の表明に利用できると考えることもできます。

また、お金を稼いだり、節約することにエネルギーを費やしてしまうことも意識ですべきです。お金の表面的な効率性だけを意識している状態はエネルギーの無駄使いであることを意識すれば、お金を減らすことでエネルギーを得ることも可能になります。

要約4

お金は単なる記号であり、必要なものを手に入れたり、お金よりも大切なもの(時間、信用、健康、幸福感)を守るために使うべきです。

生の目的はお金持ちになることではなく、幸せになることです。好きなこと、思い出、人、価値のお金を使うことでお金を減らし、幸せになることが本質的なお金の使い方です。

日本人はお金をどのように考えているのか

 多くの人がお金に興味を持っていますが、その本質を理解できている人はあまり多くありません。

 特に日本人は、お金の重要性を理解しながらも、あまりお金の話をすることを好まない性質が強い傾向にあります。

 同調圧力や嫉妬心が強く、自分が損しても相手に利益を渡したくないという気持ちも強くもっています。

 ただ、日本人は投資を好まず、貯金に励むという姿勢は近年作られたものですし、実はばくち式好きという側面もあります。

日本人はお金の重要性を理解していますが、お金の話を好まず、本質を理解的でいる人は多くありません。

なぜ、日本人は投資を行わないのか

 日本人が投資を好まないことには、投資を根本的に誤解していることにも原因があります。

 日本人は宗教間の違いもあり、労働を尊いものと考えやすい傾向にあります。労働を尊いものであると考えることは問題ありませんが、労働を何ととらえるかの認識に問題があります。

 日本人は作業や成果物を残すことを労働と考えがちで、経営などの判断を伴うことを労働とは実感できません。

 投資も判断を伴い、リスクも大きくなります。本来はリスクを取り、自身の判断で結果の成否が分かれ、成果とリスクから報酬の多寡が決まるのですが、なかなか実感できません。

 利益は複雑性=リスクの対価として生まれてくるのですが、この本質を理解できないと投資の儲けを不労所得と思ってしまいます。

日本人は成果を得ることを成果物や作業によるものと考えがちです。そのためリスクを取り、自身の判断したことから成果を得ることを理解しにくい傾向にあるため、投資の儲けを不労所得のようなものと考えがちです。

お金はどんなものなのか

 お金には以下の3つの役割があります。

1.取引決済機能:商品やサービスの対価として支払う

2.価値尺度傾向:物の価値を比較するものさしになる

3.価値保存機能:将来にわたって価値を保存する

 貨幣は物々交換を行っていた人類が不便さを解消するために生まれたとされてきましたが、近年の研究では信用をもとにした負債として始まったのではといわれています。

 現在の先物取引きのように農作物の収穫前に、収穫後の所有権を券にしたところ、その券を売買するようになっていきました。

 この券の売買が貨幣の始まりであった可能性があり、その場合、通貨そのものが信用をもとにした負債で生まれたことになります。

 現金を信じる人も少なくありませんが、お金はすべてバーチャルな存在であり、現金でもバーチャルであることは変わりません。

お金の最も重要な役目は取引決済機能ですが、通貨そのものが信用をもとにした負債である可能性もあり、バーチャルなものです。

他にお金の役割はどんなものがあるのか

 良く知られたお金の役割は3つですが、4つ目の役割として、感謝の表明に利用できるというものがあります。

 サービスや物の対価としてお金を払うという考えだけでなく、自分の代わりにサービスをしてくれたり、物を作ってもらった感謝としてお金を払うという考え方もできます。

 お金を使うことはお金が減ってしまう行為ですが、感謝の表明と考えると、お金を使うことへの印象を変えることができます。

 また、お金を使用することを肯定的にとらえることで、お金を循環させることが必要なことであるという認識も持ちやすくなります。

お金は感謝の表明としての役割もあります。感謝の表明と考えることで、お金を使用することを肯定的にとらえることができます。

お金の本質を理解していないことでどんな現象がみられるのか

 日本人には特に、お金の本質を理解していないことが多く、老後2000万円問題はその典型といえます。

 政府のレポートをそのまま鵜吞みにした結果、多くの人が老後の生活は年金だけでは足りず、2000万円を自分で持っていないといけないと感じてしまいました。 

 しかし、実際には現在でも年金だけで生活している人は、25%ほどしかおらず、想定されている生活費もかなり多く見積もられています。

 また、年を取るほどお金は使わなくなりますし、使って得る喜びが減っていきます。身体が元気な時の方が旅行を楽しめるように

 人はだれでも経験したことのないことに不安を持つため、老後不安を抱きやすくなっています。しかし、具体的にいくらかかるのかなど具体的な計算を行う人はほとんどいません。

 人はデータよりも物語に強く反応するため、老後など知らないものに対しては特に不安を感じやすくなってしまいます。

お金の本質を理解していない典型的な問題は老後の資金です。老後に不安を持つ人は多くいますが、自分に必要な額はいくらなのか、いくら年金がもらえるのかなどを実際に計算する人はほとんどいません。

お金を手に入れるにはどうすればよいのか

 お金を手に入れる方法は主に働く、貯める、増やすの3つがあります。

 お金を手に入れる土台となるのは働くことですが、重要となるのは貯めると増やすことになります。

 多くの人はお金を貯めるためには働いて稼ぐお金を多くしようとしますが、実際には先に貯める仕組みを作っておけば収入がそれほど多くなくても、お金がたまることは多いです。

 またお金を増やすことも長期的に見れば、シンプルな投資を行うことで実現可能です。

 ただし、シンプルなことを理解することはできても、実現に移すのは難しいことです。一番大切なことは続けることで、それさえできればお金を増やすことはそれほど難しいことではありません。

お金を手に入れる土台は働くことですが、重要になるのは、貯めることと増やすことです。

先に貯める仕組みを作り、長期的にシンプルな投資を行えば、貯めて、増やすことは可能ですが、理解できても実現に移すことは難しいことです。

お金を使うことは何をもたらすのか

 お金の本質を理解できていないことや、老後を過剰に不安を感じてしまうこともあり、多くの人は死ぬときにお金を多く残しています。

 お金を稼ぐことや節約することは、エネルギーを費やしていることを意識しておくことが大事です。たとえ多額の報酬が得られたとしても、楽しみを犠牲にするようではエネルギーを無駄遣いしています。

 逆にお金を減らすことでエネルギーを得ることも可能です。

 我々はお金の表面的な効率性だけを意識して、増やそうとしていますが、最も大事なエネルギーを無駄に消費していることに気づくべきです。

お金を稼いだり、節約することで楽しみを犠牲にしている状態は最も大事なエネルギーの無駄使いです。エネルギーを得るためにお金を使うことも重要です。

お金をどのように使うべきか

 お金を減らすためには以下のようなやり方があります。

1.好きなことに使う

2.思い出に使う  モノではなくコトに使うことで思い出を得ることができます。

3.人にお金を使う 自己投資ではなく、寄付など人に投資する ギブの精神を重視する

4.価値にお金を使う 

 日本人は嫉妬の思いが強く、寄付を自己満足、売名などと否定したり、同調圧力から自分の好きなことをやらずないことも少なくありません。

 しかし、人生の目的はお金持ちになることではなく、幸せになることです。周囲の意見や考えを過度に気にしすぎないことを意識すべきです。

 また、日本の過度に効率やコスパを求める姿勢は、良いものやサービスに正当に対価を支払うべきであることを忘れさせる面もあります。

 ただし、他人との比較などの見栄とやりたくもないことに義理でお金を使うことは避けるべきです。人から良くみられるためでなく、自分が楽しいかという観点でお金を使うことを大事にすべきです。

人生の目的はお金もちになることではなく、幸せになることで、幸せになるためにお金を使うべきです。

周囲の意見や考えを過度に気にしたり、他人との比較や見栄のためにお金を使うのではなく、自分が楽しいかという観点でお金を使うことが大事なことです。

お金の本質とは何か

 お金は単なる記号であり、価値を表す尺度でしかありません。お金の値打ちを考えると以下のようなものになります。

1.自分にとって必要なものを手に入れるため

2.お金よりも大切なものを守るため

 お金よりも特に大事にすべきものは時間や信用、健康、幸福感などです。

 もしお金が手に入るとしてもこれらを損なうようなことは避け、これらを得るためには積極的にお金を使うべきです。

 お金そのものが何かを解決してくれるわけではなく、お金を受け取った人がものやサービスを提供してくれるからです。

 お金を尊敬し、ひたすらにお金を増やすことを考えるのではなく、ものやサービスを提供してくれる人に敬意を晴らす姿勢を持つことが重要です。

お金は単なる記号で、必要なものを手に入れたり、お金よりも大切なものを守るために使うべきです。

お金よりも大切な時間や信用、健康、幸福感を得るためには積極的にお金を使うべきです。

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