世界は経営でできている 岩尾俊兵 要約

本の要点

要点1

経営という言葉には、企業の金儲けのためというイメージがありますが、経営の本質は価値創造を行うことで豊かな共同体をつくることにあります。

経営の概念の誤解は企業活動だけでなく、普段の生活の中で様々な不条理や不合理の原因となってしまっています。

経営を理解し、本来の経営の概念に立ち返ることで、豊かになることができます。

要点2

経営の本質は価値創造にあります。価値を奪うものとすれば、価値は有限であり、利己的な行動を行うことが最適となります。

しかし、価値を奪うものから創造するものと転換できれば価値は無限であり、奪い合う必要はなくなります。

本質的な経営を行うには以下のようなことが必要です。

・目的の明確化

・手段が目的を実現するために意義があり、本質的で、有効なものか問い直す

・価値を奪うものから創るものへと意識を変える

・目的を妨げる対立を解消する

本質的経営によって、価値を創造できれば、豊かな共同体を作り出すことができます。

要点3

経営の本質の誤解は以下のような様々な場面で見られます。

・貧乏の要因

・家庭や恋愛の不具合

・勉強、仕事の効率の悪さ

・心身への悪影響

・科学の停滞

短期利益と部分最適的化をもたらす奪い合いの発想から価値創造への意識を変え、本来の経営を取り戻すことができれば、様々な場面での問題を解決することが可能です・

この本や記事で分かること

・金儲けではない経営の本質

・経営の概念の誤解が何をもたらすのか

・どうすれば経営の本質に立ち返ることできるか、そのためにはどうすれば良いのか

なぜ、経営が重要なのか

経営というと仕事のことと考えがちですが、本質的な経営の考え方は日常のあらゆる場面で必要となるものです。

経営の本質とはどんなものなのか

経営とは企業の金儲けのためのものではなく、価値創造を実現するためのものです。

経営の本質は手段の有効性や意義を見直し、目的を妨げる対立を解消し、価値創造を実現し、豊かな共同体をつくるためのものです。

本質的な経営をするために必要なこととは何か

価値の創造が経営の本質である以上、あらゆる場面で経営が重要であるといえます。

本質的な経営を行うために必要なことは以下のようなものです。

・目標の明確化

・手段の意義、本質、有効性を問い直す

・価値を奪うものではなく、創造するものと意識する

実際に、どんな場面で経営の誤解が起きているのか

貧乏に陥ってしまったり、家庭に問題を抱えていたり、勉強や恋愛がうまくいかないことも、本質的な経営の見方が足りないことで起こります。

目的を明確にし、手段が目的を達するために適切かを見直し続けることが重要です。

ほかにも、経営の誤解が観られる分野は何か

経営の不足は身体や健康への悪影響を招いたり、科学の停滞など幅広い分野で問題となります。

価値創造するにはどうすれば良いのかという意識が不可欠です。

価値の奪い合いは何を招くのか

価値を奪い合おうとすると短期利益思考と部分最適化志向をもたらしてしまいます。価値に奪い合いは利己主義を生み、本来の経営の地位を脅かしてしまっています。

価値創造への転換は何をもたらすのか

奪い合いの発想は価値は有限であるという視点からもたらされ、失う恐怖を強くし、本来の目的を問い直す余裕をなくしてしまいます。

一方で、価値創造の発想は価値は無限にある考えるため、利己主義から抜け出し、共同体全体の幸福を実現するものです。

人間が人間として生きられるのは価値創造で共同体全体を幸せにしたためであることをもう一度認識し直すことが重要です。

本の要約

要約1

仕事に限らず、恋愛、勉強、芸術、科学、歴史など日常のあらゆる場面は、経営であふれています。

人間活動で生じる不条理の多くは経営という概念の誤解からもたらされるものです。経営は企業の金儲けのためのものではなく、価値創造という目標に向かい、中間目標である手段の本質、意義、有効性を問い直し、価値創造という目的を妨げる対立を解消し、豊かな共同体を作り上げるためのものです。

経営をこのように理解するとすべての人が人生を経営する当事者となり、あらゆる場面で経営が重要であることがわかります。

しかし、実際には人生を経営していると気づいている人は少なく、誤った経営の概念によって人生に不条理と不合理がもたらされています。

経営の本質を誤解せず、本来の経営の概念に立ち返ることで、日本も世界も、もう一度豊かになれるはずです。

要約2

貧乏とは、お金、時間、知識、信頼といった資源の収入と支出のバランスが崩れた状態です。

アンバランスを招く原因は、自分の行動の目的が明確されていないことにあります。なんとなくお金をつかってしまい、収入が多くても貯金がほとんどなかったり、過度に節約したりするなど目的に対する手段が適切でないとアンバランスを招いてしまいます。

夫婦、親子など家庭にも経営の考えは不可欠です。どんな価値を一緒に創造していくかという視点は欠かすことができません。また、家族そのものを創造できるという発想を持つことで、血縁を必要以上に重荷に感じることなく家族を創り出すことも可能です。

恋愛も経営の考えがなければうまくいきません。理想の相手と出会うことと、その相手と恋愛が成就することは奇跡的な確率です。

相性の良い相手を探すだけではなく、自分の行動と思考を変え、相手との相互作用を変えることで相手を理想の人と思い込むことも必要です。

勉強がうまくいかない場合も、経営の視点が欠けている場合が多く見られます。細かい部分に着目しすぎて、全体の把握ができていないことやそもそもの勉強の目的が明確化できていないために、勉強をしても効果がないなどのケースは多くの場面で見られます。

要約3

経営の視点のなさはほかにも、多くの場面で見られます。

他者からの尊敬は誰もが欲するものですが、多くの人は虚勢を張ることで尊敬を得ようとしてしまいますが、虚勢では本当の尊敬を得ることはできません。

相手から尊敬を奪うような考えではなく、相手を尊敬することで自分も尊敬を得るような、価値を創造する考えであれば、虚勢を張ることなく相手からの尊敬を得ることができるようになります。

仕事のやり方にも経営の視点は必要です。本来の仕事は広義の顧客(消費者、取引先、上司、会社など)を生み出し、顧客を満足させ、対価を得ることです。

しかし、多くの仕事が時間を埋めるための仕事やその本質から外れた無意味なものを仕事と思っています。無意味な仕事を減らし、創造性のある仕事をすべきですが、そのことに気づいていない人もとても多くいます。仕事に携わるすべての人に経営が不可欠であることに気づくだけでも、多くの不条理、不合理が回避できます。

経営目線のなさは無駄な憤怒を生んだり、健康を害す、孤独を招くこともあります。こうした悲劇を防ぐためにも、何が目的で、今やっていることことが本当に目的の役に立つのかとを問い直し続けることが重要です。

要約4

芸術には作者の意図を理解し、実現し、評価するネットワークの構築が必要です。このようなネットワークの構築には経営の視点が必要です。

合理を追求するはずの科学でも不合理な場面は多く見られます。短期的な業績ばかりが評価される状況では、長期的に行えば画期的な発見になる可能性のある研究が抑制されてしまいます。

他者を出し抜いたり、欺いたり、搾取するような利己主義が本来の経営の地位を奪い恐るべき感染力で世間に広まっています。

本来の経営の欠如はすべての人の人生に不幸をもたらすものです。奪い合いから価値を創造する経営概念への転換が求められています。

奪い合いの発想は短期利益志向と部分最適化志向をもたらします。何かを有限と思う気持ちはそれを失う気持ちと隣り合わせとなり、自分の本当の目的はなんかを問い直す余裕をなくしてしまいます。

価値は有限である思考から価値は創造でき、無限であるとの考えに転換できれば、共同体全体の幸せを実現することが可能です。

人間が人間として生きられるのは、価値創造ゆえです。人間は価値創造によって共同体全体の幸せを実現する経営人といえます。

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