世界はマーケティングでできている 三宅宏 要約

本の要点

要点1

身の回りにあるすべてのモノやサービスはマーケティングで解き明かすことができます。

マーケティングを知らなくてもビジネスである程度のレベルに到達することができますが、マーケティングを知ることで、壁にぶつかった特に乗り越えやすく、さらに上を目指しやすくなります。

要点2

マーケティングで最も重要なことは「顧客志向」です。

顧客志向を実現するためには

・顧客の特定:Who

・どんな価値創造をするのか:What

・価値創造をどのように示現するか:How

の3つが特に重要なことになり、3つを決定するための様々な理論があります。

また、近年ではブランドで資産価値を高める「ブランディング」や顧客を熱烈なファンにする「関係性マーケティング」などのマーケティング理論も注目されています。

しかし、マーケティング理論はあくまでも手段に過ぎません、最も重要なことは顧客に満足、買い続けてもらうにはどうすれば良いのかという視点を欠かすことはできません。

要点3

イノベーションは企業の発展に欠かすことができませんが、社会の壁や既成概念などが壁となりうまくいかないことも少なくありません。

特に、リーダー企業が既存の改良に行き詰まる中で、新興企業のイノベーションを前にしても、方針転換できず没落してしまうことはイノベーションのジレンマとして知られています。

イノベーションのジレンマを避けるためには、新たな知の探索と今ある知の深化をバランスよく行う両利きの経営が有効です。

また、利益のみを追い求めるマーケティングでは、これからの時代に対応することはできません。

社会課題や環境問題、持続性社会に本気で取り組み、世界を良くするという姿勢を持つことが求められています。

この本や記事で分かること

・マーケティングの持つ意味

・マーケティング理論にはどんなものがあるのか

・マーケティング理論を利用すると何ができるのか

なぜ、マーケティングは重要なのか

身の回りのモノやサービスはマーケティングで解き明かすことができます。

そのため、マーケティングを知っておくと仕事で壁にぶつかっても乗り越えやすくなります。

マーケティング最も重要なことは何か

マーケティングで最も重要なことが「顧客志向」です。

顧客志向を行うためにも、誰を顧客として想定するかの「ターゲティング」が必要になってきます。

顧客を決めた後にすることは何か

顧客を決めた後は、顧客の最大課題が何かを考え、解決することで「顧客価値の創造」を行うことが重要です。

その際には、自社製品を活かすことではなく、顧客目線を持つことが必要となります。

どのようにすれば、顧客の価値創造を実現できるのか

どんな価値創造をするか決めた後は、どのようにして実現するかに取り組むこととなります。

どのようにしての中核は商品づくりであり、商品づくりには利用できる様々な理論があります。ただし。マーケティング理論はあくまでも手段であり、顧客思考の視点を忘れるべきではありません。

他にはどのようなマーケティング理論があるのか

「誰に」「何を」「どのように」の3つはどんな場合にも利用できるマーケティング理論ですが、それ以外にもブランドを利用したり、顧客との関係性を重視する理論なども存在しています。

イノベーションとは何か

イノベーションと聞くと画期的な技術革新と思われがちですが、他の領域のアイデアを自分の境域で利用することで、新たな価値を生み出す新結合も立派なイノベーションです。

しかし、イノベーションは規制概念や社会の抵抗で阻害されてしまうことが少なくありません。

イノベーションのジレンマとは何か

市場のリーダー企業が新興企業のイノベーションに対面しても、方針転換できず、没落していまうことがイノベーションのジレンマです。

これからのマーケティングで重要なことは何か

これからのマーケティングではイノベーションのジレンマを避けるための両利きの経営や利益のみを追い求める姿勢から脱却し、様々な問題解決に本気で取り組むことが求められます。

本の要約

要約1

マーケティングの体系を知らなくても、ある程度のレベルまで到達することは可能です。しかし、身の回りにあるすべてのモノやサービスはマーケティングで解き明かすことができるため、マーケティングのセオリーや型を知っておけば、壁にぶつかったときに乗り越えやすく、さらに上を目指すことができます。

マーケティングの中でも重要となるのが「顧客志向」です。誰を顧客として想定するか(=ターゲティング)はマーケティングの中も特に重要です。

顧客の特定は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングのS・T・Pという3つのステップで行われます。

セグメンテーションで市場を細分化することで具体的な顧客像を浮き彫りにし、ポジショニングで自社が競合と比べ、どの位置にある比べ、今度どの位置に行きたいかを決めることで顧客のターゲティングを行うことが可能となります。

要約2

顧客の特定の後に行うことは「顧客価値の創造」つまり顧客が本当は何を望んでいるかを考えぬくことです。

顧客の最大課題が何であるかを重視し、課題を解決しようとすることが重要です。そのためにも商品発想ではなく、顧客発想となることが重要となります。

「誰に」「どんな価値を創造」するのかを決めた後に重要となるのが「どのようにして」になります。

「どのように」の中核は特定顧客のニーズ課題を解決するための具体的な「商品づくり」となります。

商品づくりに利用できるマーケティング理論には以下のようなものがあります。

・4P(Product:商品,Price:価格,Promotion:広告,Place:流通チャネル)

・消費者の行動理論AIDMAの法則(認知、興味、欲求、記憶、行動)の利用

・他社との競争で優位となる部分を活かす(コスト、差別化、集中化)

・従業員満足度を向上させ、顧客満足度の向上につなげる

マーケティング理論はあくまでも手段です。顧客に満足してもらい、買い続けてもらえるにはどうすれば良いかという視点を欠かすことはできません。

要約3

「誰に」「何を」「どのように」はマーケティングの基本理論ですが、それ以外にも様々な理論が提唱されています。

・ブランディング

 ブランドという概念で資産価値を高めること。ブランドの持つ見えない価値を顧客に理解してもらい、共感につなげることで、顧客と好ましい関係性を築くことができます。

企業間の技術的差異が縮まる中でブランドは、顧客への企業や商品に対する長期的な記憶と想起しやすさをもたらすためにも重要になっています。

強い信念と価値を持ち、それを組織内で共有し、一貫性を持ち続けることが必要です。特に安易なブランドの拡張はブランドの持つ資産を棄損する恐れがあり、注意が必要です。

・関係性マーケティング

ステークホルダーとの関係を強化し、継続的な経営を行うことを重視する姿勢のこと。短期的な利益ではなく、長期的で良好な関係を築き上げることを目的としています。

背景には、2割の顧客から8割を稼ぐパレートの法則や新規顧客獲得コストが大きくなっていることもあります。

関係性を深めるのは顧客だけでなく、従業員との関係性を深めることで結果的に、顧客の満足が高くなることもあります。

ビジョンやミッションを共有することで、顧客を熱烈なファンにすることができれば、長期的な良好な関係性を築くことが可能です。

要約4

イノベーションと聞くと画期的な技術革新を想像してしまいますが、実際には価値の創出方法を変更して、その領域で革命をもたらすことです。

他の領域での既知のアイデアや方法を自分の領域にもってきて、新たな価値を生み出す新結合もイノベーションです。

イノベーションは未体験の領域であることや、既成概念や社会の抵抗などが壁となりうまくいかないことも多く見られます。

特にリーダー企業は市場のハイエンドで求められるニーズや性能に応えるように持続的なイノベーションを進めますが、どこかで市場のニーズや性能を超えてしまいます。

この状態で新興企業がローエンド領域での価格破壊などの破壊的イノベーションが起こすとリーダー企業は急激な方針転換ができないことなどもあり、没落し新たな新興企業がトップに立つようになります。

このようなイノベーションのジレンマを避けるためには、新たな知の探索と今ある知の深化をバランス良く行う両利きの経営が有効になります。

また、21世紀に入ると企業が社会課題や環境問題、持続性社会に本気で取り組むことが不可欠になっています。すべての企業に利益のみを追い求める従来のマーケティングではなく、世界をより良くするという姿勢を持つことが求められています。

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