TIME≠MONEY　古川純　要約

本の概要

この本や記事でわかること

本の要約

今求められている能力は何か

　生きていくためには魚を与えてもらうのではなく、魚を釣る方法を知る必要があります。

　魚を釣るためには「創造力」と「金融力」の二つが大きな武器になります。創造とは言葉であり、金融は数字で示されるものです。

　言葉は過剰であり主観的なもの、数字は不足であり客観的なものです。二つの要素を組み合わせることで人生を生き抜く武器になります。

　しかし、日本では創造と金融に関する教育が大きく欠けてしまっています。

「創造力」と「金融力」を磨くにはどうすればよいのか

　「創造力」と「金融力」の二つを磨くには情報力と時間力が必要です。

　情報力とは氾濫する情報を選択し、自分で考え、未来を想像し、創造する力です。

　情報から導かれるものは予測です。物事はすべてつながっており、過去の情報から未来を想像することができます。

　また、予測を実現する一番良い方法はそれを造ることです。好奇心を持って予測すれば、予測を実現しようとし、より良い未来を発明できる可能性があります。

時間力とは何か

　時間はお金とは比べ物にならないくらい大事なものです。時間は有限で非常に貴重なものと考えることが大事です。

　人生は選択の連続です。貴重な時間で何をするか決め、集中して武器を磨くことが重要です。

　情報の氾濫している現代では、選択と集中をしないと時間はあっという間に無くなってしまいます。動画を1.5倍速で見るように多くのことをするのではなく、自分で選択し、集中することが大事です。

選択と集中には何が必要か

　選択と集中をするうえでは、自分の中での優先順位を付けること大事です。

　「仕事・趣味・家族や友人・お金」それぞれの優先順位をはっきりさせ、そこから何をやりたいかまで落とし込めている人は多くありません。

　やりたいことを見つけるには自分の時代を以下の3つに分けて考えると見つけやすくなります。

・過去に何をしてきたか

・現在、何をしているのか

・未来に何ができるか

　ありたい自分を想像し、変化を恐れず、人生において何を優先し、時間を使うことが大事か考えてみるべきです。

情報の選択で大切なことは何か

　情報の選択において、富裕層ほど多角的な情報を収取し、一般層ほど1つの情報源を信じている傾向にあります。

　多くの情報や人に触れ、多角的な視点を持ち、氾濫する情報から正しい情報を選択する必要があります。

　アンテナを張り、情報を集める時代から良い情報を選択する時代に変化しています。

他者との関わりで重要なことは何か

　多くの人と触れる際には、マーケティングの考えが役に立ちます。

　マーケティングは顧客が何を求めているのかを突き詰めることであり、顧客を他者と置き換えることで、ビジネス以外にも適用することができます。

　他者という存在を理解して、何を求めているのか探る手法はビジネス以外の場面でも非常に有効です。

　様々なマーケティングの手法を利用することも有効ですが、礼、マナー力も欠かすことができません。

　相手を肩書で判断したり、地位で態度を変えていないか、世代などのカテゴリーで相手を見ていないかなを意識すべきです。

ビジネスで欠かすことのできないマズローの欲求についてはこちら

創造とは何か

　仕事で新しい価値を生み出したり、課題の解決方法を提案するには創造力が役に立ちます。　

　創造性というと０から１を生み出すように感じてしまいますが、これだけ文化が成熟し、情報があふれている時代に本当の0が存在しているかは疑問です。

　本当の天才は１を1.1にするとも言われています。

　創造性は想像性であり、想像性を高めるためには思考が必要です。

　思考は言葉になり、言葉を行動につながっていきます。このループを繰り返すことで想像性が高まっていきます。

ビジネスで求められている姿勢は何か

　日本はことなかれ主義で何もしないものを評価し、挑戦して失敗したものに厳しく、経済が衰退した原因とも考えられます。

　自分自身が挑戦、行動し、失敗することに寛容になることが、失敗を恐れずに行動する第一歩です。

　ビジネスシシーンでは、「逃走か闘争」かを問われることもありますが、「逃走か挑戦」かと考えるほうがしっくりきます。

　まずは行動することが重要であり、創造性の中でも最も重要な要素は行動です。失敗しても良いからファーストペンギンになる気持ちを大事にすべきです。

金融力を考える上で重要なことは何か

　マネーリテラシーを考えるうえで重要になるのが、お金は手段であって、目的でないことです。

　見栄を張ったり、背伸びをしてお金を使うのではなく、他者と比較するのではなく、足るを知り等身大でいることが重要です。

　等身大で資産を増やすには投資が有効です。

　複利の力を利用し金融投資することも重要ですが、自分への投資もする必要があります。学んだことは誰にも奪われません。

時間とお金をどちらが大事か

　時間とお金はトレードオフの関係にありますが、時間はお金以上に重要なものであり、時間を犠牲にすべきではありません。

　時間を犠牲にしないためには、資本家を目指すしかありません。資本家になるには、投資をするか起業をするかになります。

多様性の広がる時代には、社内起業、週末起業、副業が当たり前になってきます。起業は簡単なことではありませんが、複数の収入源を持ち、リスクを分散することも重要です。

　資本主義は欲をエネルギーにして、人に競争させる経済体制であるため、起業を考える際には人の欲を満たしているのか考えることが大事です。

　食や睡眠などの生理的な欲求や安全欲求を満たそうとするものはお金で手に入れることができ、競争相手の多い、レッドオーシャンです。

　お金で買うことのできない自己実現欲求や自己超越欲求を満たすようなもであれば、競争相手も少なく、起業の種になりやすくなります。

希望を持てる社会には何が必要か

　人生の希望とは自分よりも大切な存在ができることであり、希望は夢から創られます。

　現代の日本は高齢者と若者の間に大きな格差ができてしまっています。フェアでない状況では夢や希望を持つことはできません。

　若者と高齢者の分断をあおるのではなく、高齢者から若者へ経験や知恵を伝承することで、有効な関係を築き、より良い社会にできるはずです。

　希望を持てるようになれば、人生の武器である創造≒言葉と金融≒数字が力を発揮します。

　創造と金融の二つの力を磨くのが情報です。限られた時間を想像と金融、情報にどう分配するかが人生を左右しています。

　時間はお金とは比べ物にならない貴重なものです。やらない、できない理由を探すのはやめ、好奇心と希望をもって旅立ちましょう。