中国人が日本を買う理由 中島恵 要約

本の概要

高成長に限りが見えたことや政府の統制の厳しさなどから中国人が母国を見る目が変わりつつあります。

そんな彼らの中には、日本を見る人が多く存在し、実際に移住するような人も増えています。

中国人からの注目の高さは、日本のコスパの良さがその大きな要因とされますがそれ以外の要因も多く見られます。

中国人が日本のどこを見ているのか、なぜ魅力的なのかなどを知ることができる本になっています。

この本や記事で分かること

・中国人にとっての日本の魅力

・中国人たちが母国をどう見ているのか

日本のコスパの良さのマイナス面についての「買い負ける日本」の要約はこちら

本の要約

要約1

コロナによる過剰なロックダウンもきっかけとなり、中国人富裕層は中国に住み続けることのリスクを強く感じています。

そんな中国人富裕層が日本に移住するケースが増えています。日本は中国から近く、物価が安い、政治的、社会的に安定している、環境が良いなど移住先として理想とされています。

日本のモノを買う中国人の増加を安い日本として、憂慮する日本人も多いですが、ただ安いからではなく、中国では手に入れることができないものを買いたいと考えている中国人も多くいます。

コスパの良さ以外にも高い秩序、謙虚な姿勢、国民の素養の高さ、学歴や生まれなどによる機会不平等の小ささなどが大きな魅力になっています。

要約2

中国の人たちは中国バブルの崩壊を恐れや政治問題などから海外に資産を移しておきたいと考える人も多くおり、日本の不動産を選ぶことも多く見られます。

割安で、利回りが安定している日本の不動産は資産として非常に魅力的ですが、それだけでなく、老後を日本で過ごすために不動産を買う人も増加しています。

日本で老後を過ごしたいと考える理由には医療の質の高さと平等性も大きな理由になっています。

中国人による土地の買い占めも起きていますが、必要以上の買い占めで日中関係を悪化させて欲しくないと考えている人もいます。

要約3

文化面でも魅力も大きく、日本は地方と都市の格差が小さい、勉強以外の活動や家事をさせるなど文化面でも成熟しており、この点でも日本をうらやむ人が多くいます。

実際に留学先として日本を選ぶ人には、協調性や生活力、勉強以外の力を身に着けてほしいと考えています。

また、仕事の面では成熟した日本を遅れていると考えがちですが、中国での猛烈な働きぶりに嫌気がさしたり、中長期的な計画を立て人間関係や信頼関係をじっくり構築すること長所ととらえる人も少なくありません。

一方で、サービス業での人手不足による質の低下は大きな懸念になっており、今後も中国人から高い評価をえることができるかには懸念もあります。

要約4

近年の経済発展で中国人は間違いなく、裕福になっています。社会全体も、以前と比べ、便利になり、日本よりも活気があり、チャンスもあります。

それでも、情報統制を強め、強い権限を持つ政府への不信感やお金を手に入れることが目的になってしまい幸せな生活を送ることができないなど不安を抱えている人も大勢います。

政府への不満や拝金主義に加え、民度の低さから日本にあこがれる人も大勢います。

中国から日本への移住者が増えているのはなぜか

 コロナによる過剰なロックダウンもきっかけとなり、中国人富裕層は中国に住み続けることのリスクを強く感じています。

 ゼロコロナ政策などでも明らかなように、中国は国家の力が強く、富裕層であっても将来どうなってしまうのかという不安を持ち続けています。

 そのような中国人が日本に移住するケースが増加しています。

 日本は中国から近く、物価が安い、政治的、社会的に安定している、環境が良いなど移住先として理想とされています。

 日本では、日本の不動産を買う中国人が話題になり、日本を乗っ取ろうとしていると話題になることもありますが、彼らの多くは急成長の時代が終わり、政治的な興味はなく、強権体制の締め付けが厳しい中国よりも日本のほうがビジネスチャンスがあると考えています。

 また、日本のモノを買う中国人の増加を安い日本として、憂慮する日本人も多いですが、ただ安いからではなく、中国では手に入れることができないものを買いたいと考えている中国人も多く見られます。

 中国人の日本買いの背景にどんな事情が隠されているのか、中国の現状からも迫っていきます。

中国は国家の力が強く、、富裕層であっても将来どうなってしまうのかという不安を持ち続けています。

この不安から日本への移住を検討する人も増えています。

移住先としての日本の魅力は何か

 日本でも物価高が話題になっていますが、日本の物価は海外ほど上がっておらず、中国人からみるとまだまだコスパが高いと考えられています。

 特に、食のコスパは非常に高く、多くの中国人が好んでいます。中国でも日本料理が増加するなど日本食を好む中国人も増加しています。

 コロナを自粛で乗り切ったように、政府からの強い命令がなくても、秩序が保たれていることも中国人が日本を好む理由の一つです。

 厳しい強制や罰則が必要のない理由を国民の素質が高いためと考える中国人も多く、安定、安全して暮らせる社会と考えています。

 学歴や生まれなどによる機会不平等が中国よりも小さいことや、特に地位の高い人が謙虚な姿勢を持つ人が多い、お金しか頼ることができない中国と比べるとお金への不安が少ないなどの理由も日本を好む理由になっています。

コスパの良さ、高い秩序、謙虚な姿勢、お金への不安が小さいなどの理由が魅力になっています。

中国人留学生が増える可能性はあるのか

 中国の人にとって、日本は留学先としても魅力的です。

 米中対立もあり、学費が安く、安全安心であるなどの理由から中国の留学生の数は増加傾向にあります。

 中国ではわずかしかない美大が多い、専門学校などのレベルが高いことも留学生が増えている要因になっています。

 日本の教育に触れることで協調性を身に着けてほしいと考える親も増加しています。

学費の安さ、距離的な近さ、安全度、米中対立などを理由に日本への留学を検討する人も増えています。

なぜ、中国人は日本の不動産を買うのか

 中国の人たちは中国バブルの崩壊を恐れや政治問題などから海外に資産を移しておきたいと考える人も多くいます。

 割安で、利回りが安定している日本の不動産は資産として非常に魅力的です。資産として持っておき、老後は日本に移住するという選択を行う人も増えています。

 中国は高い医療を受けるにはお金だけでなく、コネも必要になるため、質の高い医療を受けやすい日本で老後を過ごしたいと考える中国人も少なくありません。

 日本での中国系の不動産事業者も増えており、中国による買い占めを心配する声も多くあります。実際に中国人による土地の買い占めも起きています。

 しかし、日本で老後を過ごしたいと考えている中国人の中には必要以上の買い占めで日中関係を悪化させて欲しくないと考えている人もいます。

中国人は自国の経済、政治情勢から資産を海外に移しておきたいと考えており、割安で利回りが安定している日本の不動産は魅力的です。

医療レベルの高い日本は老後に住むうえでも優れているため、資産として購入し、将来は自分で済むという選択をする人も増えています。

中国と日本の仕事の違いはどのようなものか

 中国での仕事では、強い執念を持ち、猛烈に働くことが求められる場面も少なくありません。

 猛烈な働き中国が低成長期には入り、競争が厳しくなった状況でもあります。また経済発展に限りが見えたことに加え、猛烈に働くことについていけずに、日本での生活を望む人もいます。

 成熟した日本を遅れていると考えがちですが、中長期的な計画を立て人間関係や信頼関係をじっくり構築するという長所も持っています。

中国では低成長期に入り、猛烈に働くことが求められるようになり、ついていけない人が日本での生活を望む人も少なくありません。

日本のサービスに不安はないのか

 日本のサービスの質の高さが称賛されてきましたが、危機的状況でもあります。

 サービス業の人手不足は深刻で、質の低下、過度なマニュアル化による融通の利かなさなどの形で現れています。

 特に宿泊、飲食といったサービス業はコロナによる就業者の減少もあり、人手不足が続いています。日本を訪問する人々が直接接する立場にあるため、人手不足によるサービスの質低下は大きな問題になります。

 特にコロナで日本にこれなかった中国人は期待が大きくなっているため、落胆させてしまう可能性も懸念されています。

サービス業における人手不足は質の低下を招いており、中国人の要望に答えられない可能性もあります。

文化面での日本と中国との違いは何か

 日本は文化的な面でも中国人から見ると、驚くべき面、魅力的な面を持っています。

 地方と都市の格差が小さく、地方でも文化的な活動ができることは中国では考えにくいことです。

 また、日本では子供の家事の手伝いをさせることも多いですが、中国では家事をさせる=疲れさせ、勉強する時間が短くなると受け止めるため、料理などの家事ができない人も多くいます。

 中国では、ピアノを習う人はプロを目指すような人ばかりです。ピアノに限らず、勉強以外の活動は視野を広げるものであり、この点でも日本をうらやむことが少なくありません。

日本は地方と都市の格差が小さい、勉強以外の活動や家事をさせるなど文化面でも成熟しており、この点でも日本をうらやむ人が多くいます。

中国人は経済成長した今でも日本に魅力を感じるのか

 近年の経済発展で中国人は間違いなく、裕福になっています。社会全体も、以前と比べ、便利になり、日本よりも活気があり、チャンスもあります。

 それでも、情報統制を強め、強い権限を持つ政府への不信感やお金を手に入れることが目的になってしまい幸せな生活を送ることができないなど不安を抱えている人も大勢います。

 経済の低迷が続きながらも日本人の民度やマナーの高さ、特に災害時など非常事態の我慢強さ、団結力は中国の人々からすると今でもあこがれの対象になっています。

中国人は確実に裕福になっていますが、国への不信感やお金を稼ぐことが目的となってしまっている点、民度の低さなどが要因で日本に今でも魅力を感じています。

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