老化と寿命の謎　飯島祐一　要約

本の要点、概要

　日本人の平均寿命が84.5歳となるなど長寿化が進む中、自立して健康に過ごせる期間＝健康寿命をな場すことに重要性も増しています。

　科学の発展によって老化や寿命について様々な事が明らかになりつつあるなかで、老化について、知ることは健康寿命を長くすることができる可能性があります。

　また、老化について知ることは、人生の持ち時間の中で何に価値を置くかを考えるなど生き方を考えることにもつながるものです。

　老化は活性酸素、免疫機能の低下、老化細胞の蓄積、代謝回転の低下などが引き起こす様々な老化要因によって発生します。

　これらの要因が加齢によって起こることは避けられませんが、その影響を小さく、遅くすることは可能です。

　特に、高齢期には加齢による身体機能や認知、精神機能の低下であるフレイルを避けることが重要になってきます。

　老化とは何か、なぜ、老化が起きるのか、健康寿命を伸ばすにはどうすれば良いのかなどを知ることができる本になっています。

この本や記事で分かること

老化や寿命を知ることにどんな意味があるのか

　平均寿命の伸びとともに、ただ寿命を伸ばすだけでなく、自立して健康に過ごせる期間＝健康寿命にも大きな注目が集まっています。

　科学の発展によって、寿命や老化とは何なのか徐々に明らかになっており、老化について、知ることで健康寿命を長くすることができる可能性があります。

　老化や寿命について考えることは、人生の持ち時間の中で何に価値を置いていくかを考え、生き方を考えることにもつながることです。

どんな生物にも老化、寿命があるのか

　大腸菌などのバクテリアである単細胞原核生物は、餌と収容空間がある限り、増殖し続け、老化するという概念がありません。

　その後、産まれた真核生物で寿命のある生物が生まれるようになると、徐々に寿命のある種が増えていきました。

なぜ、生物は老化するのか

　老化の要因は主に以下の12個の要因で起きるといわれています。

・ゲノムの不安定化

・テロメアの短縮

・エピジェネティクス変化

・タンパク質恒常性の喪失

・オートファジー機能低下

・栄養感知の制御不全

・ミトコンドリア機能不全

・細胞老化

・幹細胞の疲弊

・細胞間情報伝達の変調

・慢性炎症

・腸内細菌叢の破綻

12の老化要因はどのように起きるのか

　以下のようなものが原因となり、老化要因が引き起こされてしまいます。　

・酸素を使ったエネルギーを生み出す過程で副産物として生み出される活性酸素による遺伝子やDNA、　　　　　　細胞などの損傷

・免疫機能の低下による疾病の増加や自己免疫疾患の誘発

・老化細胞の蓄積による慢性炎症や正常細胞の老化の加速

・代謝回転の低下による異常タンパク質の蓄積

老化を緩やかにし、健康で過ごすために必要なことは何か

　加齢による身体機能や認知、精神機能の低下であるフレイルを避けることが健康寿命においては重要なことです。

　フレイルは病気のように明確な数値での判定ではなく、

・筋力の低下

・歩行速度

・体重減少の有無

・疲労感

・身体活動の有無

　などで判別されます。

フレイルの予防には何が必要か

　フレイルを予防するには、栄養、運動、社会生活が重要です。また中年期では健康維持＝生活習慣病の予防でしたが、高齢期では心身機能の維持にシフトすることが大事です。

　歩行と同等以上の身体活動と筋力維持のためのトレーニングを行うことが効果的です。

　高齢者では、食べすぎを避ける以上に栄養不足を避けるべきです。特にタンパク質不足に注意が必要です。

　高齢者でも仕事、ボランティア、趣味などで社会参加をすることで心の不調を防ぐこともフレイルの予防には重要です。

本の要約