この本や記事で分かること
・高分子と何か
・高分子の特徴や利点
・高分子化合物の構造や特性による分類
高分子とは何か
高分子とは原子が共有結合でつながった巨大な分子のことであり、1930年代に発見されて以降、私たちの周囲に高分子があふれていることが明らかになり始めてきました。
動物の筋肉や髪の毛の構成物質であるタンパク質や植物を構成するセルロースもまた高分子でできています。
天然にある高分子だけでなく、プラスチックに代表される人工的に作られた合成高分子も多く存在しています。
衣類に使われるポリエステルやナイロンなどの合成繊維も合成高分子です。

プラスチックはなぜ、多くの場面で使用されるのか
高分子、特にプラスチックは多くの製品で利用されています。プラスチックができる以前には金属や木材などが利用されていた製品でもプラスチックが使用されるように変化しています。
プラスチックへの置き換えは以下のようなプラスチックの持つ特性によって進んできました。
・変形の容易さ
金属やセラミックなどと異なり、大きな変形が可能で、畳んだり、曲げたりしても元の形に戻すことが可能です。
・物性の幅広さ
有機材料を構成する元素自体は限られていますが、組み合わせは無限に存在しています。分子の形を適切に設計することで、物性を変化させ、様々な機能を付加することができます。

合成高分子はどのように作られるのか
合成高分子のほとんどは石油から作られています。
石油は分留によって、ガソリン、軽油、ナフサ(粗製ガソリン)、重油、灯油などに分けられます。
ナフサを原料として、エチレンやプロピレンなどが作られ、エチレンを重合させることで、ポリエチレンがプロピレンを重合させることで、ポリプロピレンなどの高分子を得ることができます。
高分子はどのような構造を持っているのか
高分子を構成する繰り返し単位のことを単量体、モノマーと呼びます。
ポリエチレンのモノマーはエチレンであり、エチレン同士がつながることで、ポリエチレンが形成されます。
モノマー同士がつながることを「重合」と呼び、様々なモノマーが重用することで、高分子が形成されています。
1種類のモノマーがつながっている高分子は単独重合体もしくは、ホモポリマーと呼ばれます。

モノマーの重合の進み方にはどのような種類があるのか
モノマーが複数種存在するような高分子も多く見られます。2種類以上のモノマーを重合することは「共重合」と呼ばれます。
AとBの共重合においても、重合の組み合わせ方や構造で様々な種類が存在しています。
AとBをはじめから混合させ、AとBが入り混じった構造のものは「ランダム共重合」と呼ばれます。Aを重合させてからBのモノマーを重合させるとAの重合物の末端にBの重合物が連なって生成します。このような共重合体を「ブロック共重合体」と呼びます。
AとBが交互につながったものは「交互共重合体」、Aの高分子にBの高分子鎖を枝分かれのように結合させた「グラフト共重合」などが挙げられます。

熱に対する特製で高分子はどのように分類されるのか
高分子の大きな分類として、「熱硬化性高分子」と「熱可塑性高分子」の二つがあります。
熱硬化性高分子とは、反応性のある官能基を持つ原料を加熱することで反応させ、結合させたものです。
結合が生成すると網目状の構造で結合をつくるため、加熱しても融けることがなくなります。
一方で、加熱することで柔らかくなる高分子も存在しています。このような高分子は熱可塑性高分子と呼ばれ、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用的な高分子は熱可塑性高分子です。
一度成形したものでも熱をかけることで、異なる形に成形できるという特徴があり、熱可塑性高分子のことを一般にプラスチックと呼んでいます。

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