この記事で分かること
- ダラス連銀とは:アメリカ連邦準備制度(FRB)を構成する12の地区連銀の1つです。テキサス州などを管轄し、金融機関へのサービス、銀行の監督、そして連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策議論に参加する役割を担っています。
- 金利据え置きが適切とした理由:インフレ率が目標(2%)に対して高すぎること、また、労働市場の冷え込みが緩やかで利下げを正当化するほどではないため、金利を据え置き政策の抑制効果を評価すべきとしています。
- FOMCとは:。政策金利(FFレート)の誘導目標を設定し、公開市場操作の方針を決定するアメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関です
ダラス連銀のローガン総裁の金利据え置きとの見解
ダラス連銀のローガン総裁は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置くことが適切となる公算が大きいとの見解を改めて示しています。
https://jp.reuters.com/markets/japan/UQA3RPEDHZKEHIY7R4BBE67L7Y-2025-11-21/
ローガン総裁は、インフレ率が予想より速いペースで低下している、あるいは労働市場でより急速な冷え込みが生じているといった説得力のある証拠が得られない限り、12月の追加利下げを支持するのは難しいだろうという姿勢を強調しています。
ダラス連銀とは何か
ダラス連銀(Dallas Fed)は、アメリカ合衆国の連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)の1つです。アメリカの中央銀行制度である連邦準備制度(FRS)を構成する12の地区連銀の一つであり、テキサス州ダラスに本店を置いています。
1. 連邦準備制度における位置づけ
- 正式名称: ダラス連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Dallas)。
- 管轄区域: 全米を12の連邦準備区に分けたうちの第11連邦準備区を管轄しています。この区域は、主にテキサス州、ルイジアナ州北部、ニューメキシコ州南部を含みます。
- 本店はダラスにあり、エルパソ、ヒューストン、サンアントニオに支店を構えています。
- 役割: 連邦準備制度理事会(FRB)の監督のもと、その管轄地域内で以下のような中央銀行の業務を遂行しています。
- 金融機関へのサービス提供(決済サービスの運営など)
- 管轄内の市中銀行の監督と規制
- 連邦準備券(ドル紙幣)の発行・流通
2. 金融政策における役割
ダラス連銀の総裁は、アメリカの金融政策を決定する会合である連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーです。
- FOMCでの権限:
- ニューヨーク連銀総裁は常任の議決権者です。
- その他の11地区連銀総裁は、4年間の持ち回り制で議決権を持ちます(常に議決権を持つのは5名)。
- ローガン総裁を含むすべての地区連銀総裁は、議決権の有無にかかわらず、FOMCの議論に参加し、経済状況や政策に関する意見を表明します。
3. 地域経済の視点提供
ダラス連銀は、管轄するテキサス州を中心とした地域経済に関する独自の調査や景況感レポートを定期的に発表しています。特に、テキサス州はエネルギー産業(石油・ガス)が盛んなため、その動向に関する調査は、全米の経済状況を判断する上でも重要な情報源となります。
ダラス連銀は、アメリカ中央銀行システムの一部として、地域経済の監視と、金融政策の議論にその管轄区域の視点を持ち込むという重要な役割を担っています。

ダラス連銀は、アメリカ連邦準備制度(FRB)を構成する12の地区連銀の1つです。テキサス州などを管轄し、金融機関へのサービス、銀行の監督、そして連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策議論に参加する役割を担っています。
政策金利を据え置くことが適切とした要因は何か
ダラス連銀のローガン総裁が、12月のFOMCで政策金利を据え置くことが適切とした主な要因は、以下の3つのタカ派的(金融引き締め重視)な懸念に基づいています。
1. インフレの持続的な懸念
最も大きな要因は、インフレ率が依然として高すぎるという認識です。
- 目標達成の遅れ: FRBの目標である2%のインフレ達成に向けて、「説得力のある証拠」が見られず、目標達成には時間がかかりすぎると懸念しています。
- コアインフレ: 特に、住宅を除くコアサービスなど、粘着性の高いインフレ指標の確実な低下が見られないことを指摘しています。
2. 労働市場の状況
労働市場の冷え込みが、利下げを正当化するほど急速に進んでいないと見ています。
- 「ほぼ均衡」: 労働市場は「ほぼ均衡している」か「緩やかな冷え込み」に留まっていると表現しています。
- 解雇の低水準: 最近の解雇発表にもかかわらず、解雇率や失業保険申請が依然として低い水準にあることをその根拠として挙げています。
3. 金融環境の緩和的な要素
政策金利を据え置くことで、現在の政策の「抑制的な度合い」を適切に評価できるとしています。
- 評価の高騰: 資産評価の高騰や信用スプレッドの縮小といった金融環境の緩和的な要素が、政策の引き締め効果を相殺している可能性があると指摘しています。
- 据え置きの必要性: 「さらなる緩和を支持する明確な証拠がない限り、当面の間金利を据え置く」べきだとしています。
ローガン総裁は、インフレ率が予想より速く低下するか、または労働市場がより急速に冷え込むといった「明確で説得力のある証拠」がない限り、追加の利下げを支持するのは難しいという姿勢を一貫して示しています。

ローガン総裁は、インフレ率が目標(2%)に対して高すぎること、また、労働市場の冷え込みが緩やかで利下げを正当化するほどではないため、金利を据え置き政策の抑制効果を評価すべきとしています。
FOMCとは何か
FOMC(Federal Open Market Committee)は、連邦公開市場委員会の略称で、アメリカ合衆国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。
これは、アメリカの中央銀行制度であるFRB(連邦準備制度理事会)が開く最も重要な会合で、日本の日銀金融政策決定会合に相当し、以下のような役割を担っています。
1. 政策金利の決定
- 最も重要な決定事項は、政策金利(フェデラル・ファンド(FF)レートの誘導目標)の設定です。
- この金利の引き上げ(利上げ)や引き下げ(利下げ)、または据え置きが、アメリカ国内はもとより、世界の金融市場(株価、為替、債券)に大きな影響を与えます。
2. 公開市場操作の方針決定
- 公開市場操作(国債などの売買を通じて市場の資金供給量を調整する量的緩和や量的引き締め)の方針を決定します。
3. 景気・物価の評価
- アメリカの経済情勢(GDP、雇用統計、インフレ率など)を議論・評価し、今後の経済見通しを発表します(四半期ごと)。
FOMCの構成メンバー
FOMCで投票権を持つのは、合計12名のメンバーです。
- FRBの理事 7名: 議長(現パウエル議長)を含む全員が常任の投票権を持ちます。
- 地区連銀総裁 5名:
- ニューヨーク連銀総裁:常に投票権を持つ常任メンバーです。
- その他 4名:残りの11地区連銀総裁が、1年ごとの輪番制で投票権を持ちます。(ダラス連銀のローガン総裁を含む全ての地区連銀総裁は、投票権の有無にかかわらず会合に参加し議論します。)
FOMCは通常、約6週間ごとに年8回開催されます。

FOMC(連邦公開市場委員会)は、アメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関です。政策金利(FFレート)の誘導目標を設定し、公開市場操作の方針を決定し、世界の金融市場に大きな影響を与えます。
利下げを主張している組織や団体はいるのか
政策金利の利下げを主張する声は、主に景気回復の促進や金融市場の安定を重視する立場から、複数の組織や団体、そしてFRB内部の一部高官からも上がっています。
利下げを主張する主な組織・団体・個人
利下げを支持する主な主体は、以下のように分類できます。
1. 政治的圧力(大統領や政権関係者)
- トランプ前大統領(当時): 過去には、当時のFRBのパウエル議長を公然と批判し、利下げを強く要求する発言を繰り返していました。政治的な理由から、景気刺激策として金利引き下げを求めることは、どの大統領にとっても共通して見られる傾向です。
2. FRB内部の「ハト派」高官
利下げに前向きなFRB高官は「ハト派」と呼ばれます。彼らは、インフレリスクよりも景気後退リスクや雇用の悪化を重視します。
- 一部のFRB理事: 過去のFOMCでは、利下げを主張するとして反対票を投じた理事や、景気後退や労働市場の弱さを懸念して利下げを支持した理事(例:クックFRB理事)が確認されています。
- 利下げを支持する主な根拠は、「労働市場の環境が予想より弱い」ことや、「インフレの粘着性よりも景気悪化のリスクを上回る」という考え方です。
3. 金融市場関係者・エコノミスト
- 一部の市場参加者: 株価や債券価格の上昇を期待する金融市場は、しばしばFRBに対して利下げを「催促」するような動き(長期金利の低下など)を見せることがあります。
- 一部の景気ウォッチャー: 景気減速の兆候や、デフレへの移行リスクを強く懸念するエコノミストは、経済成長を刺激し、金融引き締めによる行き過ぎた景気後退を避けるために利下げが必要だと主張します。
利下げを主張する背景
利下げを主張する側の基本的な論理は、金利を引き下げることで借り入れコストを下げ、経済活動を刺激することにあります。
- 企業:設備投資や事業拡大のための資金調達が容易になる。
- 個人:住宅ローンや自動車ローンなどの金利が下がり、消費が促される。
ローガン総裁のようなタカ派がインフレ抑制を最優先するのに対し、利下げ主張派は景気回復と雇用最大化を優先するという違いがあります。

利下げは主に景気後退リスクを懸念するハト派のFRB高官や、景気刺激と株価上昇を望む一部の金融市場関係者、経済成長を重視する一部のエコノミストなどが主張しています。

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