本の概要
わかりやすい説明をすることは仕事で欠かすことができない反面、多くの人が悩んでいることです。
話し方は思考で決まるため、どのように考えるのかが話し方を決めるといえます。
数学的な思考を行うことで、数学的な話し方を取り入れることあできるようになり、わかりやすい説明を行うことが可能になります。
数学的なビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、延べ1万人以上を指導してきた社会人教育の専門家である筆者によって、数学的話し方とは何か、どのようなトレーニングを行ったほうが良いのかなどが豊富な例題とともに知ることができる本になっています。
この本がおすすめの人
・自分の説明能力に自信がない人
・よく説明が分かりにくいと言われ、改善したい人
本の要約
話し方は仕事で能力の有無の判断にされることも多く、うまく説明したいと思っている人も多いはずです。
話かたは思考法=どのように考えるかで決まる面が大きいため、数学的な思考を身に着け、数学的な話し方をすることでわかりやすい説明ができるようになります。
数学そのものが説明する学問であるため、数学的な説明は相手に伝わりやすい説明になります。
ただし、数学的な説明=数字を多用した説明ではないことに注意が必要です。
数学的な思考は以下の5つを組み合わせて行います。
・定義
・分解
・比較
・構造化
・モデル化
数学では、まず定義を行い、次に分析(分解と比較)、最後に体系化(構造化とモデル化)という順序で問題を解きますので、同じように考えることが数学的な思考法になります。
説明のうまい人は、導入→主張→解説→結論という順序で説明を行っています。
導入部で定義を行い、主張の根拠となる解説を分類、比較、構造化、モデル化で行うことが数学的な話し方になります。
話し方を変えることで人生もかわるため、数学的な話し方は人生をも変える力をもっています。
数学的な話し方にはどんな良さがあるのか
仕事では話し方で能力を判断されることも多く、話し方で悩む人は少なくありません。
話し方は思考で決まる面が大きいため、どのように考えるかが話し方を決めています。
数学的な思考を身に着けることで、数学的な話し方をすることが可能になり、わかりやすく、高く評価される話し方ができるようになります。
数学的な思考を身に着け、話し方を変えることで分かりやすい高く評価される話し方ができるようになります。
なぜ、数学的な話し方はわかりやすいのか
数学とは説明のことといえます。定理はあるものごとを説明した結果ですし、計算も答えを導き出す説明です。
そのため、数学的な説明を身に着けることで、話し方がかわり、説明がうまくなるようになっていきます。
数学的な思考とは数学をするときに頭の中でする行為のことになります。
数学は説明のこととも言え、話し方に数学を取り入れることで説明が分かりやすくなります。
数学的な思考はどのように考えることなのか
数学的な思考は以下の5つの組み合わせで物事を考えていきます。
・定義:Aとは~であると定めること
・分解
・比較
・構造化:つくりから特徴をとらえたり、類似のつくりのものを見つける
・モデル化:型にすること
数学はまず定義を行い、次に分析(分解と比較)最後に体系化(構造化、モデル化)を行うことで物事を説明する学問です。
この順序で数学的な思考や話し方をすることで納得感のある説明ができるようになっていきます。
数学的な話し方=数字を使うことではなく、数学を考える際と同じ手順を使って話すことです。
数学と同じように、まず定義を行い、次に分析(分解と比較)最後に体系化(構造化、モデル化)する考えることが数学的な思考となります。
話し方で気をつけるべきなのは何か
説明のうまい人は以下のような型で話していることが多く見られます。
導入→主張→解説→結論
数学も同じような順序で問題を解くことが多いことが、数学的な話し方が有効な理由です。
話したいことがあり、話し方を考えるときには主張と結論はすであるので、考えるべきは導入と解説になり、話し方で差が出るのはこの導入と解説の部分になります。
定義で導入を、分類、比較、構造化、モデル化を組み合わせて解説の部分を組み立てることが数学的な話し方になります。
・話し方の構造を導入→主張→解説→結論にすること
・導入で定義を行い、分類、比較、構造化、モデル化を組み合わせて解説の部分を組み立てること
の二つがうまい話し方をするさいに気を付けるべきこととなります。
定義ではどんなことを話すべきなのか
ビジネスシーンでは短時間で要点をはっきりと伝えなくてはならない場面も多く、話の導入部でキチンと定義をおこなわないと認識がズレてしまい、話が伝わなくなってしまいます。
定義すべき点としては以下のようなものが考えられます。
・言葉の意味
・時間:どれくらい話すのか
・前提:本題に入るまえに誤解されやすい点を話して置く
・目的:情報共有なのか相談なのか
言葉の意味を定義することで、理解されなくなることを防ぎ、時間、前提、目的を定義することで相手がどういうつもりで聞けばいいかをコントロールすることができるようになります。
ビジネスシーンでは短く、正確に物事を伝える必要があります。
そのため、相手との認識があうように定義を行うことを意識することが必要です。
分解とはどんな思考なのか
分解という言葉は分けることと解ることの組み合わせで、数学では因数分解など分けて問題を解く時がよく見られます。
物事を理解するには、その構成要素が分かることが必要であり、分解が有効です。
難しいことを小さく分けて考えたり、難しい伝達も小さく分けて伝えることでやりやすくなるのも分解の効果といえます。
説明したい内容と要素を矢印でつないだ図を描いたり、イメージすると話の内容を分解しやすくなります。
説明が上手な人は自分の中で、分解をした後に話しているからわかりやすく話すことができています。分解しながら話すのではなく、分解してから話すように準備することが重要です。
分解とは分けて、解ることです。物事を構成要素に分解することで理解、伝えやすくなります。
比較はどのような思考なのか
頭のいい話し方をする人は巧みに比較を用いています。
話す内容に意味を持たせることは、わかりやすい説明には欠かせません。話している内容がどんな意味をもっているかを相手に理解してもらうことは非常に重要です。
比較は話す内容に意味づけさせる効果があるため、説明を分かりやすくすることができます。
比較は良いものと悪いものの差、今と過去との差などから比較を行うことができるため、引き算することで行うことができます。
複数の比較を使って話すことで、話の内容がより具体性、意味性を増すため分かりやすく、伝わりやすく、聞きやすい内容となります。
話には数字を入れるべきともいわれますが、無理に数字を入れると根拠がない数字となるなど説明の説得力を高めることはできません。
分解と比較をおこなおうとすると自然と必要な数字を用いるようになり、わかりやすい説明ができるようになります。
比較は話す内容に意味を持たせることができるため、相手が理解をしやすくなる効果があります。
比較は過去と現在との差など引き算を行うことで行うことができます。比較を行うと自然と数字を使うようになる点もわかりやすい説明となる要因です。
構造とはどんな思考なのか
構造とはつくりのことで、数学では違う内容であっても構造が同じであれば、以下のように同じような解き方をすることができます。
・Aが分からない
・A=B(AとBは同じ構造である)
・Bならわかる
・Aも分かる
たとえ話が分かりやすいのはAと同じような構造であり分かりやすいBの話をすることで、Aの理解をすることができるためです。
あるものと構造が同じものを見つけるためには、あるものが何で構成されているか?それを作っているものは何?という問いをし、同じものからできているものを探すことで構造が同じものを見つけることができます。
構造とはつくりのことで、違う内容でも構造が同じであれば同じような解き方ができます。新しいこと、難しいことでも、同じ構造の経験のあることを探すことができれば、簡単に解くことができます。
モデル化とは何か
「~はこういう性質(法則)がある」と言語化することがモデル化です。
主張したいことを多くの人が正しいと評価する法則にあてはることできれば、説得力を増すことができます。
多くのモデルや法則を理解しておき、適切に使用することで、自分の主張の説得力を増すことができます。
数学では確実のモデル化は確実に正しいことを説明しますが、数学的ではあくまで正しそうに説明することが目的で、自分の主張を正しそうに伝えるために行うことです。
モデル化は「~はこういう性質(法則)がある」と言語することで、既存の法則などを自分の主張にあてはめることで説得力を増すことができます。
ただし、数学のモデル化と違い確実に正しい必要はありません。
数学的な説明はどんなことをもたらすのか
わかりやすく簡潔に話せるようになることで、仕事がスムーズに進むようになれば、人生に充実感や自身をもたらします。
話し方が変わることで人生も変わります。数学的な話し方をすることで、話し方を変えることができれば、人生が変わっていきます。
数学的な説明でわかりやすい説明が可能になれば人生が変わっていきます。
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