AI分析で分かった トップ5%リーダーの習慣 越川慎司 Discover21 3分要約

3分要約

なぜリーダシップを学ぶのか

 変化の多い時代では言われたことだけをやるのではなく、自分から動くことが重要になる。そのためにリーダシップは全ての人が持つべきマインドセットになっている。

なぜトップ5%リーダーの習慣を学ぶのか

 様々な言動を分析した結果トップ5%リーダーとその他のリーダの間には大きな違いがあった。またそれらを真似し取り入れることで、その他リーダも成果を出せることため。

トップ5%リーダの習慣とは

・共感を用いてフラットな関係を築き、メンバーが自分で行動することを促している。

・チームを成長させるために必要なことを考え、長期的な成功を目指している。

・意識ではなく行動を変える工夫をしている。

・How(どのように)ではなくWhy(なぜやるのか)を最優先に考えている。

・行動実験で選択肢を増やし、変化に対応し失敗確率を下げるながら成功するまで行動している。

リーダーシップは全員が持つべきマインドセットになっている

 世界の変化が激しくなり、正解の行動がわからない時代では、言われたことだけをやるではなく、自分から動かないと劣化してしまう。このような時代ではリーダーシップは組織を牽引する管理職のものではなく、全員が持つべきマインドセット。

 優秀なリーダーは突出した成果を出す人ではなく、突出した成果を出し続ける組織を作る人。個人ではなく組織で複雑な問題を解決していく。

 本書ではAIのよって分析されたトップ5%リーダーの言動を知ることができる。

トップ5%リーダーとその他のリーダーには大きな違いがあった

 本書では会議の録画データやカレンダー、アプリなどの利用歴やチャットでの会話履歴、メールの送受信、作成した資料やヒアリングデータ、アンケートなど様々なデータを分析し、リーダーの言動を分析している。

 分析の結果、トップ5%リーダーとその他95%のリーダーの間には大きな違いがあった。また、トップ5%社員とも違いが見られた。

 コロナによってコミュニケーションは大きく変化したが、5%リーダーは共感と共創を目指すことで変化に対応しようとしていた。同情ではなく共感を、一方的な提案ではなくともに考え抜く行動がチームにも浸透し、強固な人間関係の構築が変化が起きても協力体制を維持し、目標達成につながることを理解していた。

 5%リーダーの言動を抽出し、95%リーダーにも実施してもらったところ、91%の人が満足し、89%が現場に戻っても行動の変化を実感していた。行動習慣を参考にすることで効率的に成果を出すことができる。

5%リーダに共通してみられる行動がある

・歩くのが遅い

 遅く歩くことで意図的に時間と気持ちの余裕を作るようにして、気軽に話しかけられる間を作っている。

・話が短い

 発現頻度は多いが、発言時間は短い。意義、目的、数字を絡めてコンパクトに話すことを意識しており、話すことではなく伝えることに重点を置いている。

・フラットな関係を築き、性善説でチームを率いる

 メンバーの上に立つのではなく、それぞれに得手不得手があることを前提にし、役割分担し同じ方向に向けて切磋琢磨していく。

・失敗確率を下げる

 やることを決断すると同時にやめることも決断する。失敗の原因を掘り下げ、同じ失敗をしないことで成功に近づけることを理解している。

・共感を重視する

 対話を重ねて、信頼関係を構築し、情報よりも感情の共有を重視することで、メンバーが自分で行動することを促す。

その他リーダーには共通してNG行動をとりがち

・正解を教える

 正解を教えてしまうと自分で考えなくなり、リーダーの考えに従うだけでになってしまう。メンバーに課題設定力と課題解決力を身に着けさせるために、あえて答えを教えず、答えの出し方をサポートする。なぜを繰り返すことで問題の本質を追求しようとする。

・すべてのことを見える化しようとする

 見えない部分への不安から、管理対象を増やしマイクロマネジメントに走ってしまう。見えない部分があることを理解し、自由と責任を与えることで自走する組織を目指すのが5%リーダー。

・タスク管理をメイン業務と考えている

 タスク管理は重要だが、十分条件ではない。5%リーダーは仕事の受ける受けないの判断に力を入れていれ、受けた仕事の効率を高める工夫をしている。

・感情で相手をコントロールしようとする

 失敗したときに相手を起こるなど怒りで相手をコントロールすることもできるが、恐怖でコントロールされていると自分で考えて動くような人材にはならない。結果ではなく、良好な関係構築に力を入れている。

チーム全体の底上げを一番に考えている

トップ5%リーダは8つのルールを意識している割合が一般的なリーダーに比べ多い。

・やる気をあてにしない

 やる気に頼らずにタスクを進める仕組みを確立している。

・チームで解決する

 リーダーが必要なのはチームで目標を達成するため。メンバーの個々の強みを生かし、複雑な課題にスピード感を持って解決することが目標となる。How(どのようにやるか)よりもWhy(なぜやるのか)を意識し長期的な成功を目指している。

・異質を歓迎する 

 能力をかけ合わせることでチーム力を上げることを意識している。優秀なメンバーの苦手な部分を他のメンバーで補完し成果を挙げることを意識していることがおおい。他のメンバーも自分の得意な部部に気づくことができより成長できるようになる。

・ストイックにならない

 個人の業務遂行能力には限界があることを理解しており、がむしゃらに仕事を進めることをリスクと考え精神と時間に余裕を持つようにしている。仮に頑張っているときでも、隠れて行い、あまりメンバーにはプレッシャーを与えないようにしている。

・根回しを構造化する

 社内のパワーバランスを把握し、構造化し効率的に行えるようにしている。

・伝えるではなく、伝わるを目指す

 コミュニケーションが一方的でなく、相手を主役とし理解しているかを重視する。

先にやめることを決める

 仕事をやるか決断する際に実現性とインパクトを意識する。実現性もインパクトも低いものや、実現性は高いがインパクトの低いものをやめるようにする。

・心と体で聴く

 相槌やうなずきの使い方がうまく、よい間を持つため、聞き上手である。口角を上げることで相手に安心感を与えていることも多い。

自身が成長するための行動も5%リーダーとその他では違う

・学習 

新しいことを学ぶ意欲が高い一方で、学んだこと手放す覚悟を持っている人も多く、内省する時間をあらかじめ予定に組み込んでいるひとも多い。

・チャンス

 トップ5%リーダーはチャンスは人がもたらすものと考えており、人に対し興味関心をもち、人との接触を遮断しない。

 意識を変えるのではなく、行動を変えることで自分を成長させている。

・人との関係性

 自分の弱みも含めた情報を開示することで相手にも腹を割って話したいと思わせようとしている。

チームを活性化させることに重点を置いている

 チームを活性させるアイディアも5%リーダーに共通するものは多い。

・意識の前に行動を変える

 意識改革が難しいことを理解しており、先に行動を変えて、結果的に意識を変えることを目指している。より多くの行動が学びにつながり、次の行動に行かせると考えており、小さな失敗を積み重ねて最終的に大きな成功に結びつけている。

 また、メンバーにも小さな行動の変化を促し、行動を変えたら承認するようにし、行動変容を行いやすいようにしていた。

・成功の後にWhyを繰り返す

 一般的な管理職は失敗したときにWhoを探る傾向にあるが、うまくいったときにの原因を探ろうとしない。5%リーダーは再現性のある成功を求めるため、失敗したときは反省し、成功したときはその要因を探ろうとする。失敗の後の反省は多くの人が行うが、行動に差が出るのは成功した後。

・暇な振りをする

 トップ5%リーダーは時間に余裕がなくても忙しいと発言せず、隙間時間を作り、メンバーから気軽に話しかけられる時間を作っている。

 今ちょっといいですかと話しかけられた時にアイディアは出やすいため、言いやすい雰囲気を作っている。

・解決策を考えない

 一般的な管理職は課題に対し、どうやって解決するか=Howを考えるが、本質的な解決にはつながらない。5%リーダーはHowではなく、なぜ=Whyを掘り下げて根本原因を見つけようとする。

・指示代名詞を避ける

 あれ、これ、それなどの指示代名詞を避けることで相手に確実に伝わることを意識していた。形容詞や副詞を多く使い、自分の持つイメージを共有することでより相手に伝わりやすいことを目指していた。

・共感する

 5%リーダーはフラットな関係の構築を心がけるため、哀れみから生まれる同情ではなく、信頼から生まれる共感を重視する。一緒に行動して、一緒に振り返ることで学びを得ようとしている。

・相手のエネルギーを高める褒め方をする

 メンバーの能力やセンス、行動をほめることで相手に興味関心があることを示している。メンバーに第3者が褒めていた伝える、ネガティブなフィールドバックは最後に持ってくるなどの行動も多く取っていた。

 5%リーダーのまねをすることで大きな効果がある

 トップ5%リーダーの行動を抽出し、一般の管理職にも試してもらうと大きな効果をあげることができる。

 何を話しても自分は安全であると感じている状態である、心理的安全性があるチームが目標を達成しやすいことがわかっている。心理的安全性がなく、過剰な忖度や気づかいを持つと生産性を落としてしまったたり、否定されることを恐れ自分の意見を出すなくなる。

 会議の冒頭を雑談にすることは心理的安全性をたかめる効果があり、会議が時間通り終わる率が上がった。

 一対一での面談でもメンバーに話をさせることや行動に対する内省を一緒に行うことで改善が見られた。内省の効果は大きく毎週金曜日に15分の内省を行った企業は残業を18%減らすことができた。

・うなづきを変えるだけでメンバーの働きがいがUP

 5%リーダーのうなずきは深く、ゆっくりという特徴があり、それを一般的な管理職にも実行してもらうとメンバーとの意思疎通が取りやすくなり、働きがいも6%UPした。

・リモート

 コロナ禍に伴うリモート会議でも5%リーダーの工夫が見られる。冒頭カメラをONにし、自分から雑談することでカメラをONにしてくれる人も増える傾向が見られた。

・依頼の仕方にも工夫がある

 何かを依頼する際に相手のメリットを提示し、引き込だ後に具体的なアクションを説明し、最後にアクションをする障壁を下げるという構造を取っていることが多い。

 このような構造であればアクションを起こしてくれる人は大きく増加する。

・5つのNGワードを使わないようにするとミーティングの質量ともに増加する

「最近どう?」「最近忙しい?」「だらだらやってない?などの性悪説の声掛け」「だけで、でも、どうしても、どうも」「テレワークでのあれ、これ、それ」の5つをNGとすることでメンバーと話しやすくなり、関係性をたかめることができ、働きがいを感じやすく、目標達成確率が増加した。

・個人に依存せずチームの総合力を上げる

 5%リーダーは成功を何かに依存することを避けるため、エース級メンバーに頼るのではなく、他のメンバーとペアを組ませて効果をさらに上げるようにしている。ペアを組ませることでエースの有給取得率が上がり、離職率も下がる傾向にあった。

5%リーダーは地道な努力で失敗確率を下げ、成功するまで行動する

 トップ5%リーダのイメージは幹部候補生であり、交渉力があり、メンバーを力強く引っ張っていくイメージであった。実際にはやる気に依存しない仕組み造りや根回しの構造かなど地道な特徴があることがわかった。

 行動実験によって、行動の選択肢を増やし、変化にしなやかに対応できることが、5%リーダーの大きな特徴。新たな行動には必ずデメリットがあるが、変化を生き抜くにはメリットが上回るのであれば、行動を起こすべき。

 成功確率が高いのではなく、小さな失敗を繰り返し、行動を修正し、失敗確率を下げながら成功するまで行動している。

 行動なくして変化なし 変化なくして幸福なし。5%リーダーの言動を知り実践することで自身も変化することが変化の多い時代に対応するためには欠かせない。

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