この記事で分かること
・バミノルニス・ジェンヘンシスはどんな鳥なのか:約1億5000万年前のジュラ紀後期に生息していた新種の鳥類で始祖鳥よりも原生鳥類に近い特徴を持つ
・バミノルニス・ジェンヘンシスの発見にはどんな意味があるのか:原生鳥類に近い特徴を持っているため、ジュラ紀の鳥類がこれまで考えられていたよりも多様で、地理的にも広範囲に分布していたことを示唆しています
バミノルニス・ジェンヘンシスの化石発見
中国福建省で約1億5000万年前のジュラ紀に生息していた新種の鳥類、バミノルニス・ジェンヘンシス(Baminornis zhenghensis)の化石が発見されました。
この発見により、鳥類の起源が従来の推定より約2000万年遡る可能性が示唆されています。
バミノルニス・ジェンヘンシスはどんな鳥なのか
バミノルニス・ジェンヘンシス(Baminornis zhenghensis)は、約1億5000万年前のジュラ紀後期に生息していた新種の鳥類で、2025年に中国福建省政和県で発見され、以下のような特徴を持っています。
- 短い尾: 始祖鳥が長い尾を持つのに対し、バミノルニスは現生鳥類のような短い尾を持ち、扇状に広がる尾羽を支える尾端骨(ピグスティル)を備えていました。
- 体重: 約100~130グラムで、ウズラ程度の大きさでした。
- 骨格構造: 肩帯と骨盤帯は現生鳥類に似ている一方、前肢の構造は非鳥類型恐竜に近い特徴を持っていました。
この発見により、短い尾を持つ鳥類の出現時期が従来の推定より約2000万年遡ることが示され、ジュラ紀後期には鳥類の多様性が既に高まっていたことが明らかになりました。
バミノルニスの存在は、鳥類の進化が複雑で多様な過程を経ていたことを示し、恐竜から現生鳥類への移行に関する新たな洞察を提供しています。

バミノルニス・ジェンヘンシス(Baminornis zhenghensis)は、約1億5000万年前のジュラ紀後期に生息していた新種の鳥類で、始祖鳥よりも原生鳥類に近い特徴を有しています。
始祖鳥とはどんな鳥なのか
鳥類の起源としては、始祖鳥が有名で、以下のような特徴を持っています。
始祖鳥は約1億5000万年前のジュラ紀後期(ティトニアン期)に生息していた鳥類の最古の化石の一つであり、恐竜と現代の鳥類をつなぐ「ミッシングリンク(失われた環)」として有名です。
特徴
- 恐竜的特徴
- 鋭い歯を持つ顎
- 長い尾に沿って骨が連なっている
- 3本の爪のある指(飛ぶだけでなく木をよじ登る可能性)
- 体の構造が小型の獣脚類(例:ヴェロキラプトル)に類似
- 鳥類的特徴
- 羽毛が生えている(飛行に適した構造)
- 翼を持つ
- 鳥に似た軽量な骨格
飛行能力
- 始祖鳥は、現代の鳥のように効率的な飛行をしていたわけではなく、滑空や短距離の羽ばたき飛行が可能だったと考えられています。
- 胸骨(キール)が発達していないため、現代の鳥のような強力な飛翔筋は持っていなかった可能性が高いです。
化石の発見
- 最初の化石は1861年にドイツのゾルンホーフェン石灰岩層から発見されました。
- これまでに約12の標本が見つかっており、羽毛の詳細や骨格構造の研究が進められています。
進化の意義
近年の研究では、始祖鳥は「現代鳥類の直接の祖先」ではなく、恐竜から鳥へと進化する途中の一系統と考えられています。
始祖鳥の存在は、「恐竜から鳥への進化」を示す決定的証拠の一つとされ、ダーウィンの進化論を裏付ける化石としても注目されました。
一方で、現在のところ、始祖鳥(Archaeopteryx)の化石はドイツ以外では発見されていないため、鳥類の進化には謎も多くあります。

始祖鳥は約1億5000万年前のジュラ紀後期(に生息していた鳥類の最古の化石の一つであり、恐竜と現代の鳥類をつなぐ存在とされています。
近年んの研究から、始祖鳥は「現代鳥類の直接の祖先」ではなく、恐竜から鳥へと進化する途中の一系統と考えられています。
始祖鳥とバミノルニス・ジェンヘンシスはどちらが古いのか
鳥類の起源としては、始祖鳥が有名です。どちらも約1億5000万年前(ジュラ紀後期)に生存してたことが明らかになっています。
始祖鳥とバミノルニス・ジェンヘンシスには以下のような違いがあります。
バミノルニス vs. 始祖鳥
特徴 | バミノルニス | 始祖鳥 |
---|---|---|
生息時期 | 約1億5000万年前(ジュラ紀後期) | 約1億5000万年前(ジュラ紀後期) |
尾の形状 | 短い尾、ピグスティル(尾端骨)あり | 長い骨のある尾 |
飛行能力 | 始祖鳥よりも飛行適応が進んでいた可能性 | 滑空や短距離飛行が可能だった |
骨格の進化度 | 鳥類に近い | 恐竜的な特徴を多く残す |
バミノルニスは「始祖鳥より進化した鳥類」
始祖鳥と同じ時代に生息していたが、尾の形状などの特徴から、始祖鳥よりも鳥類としての進化が進んでいると考えられる。
短い尾とピグスティル(尾端骨)は、より飛行に適した構造であり、現生鳥類の特徴に近い。
しかし、骨盤や翼の構造にはまだ恐竜的な特徴も残るため、完全な「現生鳥類型」ではない。

始祖鳥とバミノルニス・ジェンヘンシスは同時期に存在していましたが、バミノルニス・ジェンヘンシスのほうがより原生鳥類の近い特徴を持っています。
バミノルニス・ジェンヘンシスの発見はジュラ紀の鳥類がこれまで考えられていたよりも多様で、地理的にも広範囲に分布していたことを示唆しています。
ジュラ紀はどのような特徴を持った地質時代だったのか
ジュラ紀(Jurassic period)は、約2億130万年前~約1億4500万年前の時代で、中生代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀)の2番目の時期にあたります。ジュラ紀は、恐竜が地球上で繁栄し、最初の鳥類が進化し、海や空にも多様な生物が広がった時代です。
1. 大陸と気候
- 超大陸パンゲアが分裂開始
- 三畳紀には一つだった超大陸パンゲアが、ジュラ紀になると**ローラシア大陸(北半球)とゴンドワナ大陸(南半球)**に分かれ始めた。
- 温暖な気候
- 氷河がなく、全体的に温暖で湿潤な環境だった。
- 降水量が増え、シダ植物や針葉樹が繁栄し、広大な森林が形成された。
2. 生物の進化
① 恐竜の時代
- ジュラ紀は恐竜が本格的に繁栄した時代で、多くのグループが進化した。
- 代表的な恐竜
- 草食恐竜:ブラキオサウルス、ディプロドクス(巨大な竜脚類)
- 肉食恐竜:アロサウルス、ケラトサウルス(大型の獣脚類)
- 装甲恐竜:ステゴサウルス(背中に板を持つ)
② 鳥類の祖先の登場
- 始祖鳥(Archaeopteryx)が登場
- 恐竜から鳥への進化の証拠となる羽毛を持った生物が出現。
- まだ飛行能力は低く、恐竜と鳥の中間的な特徴を持っていた。
③ 海の生物
- 海では、**爬虫類(魚竜・首長竜)**が栄えた。
- イクチオサウルス(魚竜):イルカのような姿で素早く泳ぐ。
- プレシオサウルス(首長竜):長い首を持つ海の捕食者。
- **アンモナイト(殻を持つ軟体動物)**も大量に生息し、ジュラ紀の代表的な化石として知られる。
④ 昆虫や哺乳類
哺乳類も存在したが、小型で主に夜行性だった。
昆虫類が多様化し、トンボや甲虫の祖先が進化。

ジュラ紀は、恐竜が陸上で支配的になり、鳥類の祖先が現れ、海や空でも多様な生物が栄えた時代でした。温暖な気候とパンゲア大陸の分裂によって、生物の進化が加速した重要な時期でもあります。
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