この記事で分かること
・なぜ、株価が反発したのか:肥満症治療薬(GLP-1受容体作動薬など)の製造に不可欠な材料であるシリカゲルを製造しており、需要の増加に備え、増産を予定しているため
・シリカゲルとは何か:シリカゲル(Silica Gel)は、多孔質の二酸化ケイ素(SiO₂)からなる物質で、高い吸湿性、吸着性を活かして、様々な分野で利用されています。
・治療薬の製造でどのように利用されるのか:薬の精製・分離、反応を促進する触媒を固定するための担体として利用されています。
大阪ソーダの株価大幅に反発
大阪ソーダの株価が、大幅に反発したことがニュースになっています。これは、同社が医薬品製造に使用されるシリカゲルの増産を急ぐと報じられたことが背景にあります。
シリカゲルは、肥満症治療薬の製造過程で必要とされる重要な素材であり、現在その需要が急増しています。大阪ソーダは、2026年度の稼働を目指して兵庫県尼崎市や松山市の工場で設備増強を進めています
シリカゲルとは何か
リカゲル(Silica Gel)は、多孔質の二酸化ケイ素(SiO₂)からなる乾燥剤や吸着剤として広く使われる材料です。見た目は透明または白色の細かい粒子で、高い吸湿性を持つため、さまざまな用途に活用されています。
シリカゲルの特徴
- 高い吸湿性
- 自重の約30〜40%の水分を吸収できる。
- 湿度が高い環境で水分を取り込み、乾燥した環境では放出する性質を持つ。
- 化学的に安定
- 高温や多くの化学薬品に対して安定であり、反応しにくい。
- 再利用可能
- 吸湿した後も加熱することで水分を放出し、繰り返し使える。
シリカゲルの用途
乾燥剤(最も一般的な用途)
食品(海苔、お菓子)や医薬品の包装に使用され、湿気による品質劣化を防ぐ。
革製品、電子機器、衣類などの防湿にも使用。
吸着剤・触媒担体
化学工業では、気体や液体中の不純物を除去するための吸着剤として利用。
触媒の表面積を増やすための担体としても用いられる。
医薬品製造
医薬品の製造過程で使用される精製・分離材料として重要な役割を果たす。
最近では肥満症治療薬の製造過程でも使用され、需要が急増している。
クロマトグラフィー(化学分析)
混合物を分離するための固定相として利用される。

リカゲル(Silica Gel)は、多孔質の二酸化ケイ素(SiO₂)からなる物質で、高い吸湿性、吸着性を活かして、様々な分野で利用されています。
シリカゲルは肥満の治療剤の製造でどのように利用されるのか
シリカゲルは肥満症治療薬の製造工程で重要な役割を果たします。特に、最近話題のGLP-1受容体作動薬(例:セマグルチド、リラグルチド)などの新しい肥満症治療薬の生産に関与しています。
シリカゲルが肥満症治療薬の製造に使われる理由
- 薬の精製・分離に使われる
- シリカゲルは、化学的に安定で多孔質な構造を持つため、クロマトグラフィーという手法で薬の有効成分を精製する際に利用されます。
- GLP-1受容体作動薬の合成過程で、不純物を除去し、高純度の薬剤を得るために使われます。
- 担体(キャリア)として利用される
- 一部の薬剤では、シリカゲルが有効成分の安定化や徐放化(ゆっくり放出する)のために使用されることがあります。
- 特に、経口薬(飲み薬)で有効成分の吸収をコントロールする目的で用いられることもあります。
- 触媒担体としての利用
- 医薬品合成の過程で、化学反応を促進する触媒を固定するための担体として、シリカゲルが利用されることがあります。
- これにより、より効率的かつ大量に薬剤を生産できるようになります。

シリカゲルは肥満症治療薬(GLP-1受容体作動薬など)の製造に不可欠な材料として使われています。製薬業界の成長に伴い、シリカゲルの需要も急増しているため、大阪ソーダなどのメーカーが増産に踏み切っています。
GLP-1受容体作動薬でなぜ食欲を抑制出来るのか
GLP-1受容体作動薬が食欲を抑制できる理由は、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンの作用を強化するからです。GLP-1は、もともと人間の小腸で分泌されるホルモンで、食事に反応して血糖値を調整したり、食欲を抑えたりする働きがあります。
GLP-1受容体作動薬のメカニズム
1. 脳(視床下部)への作用 → 食欲抑制
- GLP-1は脳の視床下部(食欲をコントロールする部位)に作用し、「満腹感」を強く感じさせる。
- その結果、食欲が低下し、自然と食事量が減少する。
- GLP-1受容体作動薬は、この効果を長時間持続させることで、過食を防ぎ、体重減少を促進する。
2. 胃の動きを遅くする(胃排出遅延)
- GLP-1は胃の動きを遅くし、食べたものが小腸に送られる速度を低下させる。
- これにより、食後の満腹感が長く続き、間食や食べ過ぎを防ぐ。
- 胃がゆっくり動くことで、血糖値の急上昇も防げる。
3. 血糖値の調整(インスリン分泌促進 & グルカゴン分泌抑制)
- GLP-1は膵臓に作用し、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌を促す。
- 同時に、グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)の分泌を抑え、食後の血糖値上昇を防ぐ。
- これにより、糖尿病のコントロールにも役立つ。
GLP-1受容体作動薬の代表的な薬
- セマグルチド(商品名:ウゴービ、オゼンピック)
- 肥満症・2型糖尿病治療に使われる。
- 週1回の注射または経口薬(飲み薬)あり。
- 体重減少効果が大きい(10%以上減少することも)。
- リラグルチド(商品名:サクセンダ、ビクトーザ)
- 毎日1回の注射が必要。
- 体重減少効果はセマグルチドよりやや弱いが、食欲抑制効果がある。
- デュラグルチド(商品名:トルリシティ)
- 2型糖尿病治療向け。
- 週1回の注射で済む。
なぜGLP-1受容体作動薬が注目されているのか?
- ダイエット効果が科学的に証明されている
- 既存の食欲抑制剤よりも安全で、長期間使用できる。
- 食欲を自然に減らすため、無理なく体重を減らせる。
- 糖尿病と肥満の両方に効果がある
- 血糖値のコントロールができるため、糖尿病治療薬としても有効。
- 有名人の使用で話題に
- 米国や欧州ではハリウッドスターやセレブが使用し、「肥満症治療薬=ダイエット薬」として認知されるようになった。
- 市場が急拡大し、製薬業界が注目
- 肥満症治療薬市場が急成長し、GLP-1関連の製品開発が活発化。
- 大阪ソーダのシリカゲル増産も、この流れに対応する動きの一つ。

GLP-1受容体作動薬は、脳・胃・膵臓に作用して食欲を抑え、血糖値をコントロールすることで、体重を減少させる。この作用により、肥満症の治療薬として急速に普及しています。
大阪ソーダ株式会社(Osaka Soda Co., Ltd.)は、日本の化学メーカーで、主に 基礎化学品、機能性化学品、医薬・電子材料 などを製造・販売しています。特に、エポキシ化製品、イオン交換樹脂、シリカゲル などの高機能材料に強みを持つ企業です。
2. 大阪ソーダの強み
① シリカゲル事業
- 医薬品製造用のシリカゲル(吸着剤・分離材料)で国内トップクラスのシェア。
- GLP-1受容体作動薬(肥満症治療薬)の製造需要増加に対応し、シリカゲルの増産を決定(2026年度以降、約2.5倍に拡大)。
② エポキシ化製品
- エポキシ樹脂やエピクロロヒドリンは、電子部品・自動車用塗料などに広く使われる。
- 近年の半導体・EV市場の成長により、需要が拡大。
③ イオン交換樹脂・機能性ポリマー
- 水処理・医薬分野で使用される高機能材料を製造。
- 医薬品の精製・分離技術としても重要。

大阪ソーダは、基礎化学品から高機能化学品、医薬材料まで幅広い事業を展開しており、シリカゲル事業が好調で、特に肥満症治療薬向けの需要増加が追い風となっています。
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