精神科医が教える「静かな人」のすごい力 大山栄作 要約

本の要点

要点1

一人を好んだり、考えることを欠かさず、物事にすぐ反応するのではなくじっくり考えたい、近年、このような内向型に秘められた力が明らかになり始めています。

社会では外交型がもてはやされており、内向型の人が無理をして外交型を装い、大きな負担になっていますが、社会を変えるような成功を収めた人の多くは内向型です。

内向型の潜在能力を知ることで、内向型の人も無理をすることなく、社会を生き抜いていくことができるようになります。

要点2

内向型の人は外交型の人と比べ、以下のような特徴を持っています。

・思考に携わる脳に流れる血液量が多い

・判断を行う灰白質が大きく密度が高い

・少量のドーパミンで幸福感を感じることができるため、刺激への感度が高い

・内省を促す神経伝達物質であるアセチルコリンの影響が大きい

このような特徴を持つ内向型の人は以下のような潜在能力をもっています。

・冷静さ

・思慮深さ

・洞察力

・客観力

・独創性

・集中力

・傾聴力

・共感力

要点3

外交型コミュニケーションを重視してきた弊害はSNS疲れなどで明らかになり始めています。

また、内向型の人の持つ相手の話を一歩引いて聞き、調整する能力はビジネスなどでも大きく注目され、内向型の人を評価する仕組みを作るなど社会も変化し始めています。

内向型の人が無理することなく、自信をもって潜在能力を発揮しやすい環境ができ始めています。

この本や記事で分かること

・内向型の人の持つ特徴は何か

・内向型の人はどのような潜在能力を持っているのか

・なぜ、内向型の人は優れた潜在能力を持っているのか

内向型の人の特徴はなにか

内向型の人は一人を好み、じっくり考え、考えることを欠かさない人です。

近年、内向型の秘められた力が明かになり始めています。

内向型の人の悩みは何か

社会では、外交的であることを求められることも多く、内向型の人が無理に外交型を装うことがあります。

しかし、社会を変えるような成功を収めた人の多くは内向型です。内向型の潜在能力を知り、自分を否定しないことが社会を生き抜く解となります。

内向型の秘められた力とは何か

内向型の人の持つ、外からの意見に流されず、本質を見抜く姿勢はビジネスでも役に立ち、リーダーの資質も持っています。

内向型のすごさが明かになったことで、内向型の人を評価する仕組みを作り始めた組織も目立つようになっています。

内向型の人はどんな潜在能力を持っているのか

内向型の人の持つ潜在能力は8つあり、その一つが冷静さです。内向型の人は思考に携わる脳の部分に流れる血液量が多く、刺激に敏感なため、冷静さを持っています。

ほかに内向型の人はどんな特徴を持っているのか

判断や決断を行う脳部位が大きく、密度が高いため、思慮深さにも優れており、内省を促す神経伝達物質の分泌が多いため、洞察力にも優れています。

 また、自分の気持ちを理解する能力が高いことで、他人の気持ちも理解することができるため、客観力にも、自分の好きなものに敏感であることから独創性にも、過激な刺激を避け、内面に意識を向けやすいため高い集中力ももっています。

 さらには人の内面に興味があることで傾聴力、相手の感情に対し、自分がどう感じるかに興味が強いため共感力にも優れています。

社会は内向型の人にとってどう変化しているのか

過度な外向型の重視がSNS疲れなどの形で表面化したことで、社会が内省を重視し始めており、内向型の人が無理せずに潜在能力を発揮しやすい環境に変化し始めています。

本の要約

要約1

大勢よりも一人を好んだり、考えることを欠かさず、物事にすぐ反応するのではなくじっくり考えたい。近年、このような内向型に秘められた力が明らかになり始めています。

社会では外交的な振る舞いを求められることも少なくなく、内向型の人が無理に外交型を演じてしまい大きな負担となることも少なくありません。

一方で、社会を変えるような大きな成功を収めている人の多くが内向型です。ビルゲイツ、ウォーレンバフェット、マークザッカーバーグ、イーロンマスクも内向型として知られています。内向型で成功している人に共通しているのは内向型であることを受け入れ、内向型らしく生きていることです。

2人に1人が内向型ともいわれており、内向型の潜在的な能力を知り、内向型ならではのやり方を知り、自分を否定せず活かしていくことが社会を生き抜く解になるはずです。

要約2

内向型の本質を見抜き、外からの意見に流されない特性はビジネスでも大きな利点があります。実際に内向的なリーダーはチームの効率を30%上げるともいわれています。

現在は世の中全体が過度に外交的になっているため、外交的であることがもてはやされてしまっています。その結果、外交的な人同士でチームが形成されることも増えており、これが多くの組織のマネジメントがうまくいかない要因である可能性もあります。

また、人類の進化にも内向型の人々が欠かすことはできませんでした。利己的な行動をとる人ばかりでは互いにつぶし合い、種の存続を続けていくことはできません。人の意見を聞き、思慮深く全体を考えて調整する役割の人間がいなければ種を存続し、これほど長く、繫栄することはできませんでした。

相手の話を一歩引いて聞いて、調整するような能力はこれまで以上に重要となっており、そのことに気づいた企業や大学は内向型の人を評価するような仕組みを作り始めています。

要約3

内向型の人の持つ潜在能力は以下の8つのようなものです。

・冷静さ

 予測不可能な事態に対処するには、冷静さが不可欠です。内向型の人は外交型の人と比べ、脳に流れる血液量が多く、思考に携わる箇所に流れやすいことがわかっています。外交型の人は感覚情報を処理する箇所に血液が流れやすくなっています。

 また、人間は報酬物質であるドーパミンを求めていますが、内向型の人のほうが少ないドーピングで幸福感を感じることができるため、刺激に感度が高いこともわかっています。

 刺激の感度が高いため、内省的な姿勢をもち、思考や行動にブレーキを踏みやすくなり、冷静さを発揮することが可能です。

 冷静さを発揮するには、怒りを感じたときにその場を離れたり、怒りを可視化することや自分でコントロールできるものだけに集中することが大事です。

・思慮深さ

 安易な結論を出さずに、深い考えを行うことができることも特徴の一つです。内向的な人は考えたり、判断や決断を行う前頭前野の中枢である灰白質が外交型の人と比べ、大きく、厚い、密度が高いことが分かっています。

 思慮深さは自分の頭の中にある無意識の言葉を実際の言葉にすることで発揮することができます。

・洞察力

 物事の表面的な理解ではなく、本質を見抜く力=洞察力にも優れています。内向型の人は脳の働きを指揮する神経伝達物質も外交型とは異なっています。内向型の人はドーパミンがの影響が少なく、アセチルコリンの影響が大きくなっています。

アセチルコリンは内省を促し、リラックスして満足感を得ることが可能です。内向型の人が情報を理解し、深く分析することが可能となる要因になっています。

先入観に惑わされないように意識すること、五感で得た感覚を言葉におきかえる訓練などが洞察力を高めることが可能です。

・客観力

 自分を気持ちを客観的に理解する能力の高い内向型の人は、他人の気持ちを理解する能力にも優れています。

 自分に対して第3者の立場で語りかけ内省することや無知の知のような謙虚さを持つことで、客観性を高めることが可能です。 

要約4

・独創性

 自分の好きなものに敏感で、分析することが好きな内向型の人は独創性に優れ、新しいものを生み出す能力にも長けています。

 効率を求めすぎず、余白を持つことや自分のアイデアに懐疑的でありつつも挑戦を続けることで独創性を高めることが可能です。

・集中力

 自分の内側に意識を集中させやすい内向型の人は集中力も高い傾向にあります。

 外部からの刺激を最初に処理して脳に伝える網様体賦活系にも違いがあり、内向型の人は網様体賦活系によって引き起こされる大脳皮質の覚醒レベルが高く、刺激に敏感になっています。過剰な刺激を避ける傾向が高い集中力をもたらしています。

 自分の外側だけでなく、内側に注意を向けることも集中であると考えることやゴールを実際よりも遠くに設定することでも集中力を高めることが可能です。

・傾聴力

 自分の内面に興味のある人は人の内面にも興味があり、その結果、相手の話に耳を傾け、相手がそれまで話してくれなかったことを言葉として顕在化させる力にも優れています。

 話し手の体験を自分の体験であるかのように感じようとすることや相手の話を全て受け止めることで傾聴力を高め、相手がどのような気持ちをもち、その気持ちに至った本質を理解することができます。

・共感力

 相手の視点を理解し、感情をくみとる共感力には相手への関心という外部だけでなく、相手の感情に対する自分の反応という内部へも注意を向ける必要があります。

 内向型の人は自分の内面への関心が高いため、人に対する共感力も高くなります。

 他人の視点を理解し、他者の感情を読み取り、相手が求めているものが何かを察知する訓練によって共感力を高めることが可能ですが、観察と自分の感情理解に優れる内向型の人のほうが共感力を発揮しやすい傾向にあります。

 SNS疲れなど外交型コミュニケーションを重視してきた弊害がみられはじめ、、社会でも内省を重視する方向にシフトしています。

 内向型の人が自信をもって潜在能力が発揮しやすい環境ができ始めており、内向型の人も無理に外交型を装うのではなく、ありのままを大切にすることが大切です。

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