思考力の地図 細谷功 要約

本の概要

 思考力は対人感性力、知識力と並び重要な知的能力ですが、変化の激しい現代ではその重要性はこれまで以上に大きくなっています。

 思考力には構造、階層=思考力の地図があり、各層の様々な力が合わさることで思考力が発揮されます。

 思考力の基礎は知的好奇心でその上に、具体と抽象を往復する能力、さらに上に論理的思考力と直観力があるという構造になっています。

 論理的思考力は物事を全体的、客観的にみることができるため、仕事をするうえで重要になります。

 論理的な思考にはフレームワーク思考と呼ばれる様々な手法があり、特にビジネスにおいてはとても有効です。

 フレームワーク思考は万能ではありませんが、その特性を知ったうえで使うことで大きな利点を得ることができます。

 様々な方法で思考力を鍛えることで自由度を上げて物事を見ることができるようになれば、自分の行動の選択肢を増やすことができるようになっていきます。

この本がおすすめの人

・思考力とは何か知りたい人

・論理的な説明、思考が苦手な人

・論理的な説明のフレームーワークを知りたい人

本の要約

現代に必要な知的能力は何か

 思考力は対人感性力、知識力と並び重要な知的能力ですが、思考力の重要性は変化が激しく、先が見えない現代でより重要性を増しています。

 思考力には新しいもの、違うものを生み出すための能力であるため、変化の激しい現代での重要性が増しています。

 思考力の客観的な数値化は知識力と比べると難しく、自覚することも難しいのですが、思考力が低いと仕事の質が大きく低下してしまいます。

知的能力の中でも思考力の重要性が大きく増しています。

なぜ、思考力が必要なのか

 現代に求められるのは与えられた問題を解くことではなく、自身で問題を見つけて定義することです。

 問題を解くことと見つけることでは求められる能力は異なり、問題を見つけるには創造力と想像力の2つのソウゾウリョクが求められ、思考力を発揮することが重要になります。

今、必要なことは与えられた問題を解くことではなく、問題を見つけ定義することです。問題を見つけるには思考力が重要になるため、思考力が必要になっています。

思考力はどのような能力なのか

 思考力には構造=思考力の地図があります。

 思考力の最も基礎的なものは知的好奇心となります。知的好奇心は新しいものへの志向の強さで、疑う力にもつながっていきます。

 知的好奇心の上に具体と抽象を往復する能力が存在し、その上に論理的思考力と直観力が存在しています。

 具体と抽象とは具体的ものを抽象化したり、抽象的なものを具体化する能力になります。

 論理的思考力は事象間の関係性を、直観力は経験を無意識化で抽象化する能力といえいます。

 どのような思考にも論理的思考力と直観力の両方が必要になります。

思考力は構造=思考力の地図があります。もっとも基礎的な思考力ものから

・知的好奇心

・具体と抽象を往復する能力

・論理的思考力と直観力

という階層になっています。

思考力とは何か

 思考力の基本は疑うことにあります。

 前提を疑ったり、解釈を疑ったり、自分の考えを疑うなど疑うことは非常に重要になり、疑うことで、根本原因を解決することができるようになります。

 もう一つの思考力の基本は上位概念になります。上位概念とはレベルが高い概念のことで、手段に対する目的、部分に対する全体などが上位概念となります。

 上位概念を考えることも物事の根本原因を解決するために欠かせません。

 なぜかを考える、具体と抽象を往復し、思考を膨らすことで思考力を高めることができるようになります。

思考力の基本は疑うことと上位概念を考えることです。

なぜかを考える、具体と抽象を往復し、思考を膨らすことで思考力を高めることができるようになります。

論理と直感はどう使い分けるべきか

 具体と抽象を往復する力の上には論理と直感が存在します。

 論理は個人の経験とは関係なく、万人に共通で客観的なものです。思い込みや偏見から逃れるために必要ですが、論理的な思考だけでは斬新な発想が生まれにくい欠点もあります。

 一方直感は個人の経験と知識との関連が大きく、理屈では説明しきれない部分があり、創造を生み出すことも多くあります。

 論理と直感はどちらも重要で使いどころに合わせて両方を使いこなすことが重要です。

論理は客観的で思い込みから逃れることができる発想ですが、斬新な発想が生まれにくいという欠点があります。

直観は理屈では説明できず、個人の経験や知識との関連が大きいもの創造性を生み出すことも多いという違いがあります。

論理的な思考とは何か

 論理的な思考を行うには人のもつ様々な偏見などのバイアスを誰もが持っていることを理解することが重要です。

 論理とはある前提に基づき、推論を行い、結論を出すプロセスとなります。

 論理的な説明を行う際には

1.前提が正しいか

2.推論(理由つけ)が正しいか

 を意識し、合理的な結論に導くことが重要です。

 自分の説明が論理的かを考えるには客観性「誰が見ても」と論理の妥当性「つながっている」か部分ではなく「全体を見ているか」どうかを意識することが重要です。

論理とはある前提に基づき、推論を行い、結論を出すプロセスです。

論理的な説明とは客観性とつながりの妥当性、俯瞰できている説明となります。

フレームワーク思考となにか

 フレームワーク思考は全体的、客観的、理論的な視点で全体を俯瞰するような思考法です。

 フレームワーク思考を行うことで自分の思考のクセや盲点に気づき、他者と共有しやすい表現ができるようになります。

 フレームワーク思考を行う際は、まず各要素をもれなくダブりがない状態に分類します。その後ロジックツリーやマトリックスを利用し各要素を表現すると分かりやすくなります。

・課題の原因を分析し、対策法をもらう敵に抽出するロジックツリー

・縦横の4事象に分類するマトリックス

 フレームワークは、全体を俯瞰することで今気づいていないものを発見したり、優先順位をつけるために有効なツールとなります。

フレームワーク思考は論理的思考を行う手法のことで全体的、客観的、理論的な視点で全体を俯瞰するような思考法です。

フレームワーク思考では、要素をもれなくダブりがない状態に分類し、様々な方法で各要素を表現することで全体を俯瞰するための手法になります。

フレームワーク思考による分類にはどのようなものがあるのか

 フレームワークは完全に大きく3つに分類されます。

1.定量的な数直線型(年齢別、売上高別など)

2.定性的な対立軸型(内部⇔外部、女性⇔男性など)

3.慣用型

 数直線型と対立軸型は完全にもれなくダブりのない分類ですが、慣用型は完全にもれダブりがない分類ではありませんが、ビジネスではよく用いられる手法となります。

フレームワーク思考による分類は定量的、定性的、慣用型の3つがあります。

慣用型は完全にもれなくダブりがない状態ではありませんが、ビジネスではよく利用されます。

慣用型のフレームワークにはどのようなものがあるのか

 慣用型のフレームワークには下記のような代表的な分析法があります。

1.SWOT分析

 戦略オプション(強み、弱み、機会、脅威)を整理し、何をすべきか判断する方法です。

2.3C分析

 顧客、自社、競合それぞれの視点から問題点を洗い出す方法です。

3.PEEST分析 

 政治、経済、環境、社会、技術の要素から分析を行う方法です。トレンドを広くつかみ、バランスよく全体像を把握することが可能になります。

4.マーケティングの4つのP

 製品、値段、販売チャンネル、プロモーションの4つの視点から分析を行います。販売の促進策などに多く使用されます。

5.4M

 人、材料、機械、手法の4つの視点から分析を行います。製造現場での改善などに利用されます。

 そのほかにも様々な分析法があり、短時間で視点を整理しやすく、聞き手も理解しやすいなどの利点があります。

様々な分析法があり、組織や自分の状況にあった分析をおこなうことで、短時間で視点の整理と論路的な説明を可能にします。

フレームワークに欠点はあるのか

 フレームワーク思考は全体から俯瞰して物事を把握できるため、有用ですが万能ではありません。 

 視点が固定される、斬新な発想が出にくい、面白みに欠けるなど創造性を発揮したい場合にはマイナスとなることもあります。

 フレームワーク思考以外の思考法としては以下のようなものが挙げられます。

・結論から逆算する仮説思考

・限られた情報と時間で膨大な数量を推定するフェルミ推定

・関係ない分野から抽象化した共通点をみつけるアナロジー思考

フレームワーク思考は有能ですが、創造性を発揮したいときにはマイナスとなることがあります。論理から外れるような思考が必要となることもあります。

仕事で思考を行う際に注意すべき点はあるか

 実際に思考する際には発散プロセスと収束プロセスを意識することが重要です。

 おおむね仕事とは初めにアイデアを多く出し、どれかを選び、収束させるというプロセスをとるため、発散プロセスで、もれなく選択肢を広げておくことが重要です。

 また仕事では、分析だけでなく、どう伝えるかも非常に重要です。同じ事実でも状況や相手によって伝えるメッセージは変わってきます。

仕事とは初めにアイデアを多く出し、どれかを選び、実行するという手順を踏みます。

アイデアを出す段階でもれなく、選択肢を広げておくことが重要です。

思考力を鍛えることで何を得ることができるのか

 論的的思考はあらゆるビジネスシーンで必要なスキルですが、自分でどこが論理的でないかを気づくことは難しいため、第3者にチェックしてもらう、資料などを作る際には前後のつながりに問題ないかを重点的にチェックすることが重要です。

 思考とは常識を疑うことであり、抽象化することです。抽象度を上げて物事を見ることができれば様々な視点から無限の視点で物事を見ることになり、自由度を上げることができます。

 自由度が高いほうが常に楽で楽しいわけではありませんが、選択肢を広げることができます。

 思考力を鍛えることで自由度の高い世界を手に入れることができるようになっていきます。

思考力を鍛えることで自由度を上げて物事を見ることができます。自由度が高いほうが必ず楽で楽しいわけではありませんが、選択肢を広げることは間違いありません。

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