激安ニッポン 谷本真由美 要約

本の概要

国内では値上げなどのニュースが続いていますが、世界からみれば日本はいまや安い国になっています。多くの人が安い国として、日本を訪れ様々なものを購入しています。

また、日本の安さは物価だけでなく、給料にも及んでいます。

日本の安さは以下のような要因で起きています。

・経済成長の低さ

・低インフレ、デフレスパイラル

・労働環境の問題(閉鎖性、失敗の非寛容、賃金安ばかりを求める)

世界から見た日本の状況や日本の現状、なぜ、安い国になってしまったのかなどを知ることができる本になっています。

この本や記事で分かること

・日本の給与や物価は世界と比べてどれくらい安いのか

・なぜ、日本は激安になったのか

・激安ニッポンとどう向き合うべきか

日本の経済の低迷について書かれた「これからの時代に生き残るための経済学」の要約はこちら

中国人が日本を爆買いしている状況について書書かれた「中国人が日本を買う理由」の要約はこちら

本の要約

要約1

ここ最近政府はインバウンド、外国人観光業に大きな力を入れており、実際に多くの観光客が日本を訪れています。

観光客の増加は日本の文化に興味を持っている人が多いという理由もありますが、それ以外にも「安い」という理由もあります。日本のサービスや物の安さを目的に訪問する人も多くいます。

日本の製品やサービスはその品質に対して、値段が安くなっているだけでなく、世界から見ると給与も安く貧しい国になっています。

100均の多さ、洋服の質、iPhoneの安さ、高級品ではなく安いものの広告の多さ、中古品の人気の高さなど給与が安い様子は様々な場面で見ることができます。

要約2

実際に日本の給与平均が548万円に対し、アメリカは1031万、OECD諸国は全体でも712万と日本の給与はかなり低くなっています。

この差は主に経済成長の低さによるものです。この30年でアメリカやイギリスは1.5倍、韓国は1.86倍になっているように、多くの国は大きく給与があがっていますが日本は1.05倍とほぼ横ばいです。

先進国で見られた堅調な経済成長が日本では見られかったため、他国との給与に大きな差がついています。

要約3

日本の安さに目を付けた外国人が不動産に目を付け購入しています。価格が安いだけでなく、規制が少ないため、安全保障上の問題になる可能性も持っています。

ほかにも、農地、森林、医療介護などの分野でも外国人の購入、利用が進んでいます。

日本が安い国になったのはインフレ率が低いことが要因です。過去30年日本のインフレ率は低く、モノやサービスの値段が30年上がっていないため、給与や物価が安くなっています。

企業は物やサービスが売れず、値段を上げられない、もうけが少ないため給与が上がらないため、消費者もモノやサービスを買わなくなる…このデフレスパイラルが日本の現状であり、給与が上がらない大きな要因です。

要約4

日本企業は時間やお金、材料、労働といったインプットを増やしてもお金を稼ぐようなアウトプット≒製品やサービスを生み出さていません。

良質なアウトプットが出ない要因は時間をもとにした評価、閉鎖性、失敗への非寛容など労働環境にも問題があります。

日本は安い国になっていますが、みんなが不幸になるわけではありません。日本の現状を見つめ、今の内から正しい行動をすれば幸せになることはできます。

海外や多国籍化するプロジェクトを担当する仕事は今後も増加が見込まれるため、以下のことを意識しておくことが大事になっていきます。

・英語で業界や市場の情報を入手する。

・身に着ける技能が知識も海外からも評価されるのかという視点を持つ

また、日本人の気づいていない良さもたくさんあり、これらをトライアンドエラーで行っていくことも重要で、失敗しても良いからやってみよう、試してみようという挑戦心も重要です。

なぜ、日本人観光客が増えているのか

 ここ最近政府はインバウンド、外国人観光業に大きな力を入れており、実際に多くの観光客が日本を訪れています。

 観光客の増加は日本の文化に興味を持っている人が多いという理由もありますが、それ以外にも「安い」という理由もあります。

 日本はほかの国にくらべ多くの分野で激安になっており、それを目当てに日本を訪れている人も多くいます。

 多くのデータや事例で日本の安さを明らかにし、なぜ安くなったのか、どうしていくべきなのかを考える本になっています。

観光客の増加は日本の文化に興味を持っている人が多いという理由もありますが、それ以外にも「安い」という理由もあります。

日本の何が安くなっているのか

 日本の製品やサービスはその品質に対して、値段が安くなっているだけでなく、世界から見ると給与も安く貧しい国になっています。

 例えば、日本ではどこでも見られる100均は他の先進国では低所得者が集まる場所にしか見られないことが多く、高所得者はあまり利用しません。

 しかし、日本では経済的にゆとりがある人でも100均を利用しています。

 ほかにも洋服の質が他国よりも低い、世界一iPhoneが安い、安いものの広告が多い、必需品でも中古品の人気があるなどお金に余裕がない様子は様々な場面で見ることができます。

日本のサービスや製品は品質に対し、安くなっていますが、給与も世界から見ると安くなっています。

日本の物価給与はどれくらい安いのか、なぜ安くなったのか

 日本は物価も、賃金も他の先進国と比べ安くなっています。

 ビックマックの価格は世界で40番目と安くなっており、最近の物価上昇が起きてもまだ物価は他国に比べれば安いままです。

 飲食だけでなく、ホテルの宿泊費、学費、光熱費などは日本でも上がっていますが、海外はさらに上昇しており、日本は安いままになっています。

 また、給与も日本の平均が548万円に対し、アメリカは1031万、OECD諸国は全体でも712万と日本の給与はかなり低くなっています。

 この差は主に経済成長の低さによるものです。この30年でアメリカやイギリスは1.5倍、韓国は1.86倍になっているように、多くの国は大きく給与があがっていますが日本は1.05倍とほぼ横ばいです。

 先進国で見られた堅調な経済成長が日本では見られかったため、他国との給与に大きな差がついています。

ビックマックの価格は世界で40番目となるなど、物価が安く、給与も日本の平均が548万円に対し、OECD諸国全体で712万と低くなっています。

この30年でアメリカやイギリスは給与が1.5倍、韓国は1.86倍になっていますが、日本は1.05倍と横ばいです。経済成長の低さで他国との給与に大きな差がついています。

外国人が買うもので問題になるものは何か

 日本の安さに気づいた外国人は日本の不動産に目を付け、多く購入しています。

 日本の不動産は安いだけでなく、外国人が売買することや所有することに禁止事項がほとんどなく自由に取引できることも理由の一つです。

 海外では土地を所有できない国や外国人には制限がある場合も多く見られます。

 中国人による日本の無人島購入など安全保障上問題になる可能性があることから規制に乗り出しています。

 少子化やバブル期に建てられた住宅の空き家の増加などで買い手が減っていることも 価格の安さの要因になっています。

日本の安さに気づいた外国人は日本の不動産に目を付け購入しています。価格が安いだけでなく、規制が少ないため、外国人の購入が続けば、安全保障上の問題になる可能性も持っています。

不動産以外に買われているものは何か

 不動産だけでなく、日本の農地や森林も外国人に多く買われています。

 ほかにも国民皆保険を通じて、日本の福祉を利用しようとする外国人も増加しています。

 日本の医療のレベルの高さと負担の少なさを魅力に感じる人も増えています。ほかにも手厚い介護の分野も質が良く、今後日本へ介護を利用するために来る人が増加する可能性もあります。

 外国人の購入に対する規制の弱さ、受給資格の緩さなどが増加の原因になっています。

日本の農地や森林、医療や介護など福祉を利用される例もみられています。

なぜ、日本は安い国になったのか

 日本が安い国になったのはインフレ率が低いことが要因です。過去30年日本のインフレ率は低く、モノやサービスの値段が30年上がっていないため、給与や物価が安くなっています。

 日本は35年間で20%消費者物価指数が上がっていますが、多くの先進国はこの間に200~250%物価が上昇しています。

 企業は物やサービスが売れず、値段を上げられない、もうけが少ないため給与が上がらないため、消費者もモノやサービスを買わなくなる…このデフレスパイラルが日本の現状です。

 また、以下も日本を安くしている要因となっています。

・設備投資、人材投資にもお金を使わなかったため、生産性の向上が小さい

・非正規雇用の増加

・高齢化による若年層の医療費介護費の負担

日本が安い国になったのはインフレ率が低く、モノやサービスの値段が30年上がっていないため、給与や物価が安くなっています。

日本の労働環境の問題は何か

 給与が上がらない理由は企業のアウトプットが増えていないことが原因です。時間やお金、材料、労働といったインプットを増やしてもお金を稼ぐようなアウトプットを生み出せていない状態です。

 諸外国と比較した時の日本の労働環境には以下のような特徴があります。

・労働時間が長いわりに成果が出てない

・閉鎖的な働きかたであり、自律的な働き方ができないため優秀な人材が集まりにくい

・失敗を避けるために、何もしなくなる

・人材不足を解消するために、女性が働けるようにするのではなく、賃金の安い外国人労働者に頼る

これらの要因が合わせることで、企業の稼ぎは少なくなり、賃金も上がらない状態が続いています。

日本企業は時間やお金、材料、労働といったインプットを増やしてもお金を稼ぐようなアウトプットを生み出せていません。

アウトプットが出ない要因には以下のようなものがあります。

・労働時間が長いわりに成果が出てない

・閉鎖的な働きかたであり、自律的な働き方ができないため優秀な人材が集まりにくい

・失敗を避けるために、何もしなくなる

・人材不足を解消するために、女性が働けるようにするのではなく、賃金の安い外国人労働者に頼る

これからの日本ではどう生きていくべきか

 日本は安い国になっていますが、みんなが不幸になるわけではありません。日本の現状を見つめ、今の内から正しい行動をすれば幸せになることはできます。

 日本は労働人口が減っており、海外向けにモノやサービスを提供し、お金を稼ぐビジネスモデルが盛んになっていきます。

 そのため、海外や多国籍化するプロジェクトを担当する仕事は今後も増加が見込まれます。この仕事に欠かせないのは業界や市場の情報を入手するための英語力になります。

 今後身に着ける技能や知識も海外からも評価されるのかという視点から選ぶ必要があります。

 また、日本人も気づいていない日本の良さも多くあります。これらをトライアンドエラーで行っていくことも重要です。

 失敗しても良いからやってみよう、試してみようという挑戦心が重要です。

本の現状を見つめ、今の内から正しい行動をすれば幸せになることはできます。海外や多国籍化するプロジェクトを担当する仕事は今後も増加が見込まれるため、英語で業界や市場の情報を入手することや身に着ける技能が知識も海外からも評価されるのかという視点を持つ必要があります。

失敗しても良いからやってみよう、試してみようという挑戦心も重要です。

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