この本や記事で分かること
・原子力とは何か
・原子力電池の仕組みと利用方法
原子力とは何か
原子力電池は一般的な電池ではありませんが、長期の運用に耐えることができるという特徴から、一部の人工衛星などに利用されています。
原子力は原子核の持つエネルギーが放出されることで発生します。
原子力はウランのような大きな原子核が壊れて、小さな原子核になる核分裂と水素が融合してヘリウムとなるような核融合によって発生します。
核融合は太陽の様な恒星の持つエネルギー源となり、核分裂は原子爆弾や原子力発電のエネルギーとなります。

原子力発電はどのように電気エネルギーを作り出しているのか
原子力発電は核分裂のエネルギーを直接電気エネルギーに変えているわけではありません。
核分裂によるエネルギーで水を沸騰させ、スチームを作り出し発電機を回すことで発電をしています。
電気エネルギーを作り出す過程は火力発電と同じになります。火力発電もボイラーでスチームを作り出し、発電機のタービンを回しています。
原子力発電も火力発電と同じく、タービンを回すためのスチームを作りだすという役割を担っていいるにすぎません。

原子力電池では原子力はどのように働きをしているのか
原子力電池も原子力によって直接電気を作り出しているわけではありません。
原子力電池での原子力の役割は「熱を発生させる」ことです。原子力によって発生した熱は熱電変換素子という熱エネルギーを電気エネルギーに変えることができる素子によって電気エネルギーに変換されています。

原子力電池はどのように電気エネルギーを作り出しているのか
プルトニウムやポロニウムは一部の同位体が原子核を崩壊させ、別の原子核に変化します。
別の原子核への変化を原子核崩壊と呼び、崩壊時にはα線というヘリウムの原子核を放出します。α線は高いエネルギーを持っており、別の物質に放射させるとその物質が発熱することとなります。
発熱した物質から熱電変換素子へエネルギーが移ることで、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能です。
熱電変換素子は2種類の異なる金属や半導体を接合したもので、両端に温度差が生じると起電力を生じさせることが可能です。
片方にα線によって発熱する物質を置くと、温度差が生じ、熱エネルギーを電気に変換することができます。

原子力電池はどんなところで利用されているのか
放射性元素さえ用意できれば、長期にわたって電力の供給が可能である点が特長で、人工衛星のようなメンテナンスが難しいものに利用されています。
特に太陽光も届かないような暗く、気温の低い場所でも電気エネルギーを供給できるため、太陽系外での宇宙探査機にも利用されています。

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