この記事で分かること
・蓄電池とは何か、なぜ重要度が増しているのか:蓄電池(ちくでんち)とは、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え、必要に応じて電気として取り出せる装置のことで太陽光発電の電力を貯めるなど不安定さのある再生可能エネルギーの活用という点で注目されている。
・劣化ウランとは何か:劣化ウランはウランの同位体の一種で、天然ウランからウラン濃縮を行った後に残るウランのこと。
・劣化ウラン使用の利点:劣化ウランの使用は原発の副産物を再利用するため、資源面、コスト面、持続可能性から見て有意義となる。
ウランを活物質として利用した蓄電池の開発成功
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、2025年3月13日に、ウランを活物質として利用した蓄電池の開発に世界で初めて成功したと発表しました。
https://www.jaea.go.jp/02/press2024/p25031301/?utm_source=chatgpt.com
この技術の実用化により、原子力発電の燃料製造過程で生じる劣化ウランを新たな資源として活用できる可能性があります。
蓄電池とは何か
蓄電池とは、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え、必要に応じて電気として取り出せる装置のことです。充電することで繰り返し使える点が特徴で、一般的な一次電池(使い捨ての乾電池など)とは異なります。
蓄電池の主な種類
- 鉛蓄電池(自動車や非常用電源に使用)
- リチウムイオン電池(スマホや電気自動車に広く利用)
- ニッケル水素電池(充電式乾電池やハイブリッド車で使用)
- 全固体電池(次世代の高性能電池として研究中)
- フロー電池(再生可能エネルギーの大規模貯蔵向け)
用途
・産業用エネルギー貯蔵(電力の安定供給)
・家庭用蓄電池(太陽光発電の電力を貯める)
・電気自動車(EV)

蓄電池とは、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え、必要に応じて電気として取り出せる装置のことで、充電できる点が特長です。
劣化ウランとは何か
劣化ウラン(Depleted Uranium, DU)とは、天然ウランからウラン濃縮を行った後に残るウランのことです。主にウラン-238(U-238)がほとんどを占め、核燃料や核兵器に使われるウラン-235(U-235)の含有量が大幅に減っています。
劣化ウランの特徴
- 放射能が低い
- 天然ウランよりも放射線の放出量が約半分と低く、比較的扱いやすい。
- 非常に高密度(約19g/cm³)
- 鉛の約1.7倍の重さがあり、重い金属として利用される。
- 化学的にはウランと同じ
- 酸化しやすく、水や空気と反応すると酸化ウランを生成する。
劣化ウランの主な用途
- 軍事利用
- 装甲貫通弾(APFSDS):高密度なため、戦車の装甲を貫通する弾丸に使用。
- 戦車の装甲材:高い密度と強度を活かし、戦車の防御に使用。
- 民生利用
- 放射線遮蔽材:X線・ガンマ線を遮蔽するため、医療や原子力施設で利用。
- 航空機のバラスト(重り):機体のバランス調整用として一部の航空機に採用。
- 蓄電池(新技術):JAEAの研究で、劣化ウランを活物質とした蓄電池の開発が進行中。
劣化ウランの安全性と問題点
- 放射能は低いが、微粒子を吸入すると体内被曝のリスクがある。
- 環境中に漏れた場合、化学毒性(重金属としての影響)も懸念される。
- そのため、廃棄物としての管理や、軍事利用における環境問題が議論されている。

劣化ウランはウランの同位体の一種で、天然ウランからウラン濃縮を行った後に残るウランのことです。
劣化ウランを使用するメリットは何か
劣化ウランを使用することには以下のような意義があります。
1. 原子力発電の副産物としての有効利用
- 劣化ウランは、天然ウランを濃縮する過程で生じる副産物であり、通常は放射線の強さが低いため、扱いやすいものです。
- そのため、廃棄物として捨てられることが多いですが、これを有効利用することで、資源の再利用が促進され、廃棄物問題の解決にもつながります。
2. 高密度での活用
- 劣化ウランは非常に高い密度(鉛の約1.7倍)を持つため、重い材料を必要とする用途に適しています。
- 例えば、装甲貫通弾や防御装甲として使用されていますが、これはその高密度を活かした利用方法です。
3. エネルギー貯蔵の新たな可能性
- 最近の研究では、劣化ウランを使った蓄電池技術の開発が進められており、これを再生可能エネルギーの変動調整に使うことができます。
- 太陽光や風力の発電が不安定な時期でも、劣化ウランを使った蓄電池を利用して、余剰電力を蓄えておき、需要が増えた時に放出することが可能です。
4. 資源としての再利用
- 劣化ウランを再利用することで、ウラン資源の有効活用が図れ、環境負荷を減少させることが期待されます。
- 特に化学的な安定性や低放射能を活かして、新しい技術や産業に役立てることが可能です。
5. コスト効率と持続可能性
- 劣化ウランはすでに存在するウランの廃棄物であるため、新たに採掘する必要がないという点で、コストの削減にもつながります。
- そのため、将来的にエネルギーの持続可能性を支える技術として、劣化ウランの活用がますます重要になっていく可能性があります。

劣化ウランの使用は原発の副産物を再利用するため、資源面から見えても、コスト面、持続可能性から見てもとても有意義といえます。
再生可能エネルギーの変動調整に活用するとはどういうことなのか
「再生可能エネルギーの変動調整に活用する」とは、主に太陽光発電や風力発電の出力変動を安定させるために劣化ウランを使った蓄電池を利用するということです。
背景:再生可能エネルギーの変動問題
- 太陽光発電は、晴れた日の日中に多くの電気を作るが、夜間や雨天時には発電できない。
- 風力発電は、風の強さによって発電量が大きく変動する。
- これらの不安定な電力を安定供給するために、大型蓄電池が必要になる。
劣化ウラン蓄電池の役割
- 太陽光や風力で発電した電気を余っているときに蓄電池に貯めておき、必要なときに放電する。
- 大容量の蓄電池があれば、電力供給の安定化が可能になる。
- 劣化ウラン蓄電池が高エネルギー密度かつ安定的に充放電できるなら、再エネの普及を支える技術になりうる。

劣化ウランを使った蓄電池で、太陽光発電や風力発電の出力変動を安定化させることができる可能性があります・
活物質とは何か
活物質(かつぶつしつ*とは、蓄電池の正極や負極で酸化還元反応を行い、電気エネルギーを蓄えたり放出したりする物質のことです。電池が充放電する際に電子をやり取りする主要な材料です。
活物質の例
蓄電池の種類によって使われる活物質は異なります。
蓄電池の種類 | 正極の活物質 | 負極の活物質 |
---|---|---|
鉛蓄電池 | 二酸化鉛(PbO₂) | 鉛(Pb) |
リチウムイオン電池 | コバルト酸リチウム(LiCoO₂)など | グラファイト(C) |
ニッケル水素電池 | ニッケル酸化水素(NiOOH) | 水素吸蔵合金 |
全固体電池 | 硫化物系・酸化物系のリチウム化合物 | リチウム金属など |
ウラン蓄電池(JAEA開発) | 鉄(Fe) | ウラン(U) |

電池が充放電する際に電子をやり取りする主要な材料です。
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