本の要点
兵庫県北部の豊岡市。人口7000人ほどの地方都市である豊岡市は小さな世界都市を目指し、様々な改革を行ってきました。
その結果、インバウンドを増加させ、地方都市の課題である人口減少を食い止めることに成功したことで、大きな注目を集めています。
地方都市は資本力で大都市に対抗することはできないため、重要となるのは、深さと広がりを追求し、地方にしかできない価値を創造し、ローカルに根付かせることです。
特に地方の人口減少は若者、特に女性の流出にあるため、若者世代に価値あるものを打ち出すことができるかが重要です。
グローバル化で多くの大都市は均一化しているため、魅力的なローカルであることで世界で輝く可能性があり、地方にも大きなチャンスがあります、
豊岡市は以下の4つの方法で突き抜けた価値を創造し、小さな世界都市を実現しました。
・コウノトリの野生復帰
・受け継いだものを育て、受け継ぐまちづくり
・深さを持った演劇のまちづくり
・ジェンダーギャップの解消
4つの方法で、深さと広さを追求し、地域の自然、歴史、伝統、文化に誇りを持つことができるようになりました。
誇りをもって接することで、世界の人々とのつながりを作り、小さな世界都市となることができました。
この本や記事で分かること
・豊岡市がなぜ注目されているのか
・地方都市はどうやって、大都市に対抗してくべきか
なぜ、小さな地方都市である豊岡市に注目が集まっているのか


豊岡市が人口7000人ほどでありながら、世界の人々に尊敬、尊重される世界都市を目指して改革してきました。
その取り組みとインバウンドの増加や人口減少の食い止めの成功で世界から注目されるとしてなっています。
なぜ、地方都市の人口は減少しているのか


地方都市の人口減少の原因は若者、特に若い女性の大都市への流出が原因です。
地方都市はどのように大都市に対抗すべきか


大都市には資本力で太刀打ちできないため、地方都市にしかできない突き抜けた価値を創造し、ローカルに根付かせることです。
豊岡市はどのようにして突き抜けた価値を創造したのか


豊岡市は以下の4つの方法で突き抜けた価値を創造し、小さな世界都市を実現しました。
・コウノトリの野生復帰
・受け継いだものを育て、受け継ぐまちづくり
・深さを持った演劇のまちづくり
・ジェンダーギャップの解消
小さな世界都市にはどんなチャンスがあるのか


グローバル化で大都市は世界的に均一化してきました。
そのためローカルであること自体が世界で輝くチャンスとなりました。
コウノトリの野生復帰はどのような効果あったのか


コウノトリの野生復帰はそれ自体に大きな価値があっただけでなく、コウノトリが住める土地を実現するために無農薬農業の普及がしました。
無農薬農業は農家の収益UPや生物の多様性の増加をもたらしました。
まちづくりや演技にはどんな効果があったのか


古い町並みの利用や演劇、ダンス業界とのネットワークの形成により、観光客の増加、文化レベルの向上、多様性の受容、寛容性の取得などに効果がみられました。
ジェンダーギャップの解消がなぜ、重要でどのように解決したのか


豊岡市では、男性以上に女性の流出が大きく、その原因はジェンダーギャップにありました。
改善に取り組み、徐々に市民の意識を変化させることでジェンダーギャップの解消に取り組んでいます。
小さな世界都市実現で重要なことはなにか


4つの方法で、深さと広さを追求したことで自分たちの地域の自然、歴史、伝統、文化を誇りを持つことが可能になりました。
その結果、世界の人々とのつながりをつくり、小さな世界都市となることが可能になりました。
本の要約
兵庫県の北部に位置する豊岡市。人口7万7千にほどの地方都市に大きな注目が集まっています。
人口規模が小さくても、世界の人々に尊敬され、尊重されるまち、小さな世界都市を目指し、様々な改革を行ってきたことで、インバウンドや人口減少の食い止めなどで大きな効果を上げています、
人口減少の最大の要因は若者、特に女性の流出に原因があります。経済的、文化的、社会的な魅力を持つ大都市は若者を引き付けてきました。
実際に豊岡市でも、若い世代が大都市に流出し、そのまま豊岡市に戻らないという問題で、人口の減少が進んでいました
そのため、人口減少対策として、地方創生で行うべきことは、地方でしかできない突き抜けた価値の創造です。
資本力で太刀打ちできない以上大きさ、高さ、速さではなく、深さと広がりを追求し、如何にローカルに根付かせることができるのかが重要になってきます。
豊岡市は
・コウノトリの野生復帰
・受け継いだものを育て、引き継ぐまちづくり
・深さを持った演劇のまちづくり
・ジェンダーギャップ解消
の4つによって小さな世界都市を実現し、突き抜けた価値の創造によって若い世代を引き付けることに成功しています。
豊岡市には、大学がないため、10代で外に出るのは仕方のないことです。しかし、その後20代になって豊岡市に戻る人も少なくなっています。この傾向は特に女性に顕著であり、その要因は以下の3つです。
・経済的魅力に乏しいこと
・文化的魅力に乏しいこと
・根強いジェンダーギャップの存在
大都市がグローバル化によって世界が均一化する中で、ローカルであることは世界で輝くチャンスでもあります。豊岡市はローカルのチャンスを生かすことで、地方創生を行ってきました。
コウノトリは乱獲によって野生では絶滅しています。豊岡市では昔からコウノトリの野生復帰を目指してきました。
コウノトリが住める環境造りのために無農薬農業を普及させたことは、生物多様性の増加、コウノトリ育む米というブランド米による農家の収益UPなどにつながりました。
コウノトリの野生復帰という共通イメージを持ち、多種多様なプレーヤーが協力したことでコウノトリの野生復帰の成功は様々な領域へと波及していきました。
受け継いだものを育て、引き継ぐまちづくりでは城崎温泉がその象徴となっています。
温泉街として有名な城崎温泉では積極的に古い町並みを活かすことで、インバウンドを増加させ、旅行者が大幅に増加しています。
観光を総合コミュニケーションとして捉え、ローカル性を打ち出したことで、多くの人を受け入れることに成功しています。
芸術鵜や文化の持つ力も大きく、街自体にも大きな影響を与えるものです。
豊岡市では、古い芝居小屋であった出石永楽館を改装し劇場としたり、赤字を垂れ流していた古いホールを無料で劇団に貸し出すアートセンターとするなどの対策をとってきました。
アートセンターの存在は演劇、ダンス界とのネットワークを作り、文化のレベルを上げるだけでなく、芸術文化に関連する専門職大学の開校や芸術目的の観光客の増加などにつながっていきました。
また、子供の内から芸術文化と触れる機会を増やすことで、多様性の受容と寛容性につながることも目指しています。
多様性は人々の視野を広げ、寛容性を持つことはまちに人を惹きつけることにつながるため、小さな世界都市の実現には欠かせないものとなっています。
経済的魅力と文化的魅力に乏しいことは男女に共通する豊岡市に戻らない理由の一つでしたが、女性のほうが圧倒的に豊岡市への復帰が少ない面もあり、この原因はジェンダーギャップにありました。
賃金差や業務内容の男女差、不寛容さ、強くて狭い人間関係など女性の活躍を阻む要因は豊岡市に限らず、多くの地方地域で見られるものです。
豊岡市はジェンダーギャップの問題点を人口減少、社会的、経済的な損失、公正さの欠如と捉え、積極的にギャップの改善に取り組んできました。
改善の結果人々の意識は変わりつつあり、改善への取り組みはメディアに取り上げられるなどしたことで、注目を浴びています。
4つの方法によって深さと広がりを基軸とした小さな世界都市となってきました。
自分たちの地域の自然、歴史、伝統、文化を誇りを持ち、まちづくりを行うことで、世界の人々とのつながりをつくり、小さな世界都市となることが可能になりました。
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