本の概要
子育ての方法はそこら中にあふれていますが、個人の体験や思い込みベースをもとにした方法、アドバイスがほとんどであり、科学的なアプローチで効果のある子育て法が必要とされています。
本書では、最新の脳科学、心理学に裏打ちされた科学的な根拠のある子育てメソッドを知ることができます。
子供のしかり方、どんな子育てが子供に効果的なのか、どう褒めたらいいのか、ゲームやスマホとどう向き合うかやる気を出す方法など科学的に有効な方法を知ることができる本になっています。
この本や記事で分かること
・個人的な成功体験ではない子育て法に触れることができる
・正しい叱りかた、ほめる方法などを知る
・子育ての親に与える意影響、子育て中の親に必要なこと
本の要約
子育ての方法はそこら中にあふれていますが、個人の体験や思い込みベースをもとにした方法、アドバイスがほとんどです。
今必要なのは、脳や身体、心のメカニズムにフィットした科学的アプローチで効果のある子育てで子供のポテンシャルをサポートしていくことが求められています。
科学的に根拠のある方法だからといって、子供によって合う合わないが存在することは事実ですが、子育てに迷ったときにはまず、科学的に効果が確認されている方法を実行し、子供に合うかを観察し、見極めていくことが重要です。
最新の脳科学、心理学に裏打ちされた科学的な根拠のある子育てメソッドを知っておくことで子育ての良い助けとなります。
子供が悪いときにすぐに叱っても、うまく理解できません。子供は子供の脳は理性的な働きをする領域が未発達です。そのため、子供の感情が高ぶっているときに叱っても、子供の脳はうまく飲み込むことができないためです。
まずは、子供の気持ちを声に出すなどして寄り添い、そのあとにやるべきだったことやってはいけないことを説明すると子供も理解しやすくなります。
そのほかに科学的に分かっていることには以下のようなことがあります。
・子供の言動にリターンを返す:認知能力、コミュニケーション能力を向上させる
・親との信頼関係構築:メンタルの強化
・良い褒め方:真実みがあり、努力を褒めることを意識
・悪い褒め方:他人との比較、ステレオタイプを押し付ける
・コントロール型ではなく、自立サポート型が有効
・自立型サポート型の子育てには共感、説明、子供による自己決定が重要
・スマホやゲームは禁止ではなくほかにやることを提案する
・自分を客観視したり、利他的な行動は適切な自己肯定感を養う
何をするうえでもやる気は重要ですが、やる気を気持ちの問題にせず、科学的にやる気を出す方法も知っておくべきです。
やる気の根本にあるのは自己決定論と呼ばれる以下の3つです。
・人とのつながり:関係性
・自分が何かできるという感覚:有能感、できる感
・自分が決断したことを自分の意思に沿ってやっているという感覚:自律性、自分から感
ご褒美や罰などでやる気を持たせるのではなく、やること自体が動機づけになる内発的なやる気を持たせることができるとやる気は高まります。
自律サポート型の子育てが有効となるのも、自己決定論によるものです。
子育ては幸福度が増す反面、大きなストレスの要因でもあります。
人間の心はネガティブな部分に目が行きがちであるため、変化のゆっくりとした子育てはどうしてもストレスが溜まるものです。
親のストレスは子供に合う影響を及ぼしてしまいますが、近年子育てはより難しいものになっています。
子育て中の親に必要なことは以下のようなものです。
・子育てでのイライラは私たちの心や脳のメカニズムから自然に湧くものと理解する
・仲間を見つけること
・自分のストレスと向き合うストレスマネジメントスキルを身に着けること
・悪い、できないを自分や子供のせいではなく成長のチャンスと捉える
・子供の脳の変化が少しづつ起きることを意識する
脳の成長、好奇心の伸ばしかた、自立する力やメンタル、親の心構えを理解し、焦らず、長期的な視点で実践していけば必ず、道が開けていきます。
子育に必要なことは何か
子育ての方法はそこら中にあふれていますが、違う子供にも同じような効果が出るわけではありません。
個人の体験や思い込みベースの子育てではなく、脳や身体、心のメカニズムにフィットした子育てで子供のポテンシャルをサポートしていくことが求められています。
科学的なアプローチによって、実は効果のなかった子育て方法や以外に効果の大きい方法が明らかになり始めています。
最新の脳科学、心理学に裏打ちされた科学的な根拠のある子育てメソッドからすぐに実践できるものを厳選して紹介していきます。
個人の体験や思い込みでなく、科学的なアプローチで効果のある子育て法を知ることが重要になっています。
科学的に根拠のある子育てをどのように実践すべきか
科学的に根拠のある方法だからといって、子供によって合う合わないが存在することは事実です。
子育てに迷ったときにまず、科学的に効果が確認されている方法を選び、実行することは問題ありません。その後、実行した方法が子供にあっているかを観察し、見極めていくことが重要です。
科学的な根拠があっても、全ての子供に合うとは限りません。迷った時は根拠ある方法を選び、それが子供に合っているか見極めることが重要です。
子供が悪いことをした時にはどうすれば良いのか
子供の脳は理性的な働きをする領域が未発達です。そのため、子供の感情が高ぶっているときに叱っても、子供の脳はうまく飲み込むことができず、火に油を注ぐことになってしまいます。
まずは、子供の気持ちを声に出すなどして寄り添い、そのあとにやるべきだったことやってはいけないことを説明すると子供も理解しやすくなります。
子供の脳は基礎的な認知に機能は5歳ごろと早い段階で完成に近づきますが、その後も脳は変化し続け、成長は続きます。
5歳までの脳の発達をサポートするために重要になるのがストレスのバランスです。ストレスのかけすぎもすべてのストレスから遠ざけることも脳の発達に悪影響を及ぼしてしまいます。
子供の脳は理性を司る部分が未発達であるため、いきなり叱っても、うまく理解できません。
まずは子供の気持ちに寄り添い、その後にやってはいけないこと、やるべきだったことを説明すると理解しやすくなります。
子供の成長に重要なことは何か
子供の認知機能の発達に重要となるのは子供の言動や表情、ジェスチャーなどにリターンを返してかげることです。
リターンを返して上げることは認知能力やコミュニケーション能力の発達や親子の信頼関係を築くことにもつながります。
特にしっかりとした信頼関係を持てる大人が一人でもいるかは子供のメンタルの強さに大きな影響を与えます。
人間は社会的な動物であり、社会を保つために脳が大きくなったともいわれています。
そのため、社会性や感情の能力をサポートすることで子供の知的能力も高まることが分かっています。心と体の能力を伸ばすことで脳を効率よく成長させるベストなサポートで結果的に成績UPにもつながります。
また、脳の仕組みから以下のようなやり方が有効と考えられます。
・新しい習慣を取り入れるときは少しづつ習慣を変えるとよい
・脳が最も効率的に学べるのは間違えたときである
・子供に脳のメカニズムを説明し、ポジティブなイメージを持たせる良い
子供の言動にリターンを返すことで、認知能力、コミュニケーション能力を向上させ、親との信頼関係を築くことができます。親との信頼関係はメンタルの強さにも影響し、社会性を高めることは知的能力の向上にも必要です。
やる気を出すにはどうすれば良いのか
何をやるにしてもやる気は重要ですが、やる気を気持ちの問題にしてしまうことも少なくありませんがやる気を出す科学的な方法も存在しています。
やる気の根本にあるのは以下の3つです。
・人とのつながり:関係性
・自分が何かできるという感覚:有能感、できる感
・自分が決断したことを自分の意思に沿ってやっているという感覚:自律性、自分から感
この3つは自己決定理論と呼ばれ、これらの感覚を持った時に脳内で快楽物質であるドーパミンが分泌されています。
また、やる気を出す要因は以下のように内発的やる気と外発的やる気に分けられます。
内発的やる気:何かをやること自体に動機づけられている状態
外発的やる気:何かをやることから発生する報酬や罰などでの動機づけ
自己決定論で重要と明らかになっているのは内発的やる気を持つことであり、外発的やる気は内発的なやる気を壊してしまいます。
ご褒美や罰などの外発的やる気は短期的な効果はありますが、長期的に効果が薄く、悪影響も多くなります。
やる気は気持ちの問題ではなく、科学的にやる気を上げることができます。
脳がやる気を感じるのは
・人との関係性を感じる
・有能感、できる感を持つ
・自分の意志でやったと感じる
の3つです。
ご褒美や罰などでやる気を持たせるのではなく、やること自体が動機づけになる内発的なやる気を持たせることができるとやる気は高まります。
子供をどうやって褒めるべきか
誉め言葉も外発的な動機づけの要因となります。
誉め方の研究も進んでおり、以下のような4つのポイントが明らかになっています。
・ほめ方に真実味があるか
・結果をほめ過ぎず、努力を褒める
・釣ることを目的にしない
・比較はしない
また、親からのステレオタイプ(女の子だから…のような)の押し付けは仮にそのステレオタイプが誤っていても意識するだけで実際のパフォーマンスに悪影響を及ぼしてしまいます。
褒め方も外発的なやる気の要因となるため、褒め方にも注意が必要です。
真実みがあり、努力を褒めることを意識し、比較やステレオタイプの押し付けなどを行わないようにすべきです。
厳しく育てるのか、のびのび育てるべきなのか
厳しくしつけをしたほうが良いのか、のびのびとやらせたほうが良いのかは多くの親が悩むポイントです。
以下のような方法で子供にああしろ、こうしろとプレッシャーを変え、コントロールしようとすることが子供の心や体に多大な悪影響があります。
・罰で脅す
・過度な期待でプレッシャーをかける
・罪悪感を植え付ける
このような子育ては自己決定論の「自分から感」を消してしまいます。
一方で、のびのびとやらせ自分から感を持たせるようにサポートすることは子供の心の安定、やる気や自身につながりパフォーマンスも良くなっていきます。
このような自律性を持たせる子育ては有効ですが、自分勝手や制限のない自由とは違うことを理解しておくことも重要です。
罰で脅すなどの厳しい子育ては自分から感を消してしまう一方、のびのびとやらせ、サポートする方が心の安定、やる気の向上などにつながります。
ただしのびのび=自分勝手、制限のない自由ではありません・
自立サポート型の子育てを行うにはどうすれば良いのか
自律サポート型の子育てを行う際の基本要素は以下の3つです。
・共感:子供の気持ちに共感を示す ただし、子供と同じ気持ちを持つことではない
・説明:なぜやるべきか説明し、子供に理解させる
・自己決定:自分で決定することで自分から感、内発的やる気を引きだす
過度な干渉や甘やかし、感情的にどなりつける、子供の気持ちの過小評価などではなく、子供の感情を受け入れたうえで、理性的にやるべきことを説明する自律サポート型の基本を意識することが大事です。
自立サポート型の子育てで重要になるのは共感、説明、自己決定を意識することです。
子供の感情を受け入れ、理性的にやるべきことを説明することが大事です。
スマホやゲームとはどう向き合うべきか
スマホやゲームをやめられないのは心の3大欲求を満たしているため、やりすぎを修正することは難しいことです。
制限をかけるときも、無理やり禁止にしたり、デバイスを取り上げるのは得策ではなく、他にやることを提案するなどバランスベースの声掛けに変えていく必要があります。
また、今後もテクノジーにあふれる社会で暮らしていくため、極端なテクノロジーからの隔離ではなく、ほどほどの距離を置きながら、適度にテクノロジーを使いこなす能力を養うことが求められています。
デバイスを取り上げたり、禁止するのではなく、他にやることを提案するなどが有効です。
今後はテクノロジーにあふれる社会で暮らすことになるため、テクノロジーを適度に使いこなすことは必要な能力になります。
メンタルはどう鍛えるべきか
子供のメンタルを強くすることは知能をアップさせるにも最も効果的です。
メンタルを強くする要素に一つに自己肯定感がありますが、むやみな自己肯定は子供のメンタルに逆効果になることもあります。何かに成功した時に誉め言葉やお小遣いを上げる、ネガティブな気持ちを抑え込ませるなどの自己肯定は逆効果になってしまいます。
効果のある自己肯定とは自己受容によりありのままの自分を受け入れることや、そんな自分に自分なりの価値を見つける自己価値を通して、現実の自分をありがたく思う気持ちです。
他人との比較による優越や周囲からのポジティブな承認に頼り切った外発的な報酬に元づく肯定感ではなく、あくまで自己受容と自己価値が重要になってきます。
メンタルには自己肯定が重要ですが、褒め言葉やお小遣いのような外発的な方法ではなく、自分をありのままで受け入れ、自分なりの価値を見つけることが重要です。
自己肯定感を身に付けるにはどうすれば良いのか
求めるべき自己肯定感を身に着けるには以下のような考え方が必要です。
ディスタンタンシング
自分の気持ちと適切な距離をおく、ふと我に返ることで、ネガティブな考えから抜け出し、より建設的に考えるきっかけとなります。
自分を違う視点から見ることを想像する、PERT呼吸法を行う、一日の終わりに3つの良いことを振り返ることなどで自分の意識を今感じていることや考えていることに目を向けるマインドフルネスの状態にすることができます。
利他的な行動をとる
相手にやさしい心を持ち、親切な行いをすることは自己肯定につながります。
利他的な行動は周りにどう見られているか心配しなくて済むようになります。自分が周囲の人からどれだけ受け入れられているかは自己肯定のものさしであるため、利他的な行動は自己肯定感を上げることとなります。
利他的なマインドは心の3大欲求を満たすため、自己肯定感だけでなく、幸福感も上昇させることが可能です。
自分を客観視したり、利他的な行動で適切な自己肯定感を持つことができるようになります。
子育ては親にどのような影響を与えるのか
子育てが親に与える影響はとても複雑です。
子供の成長や親としての役割が人生に意義を与え、幸福感が増す反面、大きなストレスにもなります。
親の子育てストレスは、コントロール型の子育てにつながり、子供にも伝わり悪い影響を与えてしまいます。
子育てストレスの少ない親の子供は、感情や社会性の問題が少ない、自己表現力が増す、成績や収入、生きがいにも良い影響が与えることが分かっています。
一方で、現代の子育ては親に非常に高い期待が押し付けられています。共働きの増加、核家族化、地域コミュニティの縮小など子育てはより難しいものになっています。
子育ては幸福度が増す反面、大きなストレスの要因でもあります。
親のストレスは子供に悪い影響を及ぼしてしまいますが、近年子育てはより難しいものになっています。
子育てに必要なものとは何か
また、人間の心はネガティブなものに気を取られやすいため、多様な子供の発達の悪い部分に目が行きやすいことや子供の変化がゆっくりであることも子育てがストレスにつながりやすい要因です。
子育て中の親に必要になるのは以下のような項目です。
・子育てでのイライラは私たちの心や脳のメカニズムから自然に湧くものと理解する
・仲間を見つけること
・自分のストレスと向き合うストレスマネジメントスキルを身に着けること
・悪い、できないを自分や子供のせいではなく成長のチャンスと捉える
・子供の脳の変化が少しづつ起きることを意識する
脳の成長、好奇心の伸ばしかた、自立する力やメンタル、親の心構えを理解し、焦らず、長期的な視点で実践していけば必ず、道が開けていきます。
人間の心はネガティブな部分に目が行きがちであるため、変化のゆっくりとした子育てはどうしてもストレスが溜まるものです。
焦らず、長期的な視点で実施していくことで道がひらけていきます。
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