この記事で分かること
1. 水素エンジン ハイブリッド車とは
ガソリンの代わりに水素を燃やして動くエンジンと、電気モーターを組み合わせた自動車です。走行時のCO2排出はほぼゼロで、ハイブリッド化によって弱点だった燃費や航続距離を大幅に向上させています。
2. 水素エンジンとモーターの違い
水素エンジンは水素を「燃焼(爆発)」させてピストンを動かす仕組みで、音や振動があります。一方、モーターは「電気と磁気」の力で直接軸を回転させる仕組みで、静かでスムーズに加速するのが特徴です。
3. 徳島での実証実験の内容
徳島県内で「水素エンジンハイブリッド車」をホテルや大学の日常業務で公道走行させ、実社会での実用性や燃費データを収集する実証実験です。東亞合成が現地製造した水素を使い、地産地消モデルも検証します。
水素エンジンハイブリッド車の技術実証
東亞合成は2026年7月7日、徳島県とトヨタ自動車が協働で実施する国内初の「水素エンジン ハイブリッド車」による公道での技術実証に、特別協力として参画することを発表しました。
自社の「水素ステーション徳島」をこの実証車両の燃料供給拠点として提供します。
隣接する同社徳島工場で製造した水素を直接供給するため、エネルギーをその土地で作り、その土地で消費する「地産地消型」の水素サプライチェーンの構築と、運輸部門の脱炭素化に貢献することを目指しています。
水素エンジン ハイブリッド車とは何か
「水素エンジン ハイブリッド車」とは、ガソリンの代わりに水素を燃やして動くエンジンに、電気モーターとバッテリー(ハイブリッドシステム)を組み合わせた自動車のことです。
1. どんな仕組みなのか
基本的な考え方は、プリウスなどの一般的なガソリン・ハイブリッド車(HEV)と同じです。
- 発進・低速時: バッテリーの電力を使って「電気モーター」だけで静かにスムーズに走ります。
- 加速・高速時: 「水素エンジン」が始動し、水素をエンジンのシリンダー内で燃焼(爆発)させて力強く走ります。
燃料がガソリンから水素に変わっただけなので、走行時に排出されるのはほぼ「水(水蒸気)」だけで、CO2(二酸化炭素)をほぼ排出しません。
2. 「燃料電池車(FCEV)」との違い
同じ水素を使う車ですが、中身は全く異なります。
- 燃料電池車(FCEV ※トヨタのミライなど)水素と空気中の酸素を化学反応させて「発電」し、その電気でモーターを回して走る「移動する発電所(電気自動車の一種)」です。エンジンはありません。
- 水素エンジン ハイブリッド車(※今回のハイエースなど)従来のガソリン車と同じように、パタパタとピストンを動かして燃料をガソリンと同じように「燃やす」エンジン車です。これにモーターの補助を組み合わせています。
3. なぜ「ハイブリッド」にするのか
水素だけで走るエンジン車には「燃費(水素の消費)が激しく、航続距離が短い」という弱点がありました。
そこにハイブリッドシステムを導入することで、エネルギー効率が大幅にアップします。トヨタの実証用ハイエースでは、ハイブリッド化によって航続距離が約1.2倍に伸び、実用性が大きく向上しました。
従来のエンジン部品や製造ライン(日本の自動車産業の強み)を活かしながら、脱炭素を実現できる新しい選択肢として期待されています。

ガソリンの代わりに水素を燃やして動くエンジンと、電気モーターを組み合わせた自動車です。走行時のCO2排出はほぼゼロで、ハイブリッド化によって弱点だった燃費や航続距離を大幅に向上させています。
水素エンジンとモーターの違いは何か
水素エンジンとモーターの最大の違いは、「何をエネルギーにして、どうやって動くか」です。
1. 水素エンジン(火の力で動く)
- エネルギー源:水素ガス
- 仕組み:従来のガソリン車とほぼ同じです。エンジンの内部で水素を「爆発(燃焼)」させ、その勢いでピストンを押し動かして回転力を生み出します。
- 特徴:ブォーンという音や振動があり、従来の車らしい乗り心地です。
2. モーター(電気の力で動く)
- エネルギー源:電気(バッテリーなど)
- 仕組み:ミニ四駆や家電と同じです。電気を流すことで「磁石が引き合う・反発する力」を発生させ、軸をダイレクトに回転させます。
- 特徴:ほぼ無音・無振動です。アクセルを踏んだ瞬間から一気に最大のパワーを出せるため、加速が非常にスムーズです。
水素エンジンは燃料を「燃やす機械」、モーターは電気を「回転に変える機械」という違いです。

水素エンジンは水素を「燃焼(爆発)」させてピストンを動かす仕組みで、音や振動があります。一方、モーターは「電気と磁気」の力で直接軸を回転させる仕組みで、静かでスムーズに加速するのが特徴です。
徳島での実証実験の内容は何か
徳島県で行われている実証実験は、国内で初めて「水素エンジン ハイブリッド車」を実際のビジネスの現場で走らせて、使い勝手や性能を試す技術テストです。
1. 誰が、どうやって使うのか
トヨタの「水素エンジン ハイエース」1台を、徳島県内のホテルや大学に貸し出し、日々の通常業務の中でそのまま使ってもらいます。
- ホテル(アオアヲ ナルト リゾートなど4グループ): 観光客の送迎バスなどとして運行
- 大学(徳島大学・四国大学): 教職員の移動や日常の業務連絡などとして運行
主に鳴門公園周辺をはじめとする県内の公道を、2026年7月7日から12月22日までの約半年間走行します。
2. 何を調べているのか
実験室ではなく、あえてアップダウンやストップ&ゴーがある「リアルな現場」で走らせることで、以下のデータを集めています。
- 走行データ: 実際の燃費(水素の消費量)、エンジンにかかる負荷、航続距離
- 実用性・耐久性: 毎日たくさんの人や重い荷物を乗せて走る「はたらくクルマ(商用車)」として、故障せず快適に使えるか
3. もう一つの目的「水素の地産地消」
このハイエースが使う水素は、特別協力として参画している東亞合成の徳島工場で作られたものです。
「地元で作ったクリーンな水素を、地元のステーションで補給し、地元の足として使う」という、エネルギーの地域循環(地産地消)モデルが実際にうまく回るかを検証することも、この実験の大切なポイントです。

徳島県内で「水素エンジンハイブリッド車」をホテルや大学の日常業務で公道走行させ、実社会での実用性や燃費データを収集する実証実験です。東亞合成が現地製造した水素を使い、地産地消モデルも検証します。


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