この本や記事で分かること
・電気回路基板とは何か
・なぜ、高分子材料が回路基板材料に利用されるのか
・どのよう高分子が材料として使用されているのか
高分子材料の持つ絶縁特性はどのような分野で利用されているのか
多くの高分子は共有結合によって、結合されているため自由に動ける電子がなく、絶縁体となっています。
その絶縁特性の高さから回路基板などにも用いられています。回路基板とは電子部品を取り付けて電気回路を構成するための板であるため、回路部分だけに効率的に電流を流すため、素材自体には高い絶縁性が求められます。
絶縁体であっても、電圧がかかった瞬間には分子の電荷の偏りで電荷が移動し、一瞬電気が流れます。この一瞬の電気の流れを誘電分極と呼び、電場に反応し、どれだけ誘電分極を起こすかの指標として誘電率があります。
誘電率が高い場合、分子内の電荷の移動、分子の回転が起こりやすく、電気のエネルギーが分子の動きによる摩擦抵抗などによる発熱が発生してしまいます。
特に高周波になるほど発熱量が大きくなるため、高周波に対応する電子基板では、誘電率の低い素材が利用されます。

回路基板とは何か
回路基板は、電子部品を実装し、電気回路を構成するための基盤となる板のことです。さまざまな電子機器に組み込まれており、現代の電子機器には欠かせない存在です。
電子基板の役割
- 電子部品の実装: 抵抗、コンデンサ、ICなどの電子部品を基板上に固定し、電気的に接続します。
- 電気回路の構成: 基板上の配線パターンによって、電子部品同士を接続し、目的の電気回路を構成します。
- 電子機器の小型化: 複雑な電気回路を小さな基板上に集約することで、電子機器の小型化に貢献します。
- 電子機器の安定動作: 電子部品を安定して固定し、電気回路を確実に接続することで、電子機器の安定動作を支えます。
電子基板の用途
電子基板は、以下のようなあらゆる電子機器に組み込まれています。
- パソコン、スマートフォン、テレビなどの情報機器
- 自動車、家電製品、医療機器などの産業機器
- 航空宇宙機器、軍事機器などの特殊機器
電子基板の技術は日々進化しており、より高密度、高性能、高機能な電子機器の実現に貢献しています。また、基板材料として使用されている高分子も様々なものが開発されています。
回路基板は、電子部品を実装し、電気回路を構成するための基盤となる板のことで、高密度、高性能、高機能な電子機器の実現に貢献しています。
エポキシ樹脂とは何か
エポキシ樹脂は最も汎用的に回路基板に利用されている材料です。
エポキシ樹脂は三員環構造の環状エーテルとポリアミンなどを重合させることで、合成されています。
材料特性に優れており、非常に幅広い回路基板で使われているため、安価であるという特徴もあります。
ガラス繊維と複合させたFR-4は絶縁特性と強度を兼ね備えた材料として、最も汎用的な回路基板材料になっています。

ポリイミドの特徴は何か
ポリイミドも回路基板として、利用されています。イミド構造を持つ高分子のことをポリイミドと呼びます。
イミドとはアミンに二つのカルボニル基が結合したもので、酸無水物とアミンとの反応で生成します。
ポリイミドには環状構造持つものと脂肪族のものがありますが、脂肪属のポリイミドはあまり材料として利用されないため一般的にポリイミドというと環状構造を持つイミド結合を持つ化合物のことを指します。
ポリイミドを利用した回路基板はフレキシブルプリント基板(FPC)と呼ばれます。フレキシブルという名前からも分かるように、曲げることができる点が大きな特徴で、機械内で曲げたり、折りたたむことができる機材に利用されます、
また、軽量であり、耐熱性に優れているという特徴ももっており、ウエラブル端末などには必要不可欠なものとなっています。
一方で、エポキシ樹脂と比較するとやや特殊な用途である点や製造に特殊な技術を必要とすれためやや価格は高くなっています。

液晶ポリマーとは何か
液晶ポリマー(LCP: Liquid Crystal Polymer)
パラヒドロキシ安息香酸を主骨格とした高分子化合物。パラヒドロキシ安息香酸のみの重合物は融点が高いため、別成分を混入し、融点を下げています。
高い機械的強度と非常に優れた耐熱性、低い誘電率を持つ材料であり、非常に高い周波数特性を持ち、通信機器などで重宝されます。

テフロンはなぜ、基板材料に利用されているのか
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)は、非常に低い誘電率と優れた絶縁性を持つ材料です。化学的にも非常に安定しており、高い耐熱性を誇ります。
高周波回路基板や、電子機器における信号の損失を最小限に抑えたい場合に使用されます。高周波特性が重要な回路基板に適しています。

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